「電気主任技術者」という国家資格をご存知でしょうか。電気主任技術者とはどんな仕事をする資格なのか?どのくらいの難易度を誇る資格なのか?電気主任技術者の年収はどのくらいなのか?といった観点から電気主任技術者の資格について徹底的に迫っていきます。これから電気の世界で活躍していきたい人や、電気保安の世界を覗いてみたい人にとって役立つような内容となっています。

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電気主任技術者とは?1種、2種、3種の違いと仕事内容や選任規定について

電気主任技術者とは電気保安のプロフェッショナル!電気工作物や将来性

日本の電気のインフラは当然のごとく、なくてはならない存在です。発電所から電気が送られ変電所で電気を降圧し、各家庭や工場などに送電する。電気が生まれてから家庭や企業等に届くまでの過程で「電気工作物」は必要不可欠な存在として重要な役割を持っています。電気主任技術者とは何かをかいつまんでいうと、一定規模以上の電気工作物が安全に稼働できるように点検するための国家資格なのです。

電気工作物の定義は発電・変電・送電・配電または、電気使用に関する機械・器具等の工作物という定義がなされています。まさに電気の流通の安全を確保するのが電気主任技術者とイメージできます。電気主任技術者は電気保安を担うための資格であり、電気保安を確立するためには電気主任技術者が必要になるのです。電気主任技術者は国家資格ですから、その資格の効力を担保する根拠条文があります。

それは「電気事業法」という法律です。電気主任技術者に関する法律は電気事業法だけでなく、内線規程、電気設備技術基準、電気用品安全法等様々な電気に関する法律に基づき電気主任技術者は今日も電気設備の維持・運用を行っているのです。まさしく電気保安に関するプロフェッショナルといえる資格が電気主任技術者です。実際に電気主任技術者がどのような点検業務の行っているのかというと、年次点検、月次点検などの頻度で、力率改善のためにコンデンサを直接、監視し結果を点検報告書にまとめたり、遮断器などの機器を接地抵抗測定で測り異常値があれば検出し、点検日誌にまとめて報告したりします。

先ほど電気主任技術者の仕事は’一定規模以上の’電気設備の保安管理を行う仕事をする国家資格と記載しましたが、この一定規模以上がどのような意味を持つのかについてを簡単に説明します。まず、電気工作物には大まかに一般用電気工作物と事業用電気工作物という分類があります。事業用電気工作物と一般用電気工作物の違いは以下の図のようになっています。

電気主任技術者の将来性・需要

ちなみに、電気工作物のうち、電気主任技術者が選任することになる事業用電気工作物のうち自家用電気工作物は以下のグラフのように毎年増加しており、H29年現在で設置件数が90万件に至っています。中でも高圧自家用電気工作物がほとんどですが、再生可能エネルギーの隆盛に応じて、年々規模の大きいメガソーラーを中心とした特別高圧の自家用電気工作物の設置件数が増加しています。自家用電気工作物では、選任義務が発生するので、ますます電気主任技術者に対する需要は高まっていくでしょう。ですので、電気主任技術者の将来性のある資格職であるといえる根拠の一つといえます。ただ、将来性はあるとはいえ、保安規定等に変更があったり、電気主任技術者業務がAIに置き換ったりする可能性もあるので、一概には言えないところです。電気主任技術者の資格の活かし方は色々ありますが、副業・フリーランスが電気保安法人や電気管理技術者の場合、難しかったりするので、柔軟な働き方は難しいかもしれません。

電気主任技術者:自家用電気工作物設置件数

電気主任技術者:自家用電気工作物設置件数(出典:経済産業省『自家用電気工作物設置件数全国計』より作成)

電気主任技術者[電験]1種、2種、3種の違いは選任範囲にある

まず、先に見た事業用電気工作物の設置者は、電気事業法43条1項に基づき、事業用電気工作物の維持・運用に関する保安の監督をさせるために、経済産業省令の規定に基づき電気主任技術者を「選任」しないといけないのです。そしてその選任範囲は電気主任技術者の区分によって決まっています。電気主任技術者には1種、2種、3種と区分がありますが、それぞれの選任範囲は以下の表のようになります。

区分内容
一種すべての電気工作物
二種電圧170,000V未満の電気工作物
三種電圧50,000V未満の電気工作物(出力5,000kW以上の発電所を除く)

電気主任技術者の各資格区分の違いは☝の表のようになりますが、電験一種で選任される電圧が17万ボルト以上の事業用電気工作物含む全ての電気工作物は、かなり大規模で原子力発電所や火力発電所、新幹線の受電設備、大規模データセンターのような発電所での選任が多いです。電験二種で選任される電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物では、大規模な工場、データセンター、自家発電設備、特別高圧太陽光発電、特別高圧受変電設備、などで選任されています。電験三種で選任される電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物では、工場、ビルディング、中規模商業施設、学校、病院、高圧受電設備などで選任されています。選任には、常駐での選任や複数事業所を2時間以内で選任させる兼任という形態があります。選任、兼任、常駐については『電気主任技術者の選任についてを徹底解説』、『電気主任技術者の兼任について2時間以内の規定について解説』、『電気主任技術者の常駐は法律的に必要?』という記事で解説しています。

電気主任技術者の就職~ビルメンテナンス、電力会社、公務員、工場、メーカー、再エネ~

電気主任技術者が選任、勤務する場所は相当に幅広く、商業施設から大規模データセンターまで、多種多様な職場で勤務することができます。電気主任技術者としてこのような職場で勤務することができますが、公務員として勤務したり、電力会社の社員として勤務したり、再生可能エネルギー設備だったり、ビルメンテナンスだったりします。それだけでなく、後に説明しますが、電気主任技術者の資格を活かした、電気保安の外部委託請負を行う電気保安法人や電気管理技術者という働き方もできるほどに多様な職種に就くことができるのです。

参考までに平成30年度電気主任技術者試験(電験)を運営していた電気技術者センターの公表資料によると、以下のような職業従事者が電気主任技術者の資格を受験しています。

電気主任技術者就業先割合

電気主任技術者就業先割合(H29電気技術者センター公表資料より作成)

このグラフを見ると、電気主任技術者試験を受験している人の多くは、ビルメンテナンス、電力会社、電気工事会社従事者が多いことがわかります。いずれも電気主任技術者にしかできない法定点検・保安教育等を行う仕事をし、昇給などのキャリアステップの一環として取得を目指していることがわかります。

電気主任技術者の資格を取得するには?試験の合格率・難易度と実務経験による認定取得

これまで、電気主任技術者の資格を活かした仕事内容、選任義務や就職先、将来性・需要等についてを紹介してきましたが、やはり電気主任技術者はそのメリットが大きいので人気の高い資格で、毎年多くの受験者が合格を目指しています。そんな電気主任技術者を取得する道は試験(通称電験)に合格するか、所定の実務経験を満たし認定取得を目指すかの道があります。次に電気主任技術者の取得方法を試験(電験)、実務経験による認定取得別に解説していきます。

電気主任技術者試験(電験)の合格率・難易度

電験1種、電験2種、電験3種の試験科目と科目合格制度による免除

まずは、電気主任技術者試験(通称電験)の試験科目、合格率・難易度についてを紹介します。電気主任技術者試験は電験1種、電験2種で一次試験・二次試験が課され、電験3種は一次試験のみの試験となります。電験1種、電験2種、電験3種の試験科目については以下のような表になります。

 一次試験内容二次試験内容
電験1種
電験2種
電験3種(一次試験のみ)
理論電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測電力・管理発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気施設管理
電力発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料機会・制御電気機器、パワーエレクトロニクス、自動制御及びメカトロニクス
機械電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理--
法規電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理
--

これらの試験科目全てで毎年変動する合格基準・合格点を合格することで電気主任技術者試験(電験)に合格することができます。ただ、毎年行われる試験で丸々1年でこれらの試験科目すべてに合格しなければいけない!というワケではありません。電気主任技術者試験には科目合格制度があり、1部の科目(例えば、理論のみ合格基準を満たし合格)した場合、次の年(2018年なら2019年)、翌々年の試験(2020年)で申請することで合格した科目を免除(理論)することができるのです。つまり、三年間で4科目を合格していれば電験合格となります。注意点として、電験1種、電験2種の二次試験には科目合格制度はありませんが、一次試験合格年度の次の年度では一次試験が免除になります。

電気主任技術者試験(電験)1種、2種、3種別の難易度・合格率と勉強時間

そんな電気主任技術者試験(電験)の試験科目と科目合格制度ですが、実際に電気主任技術者試験(電験)はどのくらいの合格率で、どのくらいの難易度なのかを次に見ていきます。まず、電気主任技術者試験(電験)の平成30年度試験の合格率についてを紹介します。成30年度の電気主任技術者試験(電験)の合格率は以下の画像のようになっていました。

電気主任技術者試験1種、2種、3種合格率平成30年度

電気主任技術者試験1種、2種、3種合格率平成30年度(電験1種、電験2種の合格率については一次試験×二次試験のもの)

電気主任技術者試験(電験)の合格率は1種、2種、3種のいづれの試験においても合格率が10%を切る試験となっています。それだけ難しい、難易度が高い試験といえます。電気主任技術者試験の合格率は非常に低い、難関な試験ということが平成30年度試験からわかりますが、過去の電気主任技術者試験の合格率の推移を平均してみます。電気主任技術者1種で、3.3%、電気主任技術者2種で、3.9%、電気主任技術者3種で、9.5%となっています。詳しくは、『電気主任技術者の合格率・難易度は高い?低い?平成30年度合格率総まとめ』という記事で電気主任技術者の合格率について解説しています。

難易度は人それぞれ感じ方によって異なるので、一概に電気主任技術者の難易度を合格率で測ることは難しいことです。ですので、電気主任技術者試験(電験)を合格するにあたってかけた勉強時間についての一例を紹介します。

  • 第一種電気主任技術者を49歳で3年かけて合格した電力会社勤務の方の場合、勉強時間は700時間だったそうです。すでに電験二種を保有していますし、日常業務で火力発電の保守案件を持っていたので、勉強時間を削減できたそうです。その方の勉強時間や電験一種の難易度については『電験一種の合格率が嘘みたいに低い件』という記事で紹介しています。
  • 第二種電気主任技術者を40歳で一発合格した大学で機械工学を修めたのちに電力会社を経て特別高圧太陽光発電で勤務していた方の場合、勉強時間は500時間程度だったようです。電験二種の戦略で覚えるという参考書や一次試験完全攻略解答という電験二種でメジャーな参考書で電験二種を合格したようです。その方の電験二種の勉強方法や難易度については『電験二種の合格率が低すぎる件について。勉強方法等』、電験二種の参考書については、『電験二種のおすすめ参考書』という記事を参考ください。
  • 第三種電気主任技術者を大学時代に合格した方の場合、勉強時間は400時間程度だったようです。これまでに沢山の資格を取得していたので、資格勉強のコツはあったようです。隙間時間を有効活用したり、参考書の苦手な個所を反復復習するなどでした。電験三種の合格率・難易度や勉強方法等については、『電験三種の合格率は低い?合格の勉強法とは?』という記事をご参照ください。

電気主任技術者を実務経験による認定で取得

電気主任技術者は、試験(電験)を受験しなくとも実務経験によって免状を認定によって取得する道もあります。電気主任技術者の区分のうち、三種は試験の方が多く、二種、一種になると、実務経験による認定取得が多くなってきます。免状の効果は登録番号以外どちらも変わりません。電気主任技術者の実務経験による認定での免状取得は、学歴+実務経験の内容と実務経験年数で実務経験証明書を記載し、説明会に行き、各地の保安監督部へ申請し、面接を経て合格すれば免状を取得することができます。『電気主任技術者の実務経験による認定取得を解説!』認定取得の実務経験証明書の書き方等については『電気主任技術者の実務経験証明書の書き方を解説』という記事をご参考ください。以下に学歴+実務経験の要件を1種、2種、3種別に表でまとめました。

免状区分学歴、資格学歴経験年数実務経験内容
電験一種・電気工学に関する大学(若しくは同等機関)卒業者(卒前経験年数1/2)
+
(卒後経験年数)
=5年以上
電圧5万ボルト以上の電気工作物の工事、維持又は運用
・第二種電気主任技術者免状電験二種免状交付後5年以上
電験二種・電気工学に関する大学(若しくは同等機関)卒業者(卒前経験年数1/2)
+
(卒後経験年数)
=3年以上
電圧1万ボルト以上の電気工作物の工事、維持又は運用
・電気工学に関する短大・高専(若しくは同等)卒業者(卒前経験年数1/2)
+
(卒後経験年数)
=3年以上
・第三種電気主任技術者免状取得者第三種電気主任技術者免状交付後5年以上
電験三種・電気工学に関する学科の大学(若しくは同等機関)卒業者(卒前経験年数1/2)
+
(卒後経験年数)
=1年以上
電圧500ボルト以上の電気工作物の工事、維持又は運用
・電気工学に関する学科の短大・高専(若しくは同等)卒業者(卒前経験年数1/2)
+
(卒後経験年数)
=2年以上
・電気工学に関する学科の高校の卒業者(卒前経験年数1/2)
+
(卒後経験年数)
=3年以上

この学歴+実務経験年数を実務経験証明書に記載します。認定取得を目指す場合、認定の説明会に任意で参加することになりますが、流れを知るという意味で、なるべく説明会には参加するとよいでしょう。説明会後の認定による免状取得の流れは以下の画像のようになります。

電気主任技術者の認定取得の流れ

電気主任技術者の認定取得の流れ

この流れの中で、難しいのは、間違いなく認定面接です。実務経験証明書の内容を深堀されるだけでなく、試験で出題されるような内容を問われることもあります。ですので、試験に合格できるレベルの知識量と経験を兼ね備えた電気主任技術者であることを示せるとよいでしょう。噂では、第二種電気主任技術者の認定取得の難易度を試験レベルに引き上げるとか?『電験二種の認定について

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電気主任技術者の年収事情。独立も可能?

これまで、電気主任技術者の仕事内容や合格率・難易度、認定取得等についてを紹介してきましたが、資格取得を目指すうえで気になる事の一つとして、「年収はいくらなんだろう」といった点があるかと思われます。電気主任技術者の年収に関する客観的で公的な統計データはないので、類似する発電工・変電工の年収と、求人を基に独自調査した電気主任技術者の期待値年収についてを紹介していきます。さらに、電気保安法人での働き方や独立して電気管理技術者として働く年収等についてを紹介します。

電気主任技術者の年収事情~年収は低い?高い?年収1000万円は可能?

まずは、政府による統計データが存在する発電工・変電工の年収についてを紹介します。☟の発電工・変電工の年収のグラフを見ると、20代から60歳にかけて発電工・変電工の年収は右肩上がりで上昇しているようです。発電工・変電工の平均年収は531万円となり、日本人平均年収よりも高い年収となっているようです。厚生労働省賃金基本統計を基にしていますが、もちろん、電気主任技術者だけでなく、作業者等も含まれているので、電気主任技術者の正確な年収とはいえません。

電気主任技術者:発電工・変電工の年収

電気主任技術者:発電工・変電工の年収

次に、電気主任技術者や電気工事士の求人を有する求人サイト「建職バンク」の求人情報を元に電気主任技術者の年収を1種、2種、3種別に調査した画像が以下のものになります。

電気主任技術者の年収1種、2種、3種、電気主任技術者の平均年収

電気主任技術者の年収1種、2種、3種、電気主任技術者の平均年収

求人情報を元にした電気主任技術者の年収は第一種電気主任技術者保有者で、568万円、第二種電気主任技術者保有者で542万円、第三種電気主任技術者保有者で450万円の期待年収となることがわかります。電気主任技術者の期待平均年収では520万円と発電工・変電工の年収とそこまでかわらない数値となりました。電気主任技術者の求人を基にした年収調査や業種別の年収については『徹底解剖!電気主任技術者の年収を調査!』という記事をご参考ください。第二種、第一種電気主任技術者の求人の中には、メガソーラー太陽光発電での選任案件で年収1000万円を提示する求人もありますので電気主任技術者の資格を活かした転職では年収1000万円もねらうことが可能なのです。その分即戦力であり、電気主任技術者以外の電気工事士や電気工事施工管理技士等資格を保有していることなどが大前提となっているようですが。

電気主任技術者で独立して電気管理技術者、電気保安法人で働く年収事情

上の年収は、あくまで転職・就職を前提にした電気主任技術者の年収事情ですが、電気主任技術者の資格を活かした仕事には会社務め、公務員務め以外に電気保安法人、独立して個人事業主となる電気管理技術者という生き方もできるのです。次に電気保安法人での働き方や電気管理技術者の年収についてを紹介します。まず、電気保安法人と電気管理技術者のお金と契約の関係は以下の図のようになります。

電気管理技術者のお金の流れ

電気管理技術者のお金の流れ

一定規模以上の事業用電気工作物を設置する事業者は電気主任技術者を選任しないといけません(自主保安体制の原則)。しかし、それでは柔軟性がないので、電気主任技術者の選任を外部委託することができます。その時、不選任承認を経済産業省に申請し、通す必要がありますが。

そして設置者と請負契約を結ぶ者で電気管理技術者という者が存在します。いわゆる電気主任技術者として独立し、受変電設備などの点検業務を個人事業主として行う電気主任技術者です。そして、設置者が外部委託先として契約する法人として電気保安法人という団体が存在します。電気保安法人は業務委託契約で電気管理技術者と契約します。電気管理技術者として個人事業主で独立すると、完全個人採算になるので、年収も成果に応じて変わってきます。電気主任技術者として独立した人の中には大型施設を中心に案件を持ち年収1000万円を稼ぐ人もいます。

電気保安法人での働き方としては、固定給で月額○○万円が固定で、あとは点検ごとの点数制度で点数に応じて年収も変動していきます。電気保安法人では安定して勤務できますので、高齢・定年後の経験豊富な電気主任技術者でも十分に働くことができます。定年後の電気主任技術者の働き方については『電気主任技術者の資格を活かして定年後

電気主任技術者を取得するメリット・やりがい

何をもってメリットとするか?何をもってやりがいとするか?ということは個人個人様々に感じることで一概にはいきれるものではありません。ですが、どんなメリットがあるのか?どんなやりがいを感じられるのかということについては、これだけ難易度が高い試験ですから気になる方もいらっしゃるかと思われます。ですので、現場で働く電気主任技術者の声を基に電気主任技術者のメリットややりがいを一部紹介します。

電気主任技術者のメリット|電験を取得したからこその繋がりと感謝

電気主任技術者は非常に難易度が高い試験であることは先ほども触れました。現在、電気管理技術者として第二種電気主任技術者を活かし電気保安法人で勤務する田中(仮名)様の声を基に電気主任技術者のメリットを聴きました。以下抜粋

「電気系の資格の最高峰の難易度を誇りますので、それなりに称賛と羨望の対象になることがあります。そのことに満足することもありはしますが、それ以上に電気主任技術者だからこそできた仕事というのは沢山あるのです。保安教育一つとっても、電気保安の重要性やリスク管理を啓蒙しないといけなくて、保安教育を通して電気保安のことを知ってもらう。そしてその現場で関係ができる。私の場合、保安教育は、電気主任技術者冥利につきることだと感じます。安全を電気主任技術者たる自分のみに帰着させるのではなく、内省し布教することで電気保安の重要性を知っていただくこともミッションなのではないかと思います。の行動を通してできた関係で感謝されることもあります。メリットという表現よりかはやりがいという表現の方が正しいですね。」

「電気主任技術者を取得して良かったと思えることは本当に人それぞれなことですが、電験保持者の交流会等もあります。twitterなんかでは#電験信者という言葉がはやっているようですが、電験という資格はそれだけ高難易度を超えた先にある達成感のようなものが感じられる資格です。同じ試験を超えてきた者同士で熱く電気の奥深さ、機械制御の面白さ、電気保安の行く末、再生可能エネルギーのあれこれ、業界トークなどをすると楽しく思います。この交流というには電気主任技術者資格を取得したからこそ得られた財産です。」

「電気主任技術者は時に楽な仕事だの、電験は意味ないだの言われることがあります。それはそれで場合によっては、正鵠を得た表現です。必ずしも電気主任技術者試験を合格したからといって、選任されるわけではないですし、昇給につながらなかったら意味ないととらえる気持ちもわかるものです。電気主任技術者のメリット・やりがい・魅力の一つとして私が考えるに、感電等の事故を絶対に起こさないこと、そのために日々知識を研鑽することにあります。感電等の事故を防ぐために知識を研鑽しておくことは電気主任技術者の矜持でもあります。電気機器はパワーエレクトロニクスの発展に伴い進化していますし、保護継電器もマルチ機能が多いですし、電力システムも変わっていきます。そうした技術の動向や政財界の動向にも目を向けて仕事に活かす姿勢というのは非常に重要なことだと考えます。」

まとめ

以上のように、電気主任技術者についてを仕事・業務内容、合格率・難易度、実務経験による認定取得、年収事情、やりがいやメリット等と幅広く電気主任技術者についてを紹介してきました。電気主任技術者は電気を前提として現代社会においてなくてはならない存在です。その責任の重さがある分、電気主任技術者試験の難易度は相当に高いですが、得ることのできる年収等のメリット・やりがいを享受できる資格です。だからこそ電気主任技術者のすゝめとして、電気主任技術者のあれこれについてを紹介してきました。