自家用電気工作物に電気主任技術者を保安管理のために常駐させるか、電気保安法人などに外部委託するかします。ここで言う電気主任技術者の常駐の定義とは何なのか?電気主任技術者の常駐が法律の規定でどのように定められているか、電気主任技術者の求人で常駐を求める求人はどんなものがあるのかについてを紹介します。

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電気主任技術者の常駐とは?常駐の定義とは?

電気主任技術者の常駐の定義:専任とは?常駐は義務?

まず、「常駐」という言葉の意味はいつも駐在していることを意味します。電気主任技術者の常駐は扱う電気設備の保安監督業務を現場で常時勤務の形態で行い、異常がないかなど法定点検を行うことです。一定期間毎に電気設備の点検業務を行う形態とはまた異なります。つまり、電気主任技術者の電気工作物を保安監督するという業務を常駐で常にその場にいて監督するという意味が、「常駐」になります。

電気事業法38条第4項で定める自家用電気工作物の設置者には電気主任技術者を常駐で選任させるか、外部選任で電気主任技術者を選任させるかという義務があります。選任義務はあものの、選任の方法については例外を除き、義務はありません。

電気主任技術者の選任の形態にはいくつか種類があります。それは、「専任」、「兼任」、「兼務」というものです。電気主任技術者の専任とは、選任された事業場に常時勤務(常駐)する勤務形態です。これらの違いは以下のような表になります。

選任内容
専任選任された事業場に常時勤務し、主任技術者としての職務を行う形態
兼任既に選任されている事業場に加え、別の事業場の主任技術者の職務を行う形態
兼務既に選任されている事業場は無いが、常時勤務する事業場とは別の事業場の主任技術者として選任される形態

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電気主任技術者はどんな場所、条件で常駐の義務がある?

特別高圧、メガソーラーの設備で電気主任技術者は常駐で選任される

出展:west-group株式会社http://www.west-gr.co.jp/business/highpressure_solar/より引用

出展:west-group株式会社http://www.west-gr.co.jp/business/highpressure_solar/より引用

外部選任ができず、常駐のみとなっている場合があります。それは自家用電気工作物の電圧が22kV以上の特別高圧の場合です。特別高圧の受変電設備やメガソーラーなどでは電気主任技術者を外部選任するのではなく、常駐させる必要があるのです。特別高圧のメガソーラー等での電気保安の専任は電気主任技術者の資格の中でも第二種電気主任技術者と第一種電気主任技術者のみとなっており、第三種電気主任技術者は選任されません。

しかし、近年の特別高圧のメガソーラー建設件数の増加等や再生可能エネルギー設備の普及により、第三種電気主任技術者の保安監督範囲を引き上げようという動きがあるようです。どのような動きかというと、主なメガソーラーの電圧は6.6V~7.7万ボルトで、第三種電気主任技術者の射程外ですが、これを一定の研修を修めることを条件として8万ボルトまで引き上げようという動きです。これにより、電気主任技術者の専任の範囲も変わってきそうです。

電圧17万V未満で連携等する再エネ設備での電気主任技術者の常駐:2時間以内の規定とは?

事業用電気工作物の例(電気事業の用に供する電気工作物)

事業用電気工作物の例(電気事業の用に供する電気工作物)

発電所や変電所、需要設備、送電線網、配電線路を管理する事業場を直接統括する事業場のことを「統括事業場」といいます。この統括事業場のうち、電圧17万V未満で連携するような太陽光発電所、風力発電所、水力発電所、これらと連系する設備では、「原則として統括事業場に電気主任技術者を常駐で選任しなければなりません」。

ここでの統括事業場の電気主任技術者の選任は第1種電気主任技術者、第2種電気主任技術者、第3種電気主任技術者の免状交付者であればいずれでも大丈夫なようです。この電気主任技術者のことを統括電気主任技術者と呼ぶそうです。統括電気主任技術者には、先ほどの常駐での選任に加えて、「被統括事業場は統括事業場から2時間以内に到達できるこ場所であること」、「統括電気主任技術者が病気などで勤務できないときは、事前に統括電気主任技術者と同等の知識と経験を有する代理人を確保すること」が求められています。 

統括電気主任技術者として指名された電気主任技術者は、被統括事業場に常駐して選任されるのではなく、それと2時間以内に到達できる距離にある統括事業場に常駐するのです。2時間以内の規定がどのように決定されたのかは定かではありませんが、2時間以内というのはおそらく、被統括事業場に異常が検知された際にすみやかにこれを解決することができる距離なのでしょう。

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電気主任技術者で常駐できる求人とは?

では、実際に電気主任技術者として常駐勤務を求めている求人情報がどのような職種で、どのような仕事内容なのかということを常駐で募集している電気主任技術者を対象とした求人情報から見てみます。

公共施設の設備管理における常駐の求人

社会のインフラとして公共施設はなくてはならない存在です。その公共施設にも当然電気設備が備えてあります。その公共施設の電気設備にも保守管理の必要はあり、電気主任技術者はそこでの勤務も可能です。公共施設の設備管理業務における電気主任技術者の役割は「所長」等マネジメント層での募集になっているようです。

実際の常駐を求める電気主任技術者の求人は以下のようなものがあります。

電気主任技術者の常駐求人

電気主任技術者の常駐求人

常駐の求人ではよくみられる傾向ですが、他の常駐社員の安全衛生管理業務や、マネジメントなどの幅広い仕事内容を任されることが多くあります。常駐だからこそなしえる仕事ですし、設備管理を効率的に行うためのチームマネジメントを行える場合もあります。

ビルメンテナンスにおける電気主任技術者の常駐求人

電気主任技術者はしばしばビルメンテナンスにおいても常駐を求められることがあります。例えば以下のような求人です。

電気主任技術者常駐求人その②

電気主任技術者常駐求人その②

常駐の電気主任技術者の求人での、電気主任技術者の仕事はトータルマネジメントと幅広い仕事内容になっています。電機に関する知識や経験のみならず、ビジネス的なスキルも身につきます。

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まとめ

以上のように、電気主任技術者の常駐に関する義務や定義、条件や求人などについてを紹介してきました。電気主任技術者の常駐は電気工作物の安全を確保するうえで大事なことですし、何か有事の際にはその力を発揮します。常駐だからこそできることです。また、近年推進が進んでいる太陽光発電や水力発電、風力発電での統括電気主任技術者として選任という道があります。常駐の電気主任技術者の道は広いといえます。