前回の記事では電験3種の難易度、合格率を紹介しました。
電験3種の合格率は平成30年度で9.1%という結果になりました。
他の電気系の資格、例えば電気工事士の合格率は60%、電気工事施工管理技士の合格率は約50%という中、電験の資格は非常に難易度が高い試験です。
この記事では、そんな電験資格の中でも中間地点にある「電験2種(電験二種)の合格率、難易度」についてを紹介していきます。
電験2種(電験二種)の一次試験合格者数、合格率の推移!
電験2種の試験は電験3種と違って、一次試験と二次試験が存在します。両方に合格して初めて電験2種の合格となるのです。
突破すべき壁が一つ多い、ただそれだけでも十分に電験2種の難易度の高さを感じざるをえません。
電験2種の合格者数の推移を一次試験、二次試験それぞれ見ていきましょう。
電験2種(電験二種)の一次試験の合格者数
電験2種一次試験科目合格者は毎年おおよそ3000~3500人程度で推移しています。一次試験を突破できるのは毎年おおよそ1500人程度となっており一次試験での難易度の高さをものがたっています。
電験2種(電験二種)の科目合格率の推移
過去9年分の試験での科目合格率の平均値は49%となりました。約半数の受験者が何かしらの科目を一つ、もしくは複数合格しているようです。科目合格を積み重ねることで将来的に一次試験を突破できる可能性が見えてきます。
電験2種(電験二種)の一次試験合格率
電験2種の過去9年分の一次試験合格率は平均して23.5%となりました。平成23年度試験では合格率が15%と著しく低い数値となっています。この年の試験では試験科目の「理論」がかなりの難易度で出題され、受験者を苦しめた年で、それゆえの合格率の低さとなっているようです。
このようなある年度の試験である科目の難易度が以上に高い年が何年かおきにあるのも電験2種の特徴でしょう。
次に電験2種の二次試験の合格者数、合格率についてを見ていきましょう。
電験2種(電験二種)の二次試験合格者数、合格率の推移!
この電験2種の二次試験の合格者数=電験2種の合格者数になります。毎年おおよそ400人程度しか試験に合格できない難関な資格試験になっているようです。
平成23年度は合格者数が著しく低くなっていますが、これはこの年の一次試験が難しすぎたためでしょう。
以上、電験2種の合格率を一次試験と二次試験とに分けてみてきましたが、これらは一次試験受験者の場合になります。
電験2種試験には一次試験免除制度があり、一次試験で出題される4科目を合格していれば二次試験から受けられるという制度になっています。次にこの一次試験免除者の場合の合格率を見ていきましょう。
電験2種(電験二種)の一発合格の場合の合格率
この場合の一発合格とは、一次試験、二次試験を科目合格なしで合格した場合のことを指しています。初回受験ではなく複数回受験も含むものとなっています。
電験2種の一発合格(一次試験、二次試験を科目合格なしで合格)した場合の平均合格率は約5.8%となっています。なんとも難しい試験なのでしょうか。とはいえ、毎年数百人程度の合格者数を出しているので、実力だけでなく「運」も味方につけたいと思うほどでしょう。
これまでの傾向からして、電験2種の平成30年度一発合格率はおおよそ5.6%程度でしょう。
電験2種(電験二種)の一次試験免除者の合格率
一次試験免除者の合格者数の推移
一次試験免除者の合格率の推移
筆記試験免除者の合格率は平均して29%となります。平成20年度だけやたらと合格率が高くなっているのは、この年の二次試験が易化していたことがあり得るでしょう。それ以降はおおよそ30%台で推移しています。
恐らく、平成30年度試験の一次試験免除者の合格率は前年の28.7%よりは高くなっているでしょう。
当然といえば当然ですが、電験2種の合格は一次試験、二次試験を通過した場合の一発合格よりかは一次試験免除受験のほうが、合格の可能性は高いようです。
平成30年度!電験2種(電験二種)の試験結果(一部)
平成30年度の電験2種の一次試験は9月1日(土曜)に実施され、つい先日10月19日に電験2種の一次試験合格発表が行われました。
その時の試験データは以下のようになりました。
一次試験 | |||
申込者 | 受験者 | 合格者 | 科目合格者 |
7,991 | 6,631 | 1,600 | 3,089 |
受験者率 | 科目合格率 | 合格率 |
83.0% | 46.6% | 24.1% |
電験2種の一次試験合格率は前年度より2.3%マイナスとなり、科目合格率に関しても前年度よりマイナス5.9%となり、科目に関しても難化しました。平成30年度の第二種電気主任技術者試験を含む電気主任技術者試験の総まとめはこちら「電気主任技術者の合格率・難易度、平成30年度の総まとめ」をご参考ください。
合格者数に関してもマイナスで、経済産業省が電気保安法人の中長期的目標の中で「第2種電気主任技術者」が不足していくとしながら、なぜ試験を難化させ合格者数を減らすのでしょうか。
電験2種(電験二種)の勉強方法、勉強時間
以上、電験2種の試験に関する合格率の低さの紹介となりましたが、電験2種の取得を目指して予備校などに通い資格取得する技術者の方は多くいらっしゃします。電験2種の試験対策、勉強方法は世の中に多くあります。もちろん電験3種ほどではありませんが。
電験2種の合格までにかける勉強時間はしばしば2000時間ともいわれます。電験3種のちょうど2倍の時間をかけることで合格を目指すということです。
電験2種の試験対策、特に二次でおすすめされている参考書として
電験二種完全攻略―二次試験対応・過去問から体系的に学ぶ―
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電験二種完全攻略シリーズは鉄板の参考書といえるでしょう。このような参考書の解説やより詳しい勉強方法に関しては他のサイトで紹介されているので割愛しますが、電験2種試験を勉強時間500時間で一発合格した56歳のEさんの勉強方法を以下に記します。
電験2種を勉強時間500時間で一発合格した話
このEさんは、あの難しい年、平成23年度電験2種試験で一発合格を果たした人物です。彼は高圧と特高太陽光発電の建設、設計に携わる仕事などを平成23年度までで6年間していたようです。それまでは、大学卒業から電力会社にての勤務をしていたようです。ちなみに大学では機械工学を学んでいたそうです。
彼は☝の参考書「電験二種完全攻略シリーズ」を何周もするということ以外にお金と時間を対策にかけていなかったようです。
彼が少ない勉強時間で電験2種の一次試験、二次試験を合格できたのは「とある習慣」があったからだそうです。
それは「日々の仕事の中でわからないことを聞き必ずメモにとり、ノートを作る」という非常にシンプルな内容だそうです。普段の業務内容が過去問を解いているときに通ずることがあると知り、わからないことノートを参照しながら経験ベースで問題を解いていたようです。
特に難しいことをするのではなく、日々の積み重ねが活きたことの事例といえるでしょう。恥ずかしいということでノートは公開できませんが、日々の心がけというのは非常に重要なことなのでしょう。
電験2種の合格率は低いですが、毎日の仕事を振り返って経験値をためていくことが合格につながったという事例でした。
もちろん、これはあくまでも一例で合格者それぞれに合格ストーリーがあります。こうすれば合格するということはありませんが、積み重ねが大事なのでしょう。
まとめ
以上、電験2種の合格率を様々なセクションで紹介してきましたが、やはり電験2種、相当難易度の高い資格試験になっています。合格者はやはりそれなりの努力の果てに「合格」を手にしているのでしょう。
そんな電験2種ですが、平成30年度11月18日(日)に二次試験が実施されます。一次試験通過者、一次試験免除者にとっては試練の山場でしょう。
緊張したときなどは、これまでの積み重ねを振り返ってみるのもいいかもしれません。