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建設業界で働く人ならば電験資格の存在を知っている方は多いでしょう。電験資格を取得することは電気関係の仕事についている人からすると羨ましいものです。電験には1~3種存在しています。電験3種ですら合格率が8%の難関資格です。電験2、1種の難易度はそれ以上です。

この記事では、そんな難関資格である電験の中でも1種の難易度について合格率などから調査した記事です。

電験1種とは?

電験1種とは何かを説明するうえで、欠かせないのは、ほかの2種、3種との違いです。それらをまとめた表が以下のようになります。

資格 対象設備 対応可能設備 配置業務規定 有資格者数
電験1種 事業用電気工作物 全て   約9,000人
電験2種 ・発電所
・受電設備
17万V未満5万V以上 電気事業法 約34,000人
電験3種 ・送配電線設備
5万V未満かつ5,000kW未満
  約230,000人

この表を見ればわかるように電験1種、つまり第1種電気主任技術者の対応可能設備は全てとなっています。また、全国に電験1種の有資格者は9,000人しか存在していないことが電験1種の難易度の高さを表しています。

全ての電気工作物が対応可能とはなっていますが、電験1種の求人では、原子力、プラント設備や大規模データセンターなどのような超高圧(275kV以上の送電電圧による送電方式)での募集があるようです。電験1種を取得すると、これらのような大規模な電気設備の保安官業務を行うのです。

電験1種の試験科目

電験1種の試験は1次試験と、2次試験に分かれておりそれぞれの試験を突破しなければなりません。

1次試験科目

1次試験は以下の4科目での実施になります。解答はマークシートに記入する方式になります。

(注)第一種電気主任技術者試験問題のB問題の解答方式は、マークシートによらない記述式でしたが、平成22年度よりマークシートに記入する多肢選択方式となります。なお、問題数に変更はありません。

科目名 科目の内容
理 論 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測
電 力 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料
機 械 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理
法 規 電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理

2次試験

2次試験の試験は1次試験を突破した後に実施されます。なお解答方式は記述方式になります。

次の2科目について科目別に試験を行います。各科目の解答方式は、記述方式です。

科目名 科目の内容
電力・管理 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気施設管理
機械・制御 電気機器、パワーエレクトロニクス、自動制御及びメカトロニクス

科目合格制度

電験1種の試験は他の電験2、3種と同様に科目合格制度を採用しています。科目合格制度とは、

このように、一部の科目に合格したら翌年度の試験ではその科目は免除対象になります。注意点として、3年間の効力を発揮するという点です。また、科目合格制度には、各科目に合格点と基準点があり、科目合格点に到達していなければ、合格とはなりません。

電験1種の鬼の難易度

電験1種の受験申込者数の推移

電験1種の一次試験受験申込者数と一次試験免除者数の推移

電験1種の一次試験受験申込者数と一次試験免除者数の推移

電験1種の1次試験申込者数はH9年から年々微増傾向にあり、近年では少し1次試験受験申込者数が目減りしていっているようです。前年度の平成29年度の実施結果では1次試験申込者数が1,821人、免除者数が272名となっていました。ほかの電験資格と比べて非常に申込者数が少ないようです。これまでの試験で1次試験免除者の割合は1年度あたりの試験で約14.07%います。かれらは合格へのアドバンテージをもっています。

電験1種~1次試験結果の推移~

電験1種1次試験結果

電験1種1次試験結果

前年度の1次試験申込者数は1,821人で実際に受験した人数は1,567人、1次試験合格者数は363人となっていました。これまでの試験での1次試験合格率は23.25%となっています。前年度試験では、23.17%の1次試験合格率となっていました。

科目合格者数、科目合格率

電験1種科目合格者数の推移

電験1種科目合格者数の推移

 

電験1種の科目合格者数は、隔年で数が減ったり増えたりしているようです。とはいえ、極端に試験問題が、難しい年は科目調整がありますので、科目合格者数が少ない年の試験科目が極端に難しいからすくないとは言えません。これまでの電験1種試験での科目合格率は約50.33%と比較的高い数値となっています。平成29年度試験では、科目合格率が53.86%となっていました。

電験1種~2次試験合格者数、合格率の推移~

電験1種~受験有資格者_2、受験者、合格者

電験1種~受験有資格者_2、受験者、合格者

電験1種の二次試験の受験者数に関しては平成18年度にがくっと落ち込むものの翌年以降は比較的安定的に推移しているように思えます。電験1種の合格者数は平成29年度で、86人となっていました。電験1種の二次試験合格率はこれまでの平均値で13.85%、平成29年度試験では15.11%となっていました。

電験1種の一次試験受験者の合格率

電験1種一次試験受験者の最終合格率推移

電験1種一次試験受験者の最終合格率推移

電験1種の1次試験を受験した人のうち何割が二次試験を合格し、電験1種を合格できるかを表した図です。これまでの電験1種試験では、約5.48%の人が一次試験を受験し、電験1種に合格しています。電験1種の難易度はこのように一次試験から受験すると、非常に難関な資格試験となっています。では、一次試験免除者の場合ですとどうなのでしょうか。

電験1種一次試験免除者の合格率

一次試験免除者の合格率

一次試験免除者の合格率

一次試験免除者の電験1種合格率は非免除者の合格率よりも高くなっています。これは過去三年以内に科目合格制度を利用し、一次試験を免除した受験者は合格する可能性がより高まるということを意味しています。このことから言えることとしては、電験1種は、一発合格を狙うのではなく、数年かけて合格を目指すことが正攻法であることを意味しています。

電験1種の難易度比較

若干不毛な比較であることは間違いないですが、電験1種の難易度がどれほど難しいのかを世間的に難関資格とされる公認会計士と司法書士と比較してみました。

VS公認会計士

公認会計士という資格は長年難関資格とされ、経済学部や商学部の大学生などを中心に受験者が多数存在する資格です。取得すると、職は安定するともいわれる(今はそうでもないかもしれませんが。。)人気の資格です。この公認会計士と電験1種では難易度はどちらがうえなのでしょうか?

受験工程をすべて受験した合格者数/受験者数での公認会計士の合格率は、

平成29年度で11.2%でした。それに対し、電験1種は5.48%ですから電験1種のほうが単純により難易度の高い資格であるといえます。

VS司法書士

こちらも同様に難関資格とされる資格になっています。弁護士に次ぐ難関資格といわれますが、毎年約2万人が挑戦する人気のある資格となっています。司法書士の平成29年度の合格率は3.9%となっています。電験1種の合格率よりも低いので、単純に比較すると、司法書士のほうが難しい資格となっているようです。法律系の資格はどれも難しく高度に専門的であり、司法書士は非常に厳格な資格試験であるがゆえにこのような難易度になっているのです。

まとめ

電気系の資格の王様とも呼ぶべき電験1種の難易度を合格率とともに見てきましたが、やはり毎年少数の合格者しか出さないこともあって難易度の極めて高い試験であるといえます。電験1種を取得することがどれほど難しいことかを思い知ります。ですが、そんな電験1種ですが、1次試験免除した場合の合格率は高いこともあり、電験1種に合格するための秘訣としてはやはり、何年かの計画を立てたうえで受験に挑むほうがいいということです。

難易度の非常に高い試験ですが、合格の先に待ち受けるのは好待遇と周りからの尊敬などがあります。受験者数の少ない試験ですが、チャレンジするだけの価値は十分にあるといえるでしょう。

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