近年、再生可能エネルギーに対する政府の推進は並々ならぬものがあります。2030年にはエネルギー基本計画の中で、再生可能エネルギーを主力電源とすることを目指すことを発表しています。再生可能エネルギーの中でもより注力しているのが太陽光発電です。

太陽光発電には出力50kw以上の設備で、保安管理・メンテナンスの義務等があります。この義務を担えるのが、電気主任技術者です。それゆえに太陽光発電に関する事業を展開する会社を中心に電気主任技術者を常駐で採用しようとする動きは各所に見られます。今回はそんな電気主任技術者の太陽光発電での就職、転職について具体的な電気主任技術者の太陽光発電への転職事例を織り交ぜつつ紹介していきます。

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なぜ太陽光発電での転職に電気主任技術者が強いのか?

出力50kw以上の太陽光発電であれば電気主任技術者は需要がある

先ほども触れましたが、出力50kw以上の太陽光発電設備は自家用電気工作物に当たり、電気事業法の規定では、その設置者は電気主任技術者の選任をしないといけません。もちろん自社で太陽光発電の保安を管理する電気主任技術者を常駐で雇わずに、電気保安法人や電気管理技術者に対してその保安業務を委託することもできますが、太陽光発電の交流部分のみの点検業務などが主流なようです。

そうした背景もあり、電気主任技術者は太陽光発電での転職や就職に強いとされています。また、電気主任技術者として選任されて仕事をするということ以外に、メガソーラーを建設しようとする際に、電気主任技術者の資格を保有している方というのはその知見を活かせるのでその需要が高いです。

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電気主任技術者の太陽光発電での仕事・業務はどんなもの?

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太陽光パネル

太陽光発電における電気主任技術者の仕事は主に太陽光パネルを含む電気工作物の保安管理業務です。

具体的な仕事としては、案件の契約によりますが点検に加えて点検結果をオーナーに報告することや、絶縁抵抗、テスターだけでなく、太陽光パネルの不具合・異常検知なども行うことがあります。また、IT技術を活用し、パワーコンディショナーの復帰を遠隔操作で行ったりすることもあるようです。他には現地巡回点検業務、トラブルシューティング、発電量測定データの分析、不具合発生時の緊急対応、修理依頼の発注、工事の立会い、雑草除去等の業務をこなしています。

電気主任技術者が働く太陽光発電の規模と必要な資格

電気主任技術者の採用ニーズが高いとされる特別高圧太陽光発電

近年、特に太陽光発電の中でも建設件数が増加してきているのは特高太陽光、メガソーラーです。低圧、高圧、特別高圧の違いは以下の表のようになっています。

低圧
高圧
特別高圧
10kW以上50kW未満の場合
50kW以上2,000kW未満の場合
2,000kW以上の場合

これを見ると、明らかに太陽光発電の中でも特別高圧は規模が大きい発電所ということがわかります。高圧で電気主任技術者の外部委託が可能なのですが、外部委託が特別高圧太陽光発電になると不可能になります。そうした事情もあり、特別高圧太陽光発電は電気主任技術者を採用等する必要があるのです。近年の電気主任技術者の転職先となる太陽光発電事業所は、特別高圧太陽光発電のものが増えてきています。とはいえ、メガソーラーの点検は通常では、常駐置かずに定期的に現場に訪れるのが通常です。

特別高圧太陽光発電の建設されている場所は、東京都や大阪などの都市部ではなく、必要な設置面積の関係上、茨城県などの地方部に位置することが多いです。

なお、メガソーラーという技術は古くからある発電ではなく比較的新しい技術です。それゆえに電気主任技術者の免状はもっていてもこれまで未経験で太陽光発電の転職ができるか不安な方にとっても技術をキャッチアップしていけば大丈夫です。

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特別高圧太陽光発電で働くのに必要な電気主任技術者の資格とは

特別高圧太陽光発電は非常に規模の大きい発電所であることがわかりましたが、この特高太陽光で電気主任技術者が働くには電気主任技術者の1種、2種、3種のうちどれが必要になるのでしょうか。以下の表は電気主任技術者の1種~3種の違いを表にしたものです。

区分内容
一種すべての電気工作物
二種電圧170,000V未満の電気工作物
三種電圧50,000V未満の電気工作物(出力5,000kW以上の発電所を除く)

電気主任技術者の中でも特別高圧太陽光発電で勤務するのに必要な資格は第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者です。第二種以上の資格を保有していることが特別高圧太陽光発電で勤務するための条件となっています。例えば、以下の求人情報のように特別高圧太陽光での保安業務を募集している求人では第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者のいづれかの資格を保有している人を対象にしています。

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太陽光発電で働く電気主任技術者

特別高圧太陽光の建設を統括する電気主任技術者

ここからは、実際に太陽光発電で働く電気主任技術者の例を合わせて紹介します。まず、現在、関東圏を中心に特別高圧太陽光の建設業務を工事・電力会社との協議・届け出等統合的な業務を行っている方がいらっしゃいます。その建設案件をこれまでのメーカーでの経験等に基づく知識を活かして仕事を進めているようです。

特別高圧太陽光の建設工事を技術的な観点などからアドバイスし、工期に間に合うようにマネジメントをする役割をもっているようです。その現場ではやはり、トラブルがよく発生し、トラブルシューティングをしていくことで会社の知見につながることにもなります。非常に重要なポジションでの仕事をしているようです。

この方のインタビュー記事はこちら☞「特高太陽光での転職事例

特別高圧太陽光の保安業務を行う電気主任技術者

現在、メガソーラーで保守点検業務を行う電気主任技術者もいらっしゃいます。この方は第二種電気主任技術者の資格は保有していたものの、未経験であり、前職では違う仕事をしていたようですが、第二種電気主任技術者の勉強で得ることができた知識、大学の授業で学んだ知識を評価され、メガソーラーでの保安業務を行うポジションでの採用に至ったのです。

メガソーラーの保守点検の実例はまだまだ少なく、トラブルが発生した際にどうしたいいのかよくわからないことが多くあるようです。そうした時に誰も解決の知見を持っていないときもあるようですが、議論を重ねてトラブルシューティングをすることが仕事のやりがいにつながっているようです。

この方のインタビュー記事はこちら☞「電気主任技術者として未経験からメガソーラーへ

まとめ

以上のように、なぜ太陽光発電での転職に電気主任技術者が強いのかということをその法律的側面や、特別高圧太陽光の登場、具体的な特別高圧太陽光で勤務する電気主任技術者の実例を交えて紹介してきました。電気主任技術者の資格は定年後も働くことが可能な資格で、特別高圧太陽光の電気主任技術者の経験は定年後に建設件数が増加していく時に、非常に強い存在となりえるでしょう。

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電気主任技術者の太陽光発電の仕事に関してよくある質問

Q:電気主任技術者の資格は太陽光発電に強いって本当?

A:本当です。出力50kw以上の太陽光発電設備は自家用電気工作物に当たり、電気事業法の規定では、その設置者は電気主任技術者の選任をしないといけません。特に特別高圧太陽光発電は(メガソーラー)の場合、電気保安法人への外部委託が不可能になるため、常駐する電気主任技術者の需要が出てくるのです。

Q:太陽光発電に携わる電気主任技術者の仕事はきついって本当?

A:太陽光発電が特別きついわけではありません。一方で、例えば担当先がメガソーラーの場合、保守点検の実例がまだまだ少ないことから、トラブルが発生した際にどうしたいいのかよくわからないことが多くあるようです。そうした時に誰も解決の知見を持っていないと、きついと感じることがあるかもしれません。とはいえ、その場で議論を重ねてトラブルシューティングをすることが仕事のやりがいにつながっているようです。

Q:第3種電気主任技術者の資格で、太陽光発電の保安業務を請け負うことは可能ですか?

A:第3種では請け負うことができません。第3種電気主任技術者の保安監督範囲は電圧5万V未満となっており、メガソーラー等の特別高圧設備での主な電圧は6.6~7.7万Vであるため、第2種電気主任技術者と第1種電気主任技術者のみとなっています。第3種電気主任技術者の場合は選任することができません。