難関資格:第三種電気主任技術者って職業的、年収的にどうなの?

~電気設備の保守管理者~

電気主任技術者を目指している人、どういう職業なのか興味ある人向けに、
第三種電気主任技術者とはどういう資格でどういう職業なのかを、数々の現職の電気主任技術者とお話してきた経験から、紹介したいと思います。資格の難易度から就職先、きになる年収や雇用環境についてをご紹介していきます。

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第三種電気主任技術者とは?

そもそも電気主任技術者って?

電気事業法43条1項において、「事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、経済産業省令で定めるところにより、『主任技術者免状の交付を受けている者』のうちから、『主任技術者』を選任しなければならない。」と定めています。

電気主任技術者の資格は一般的に「電験」と略され電験一種、二種、三種というよび方をします。電験の資格はいずれも難関資格であり業務独占的な資格であるため、社会的な地位は高いと思われます。

電験各種の違い(電気技術者資格試験センター参照)

(注) a~cの事業用電気工作物のうち、電気的設備以外の水力発電所、火力〈内燃力を除く。〉発電所及び原子力発電所〈例えば、ダム、ボイラ、タービン、原子炉等〉並びに燃料電池設備の改質器(最高使用圧力が98キロパスカル以上のもの)については、電気主任技術者の保安監督の対象外となります。

 

電気主任技術者は取得資格の種類によって扱える事業用電気工作物がボルト数により異なります。

電気主任技術者の資格「電験三種」の資格情報

受験資格

  • 試験による資格取得希望者
    • 科目合格者(前年度及び前前年度の試験で一部の科目に合格した人。*試験申し込み時にその旨を記載する)
    • 新規受験者(資格制限はなく、まっさらな気持ちで受験)
  • 学歴と実務経験による資格取得希望者
    • 認定校卒業者
      • 所定の単位取得者
      • 単位不足者(不足の単位の科目を受験)
        • ⇒実務経験履歴
          • 経産省の免状公布
  • 認定校の一覧
    • 認定校の一覧です。いづれ認定校に通う学生の生活についての記事を執筆したいと思っています。

電験三種の難易度過去五年の試験情報

 

受験申込者数

受験者

合格者

科目合格者数

合格率

科目合格率

H25

69,128

49,575

4,311

12,381

8.70%

24.97%

H26

68,756

48,681

4,102

14,625

8.43%

30.04%

H27

63,694

45,311

3,502

13,389

7.73%

29.55%

H28

66,896

46,552

3,980

13,457

8.55%

28.91%

H29

64,974

45,720

3,698

12,176

8.09%

26.63%

なんと電験三種の合格率は過去五年で8%しかありません!

難関資格と言われる公認会計士試験の合格率で10%ですので、電験三種の資格をとり、大三種電気主任技術者となることは非常に狭き門であると言えます。人手不足と言われる電気主任技術者ですが、この難易度の高さをみるともうすこし難易度を下げてもいいのではないかとも思います。

個人差はあるかと思いますが、第三種電気主任技術者試験の合格者の勉強時間は合格までにの勉強時間は
1000時間とも言われます。

今年度(平成30年度)の試験について
今年の試験日は9月2日、日曜日です!!

もう一度言います。試験日は9月2日、日曜日です!
試験日は9(く)月2(つ)日、(くつ)の日ですね。
*第三種電気主任技術者の試験の申込みは当記事執筆時点で締め切られています。

オススメ参考書

この難関資格を攻略する為にどんな参考書を使うと合格できるでしょうか
難易度順に、巷では
[完全マスター]>[徹底解説]>[これだけ]>[AtoZ]>優しく学ぶ=よくわかるシリーズ
の順番で学習する方がいい!とされているようです。
初学者なら[良く分かるシリーズ]から始めるのがいいかなと思います。
一番は過去問を解くことでしょう。

注意点として、最近の電験三種試験は「法規」が難化傾向にあり、法規は暗記科目と言われてきましたが、暗記範囲がかなり拡大してきたので、深みに嵌らずに計算問題や高得点が求められ、ほかの受験生と差がつく「機械」の対策をした方が良いのではと思います。

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合格者の特徴

難関資格といえる電験三種試験の合格者はどんな人たちなのでしょうか?

年齢別合格者割合

    • 全体合格者数15,993人(H19年)
    • 年齢的には20代、30代が多い。合格者平均年齢は約34歳。

このように合格率こそ低いものの、何歳でも合格できる可能性があり何歳でも活躍できる可能性がある資格職と言えますので、年齢に気にせずチャレンジしてみましょう。最近の会社では、電気主任技術者の人手不足からか、会社が奨励金を出すこともあるそうです。

最終学歴
全体合格者数15,993(H19年)
最終学歴は電気系を専門に学んできた人の合格者数が多いが電気系以外の専門でも合格は可能であると言えるでしょう。

第三種電気主任技術者の就職先
難関資格「電験三種」を合格し、資格だけあっても就職先が無ければあまり意味はないですよね。ここでは第三種電気主任技術者の就職先としてどのような職場があるかを紹介します。

    • 全体合格者数15,993人(H19年)
    • サービス業への就業が最も多いです。

ん?電気主任技術者なのにサービス業ってどういうことでしょうか

電気主任技術者のサービス業とは?

主にサービス業とは、ビルメンテナンスを指します。

では、そんな勉強時間1000時間ともいわれる電験3種の資格を取得することにどんな価値があるのでしょうか?

電験3種は意味ない?それとも価値が高い?

資格を取得すること、そのために勉強をすること、そのゴールの一つに「年収UP」があるのではないでしょうか?

少し汚い話かもしれませんが、スキルアップのために難しい試験を突破しより良い年収をゲットする。電験に限らずほとんどの資格取得のゴールはそこにあるでしょう。

ですので、電験3種を取得することの価値を「年収」と置き、いったいその年収はどれほどなのか?という観点から見ていきましょう。

電験3種の年収ってどんなもん?

年収を調査するにあたり、インターネット上に公開した電験3種を必須資格とした求人情報やヒアリングから調査しました。

電気主任技術者の年収_下限 と 年収_上限

電気主任技術者の年収_下限 と 年収_上限

電気主任技術者の年収_上限と年収_下限

電気主任技術者の年収_上限と年収_下限

これをみると、電験3種の求人情報のオファーからすると下限値と上限値の平均値をとって、362~542万円となりました。

この年収からすると、日本人の平均年収が420万円なのに対し、少し低めの年収になっています。とはいっても、どうしても若いうちは見習い期間のような形で年収が抑えめになることが多いです。ですので経験豊富な方や他にも資格をもっている方(エネルギー管理士やビル菅など)でしたら年収の下限値はもう少し底上げされるでしょう。

電験3種のキャリアの悩み

電験3種という難関資格を取得したあとは、職種を変える、転職を考えるなどがあるかもしれません。そうしたときに悩みになるのが「年収を上げるにはどうしたらよいのか」ということでしょう。

電験3種を取得した後の勤務先として最も多いのがサービス業「ビルメンテナンス」で設備管理業務をこなすようですが、中にはビルメンテナンス業から太陽光発電の建設業務に携わり年収を300万円あげ、332万円から650万円へと上げた事例もあります。

ビルメンテナンスが年収低いと一概には言えないところはありますが、業界の構造上人件費に金額を割けないという事情もありますし、大手のビルメンテナンス会社ですと年収800万円を出すような会社もあります。

ですので、現状の年収に不満を抱えることなどがあれば、キャリアを変えてみるのも年収を上げるという面ではありなのかもしれません。

まとめ

確かに電験3種の勉強時間と難易度、合格率を考えると年収は低くかんじるかもしれません。しかし、苦労した先にある果実を手にするためには資格の「活かし方」が非常に重要になるのです。資格を元にいかにしてキャリアを形成するか、より良い暮らしを送れるために年収を上げられるか?そうしたキャリアに関する悩みを解決するのが「建職バンク」の役目です。

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