ビルメンテナンス業界従事者ならば聞いたことがある、目指しているということがあるでしょう。「エネ管(エネルギー管理士)」という資格のことを。
エネルギー管理士の資格はいわゆる「ビルメン上位資格」と呼ばれる、取得すると年収アップや待遇向上につながることから資格手当ももらえる資格になっています。
今回の記事ではそんな「エネ管(エネルギー管理士)」の資格の取得難易度と試験対策を紹介した記事になります。これから受験を考えている方などは参考になるはずです。
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エネルギー管理士の難易度
ビルメンの上位資格と呼ばれる難関資格群の1角の試験と位置付けられる資格が「エネルギー管理士」の資格です。上位資格と呼ばれるだけあっていづれも国家試験で受験すると非常に狭き門を潜り抜けなければならないのです。
エネルギー管理士の資格はビルメンにおいて難易度の高い資格であると位置づけられています。
そんなエネルギー管理士試験は平成30年度(2013)から電気・熱科目が合体
難易度が高い資格であることはこの「上位資格」という位置づけから分かることですが、実際の試験での合格率が難易度の高さを物語ることがあります。ですので、次にエネルギー管理士の合格率の推移についてを見ていきましょう。
エネルギー管理士の合格率の推移
エネルギー管理士という資格は平成17年度にエネルギーの使用の合理化に関する法律(エネ管法)の改正により「熱管理士」、「電気管理士」の資格試験制度は「エネルギー管理士」という資格に統合されたのです。
それゆえ試験制度移行がある平成23年度以前の試験の合格率とそれ以降の現行制度での合格率の推移を紹介します。
旧試験でのエネルギー管理士の合格率
電気分野
旧試験制度でのエネルギー管理士の電気分野の合格率は平均して23.3%となっているようです。また、受験者数の推移をみていると平成9年度からの受験者数がかなり増えてきています。
熱分野
旧試験でのエネルギー管理士の合格率は平均して31%となっていました。熱分野の旧試験での合格率は平成23年度で18.2%となっておりこの年度だけやたらと難易度が高かったようです。とは言え比較的安定的に合格率は推移しているようです。
次にエネルギー管理士の現行制度での合格率を電気分野と熱分野でみていきましょう。
現行試験制度でのエネルギー管理士の合格率の推移
エネルギー管理士の過去5年の現行制度での合格率は平均して24.2%、合格者数の平均値は2587人となっています。合格率からして電験3種の難易度ほどではないですが、難易度的には普通~やや難しい程度の難易度といえるでしょう。
「熱」と「電気」どっちで受験しようかというのは悩みの一つかもしれません。そこでどっちがより難易度が高いのかを旧試験での合格率から見てみましょう。
これを見ると電気より熱のほうが合格率が高いので、電気より熱を選択するほうがいいように見えます。
ですが、エネルギー管理士の法律が改正になり電気と熱の区別がなくなり、どちらで受験し、合格しても資格としての効力は同一になりましたし、難易度の差異による理不尽さを解消するため選択科目調整を行っているはずです。。
なので、合格率から熱と電気のどちらが良いかを一概には言えない面があります。
次に平成30年度試験は8月5日に実施され9月中旬に合格発表がされました。平成30年度試験の結果は以下のようになります。
平成30年度のエネルギー管理士合格発表結果、難易度
申込者数 | 受験者数 | 合格者数 |
11,906 | 9,912 | 2,770 |
受験者率 | 合格率 |
83.2% | 24.2% |
まず、エネルギー管理士の受験者数は現行制度へ移行してからの最高の人数となりました。また、合格率に関しては前年度試験の28.4%からマイナス4.2%難化し、24.2%となりました。
隔年で難化するというエネルギー管理士の傾向がありますので、来年度試験は推測の域をでませんが、易化するのではないでしょうか。
エネルギー管理士の合格率についてを紹介してきました。エネルギー管理士の資格は超難関という資格試験というわけではありませんが、しっかりとした対策を練らないと合格はつかめないほどの難易度になっています。
実際に合格者の勉強方法を知ることで十分な対策を練るための示唆になるでしょう。
以下にエネルギー管理士の勉強方法を紹介します。
エネルギー管理士の勉強方法
ここでエネルギー管理士の試験を勉強時間100時間で合格したRさんの勉強方法を紹介します。このRさんは電気工事士の1種をもっていたので「電気」を選択したそうです。このRさんの例を紹介します。
-電気と熱で迷いはありましたか
まず、私は電気工事士の1種を新卒3年目で試験で取得していたので電気の知識を活かせるのではと思い「電気」で受験しました。もちろん将来的には「電験3種」を取得したいから電気の基礎力をつける意味合いでも「電気」を選択することに迷いはありませんでした。結果としては合格となりましたが、試験対策中に出てくる電気の問題は電気工事士試験で勉強していたことがためになり理解は速かったです。
-どのような対策をしていたのですか
基本的にはエネルギー管理士の参考書を三冊かいました。その参考書たちは用語集と対策テキスト、過去問解説本でした。おそらくエネルギー管理士の受験者の多くが使用する組み合わせの参考書で、雑誌やオーム社の雑誌を読んだということは試験対策においてしませんでした。
少し変わった対策をしたのですが、それは「いずれ受験するんだし、電験3種、電験2種の参考書を買って対策してみよう」と思い電験3種、2種の参考書で電気の対策をしていました。もちろんエネルギー管理士の試験よりは難しい試験でしたので、最初のほうは歯が立ちませんでした。ですが、それらの対策を2か月くらい続けていると、電験3種の問題は解けるようになりました。電験2種は当時の私にとって、難しすぎましたが。。
このおかげでエネルギー管理士の電気の勉強は1段階グレードが低くかんじました。合格の秘訣は電気工事士の資格を持っていたので、最低限の電気の知識はあったこと、普通のエネルギー管理士の対策本だけでなく電験3種の対策にも力をいれたことがカギだと思います。
-実際に使用した参考書はどのような本なのですか?
私がエネルギー管理士の試験対策用で購入したのは以下の三点セットです。
エネルギー管理士試験(電気分野)徹底研究(改訂2版)
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エネルギー管理士試験(熱・電気)デルデル用語早わかり
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2018年版 エネルギー管理士(電気分野)過去問題集
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この三点セットでエネルギー管理士試験の対策は済ませました。この参考書での対策はおおよそ50時間で、合格にかけた時間の半分くらいをこの勉強にあてました。
また、電験3種の対策のために使用していた参考書は以下のような本です。
完全マスター電験三種受験テキスト 電力(改訂2版) (LICENCE BOOKS)
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この本+電験3種の数学勉強用として電気数学の問題集をしようしました。このおかげで合格できたと思います。
私の場合の合格は電験3種も恐れずに勉強できたことが大きいです。
まとめ
エネルギー管理士の資格は難易度がまあまあ高い資格試験であることがわかりました。エネルギー管理士の試験を突破する勉強方法についても紹介しました。
エネルギー管理士は非常に企業側からの需要が高い資格です。ビルメンテナンス業界で必要とされる人材になりたいということであれば、「エネルギー管理士」の資格種億はありでしょう。