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この記事は2020年10月23日に更新されました。

電気通信設備に関わる技術者ならば知っている人も多いかもしれません。しかし、いまいちどんな資格なのか名前からは想像しにくい資格です。いわゆる工事担任者という資格は一体どんな資格なのかについてを紹介します。

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工事担任者とは?

工事担任者とは通称で、正式には「電気通信設備工事担任者」という資格です。この資格を保有している人は、公衆回線やCATV(ケーブルテレビ)等の通信回線に接続する端末等の配線工事・または監督を行うための資格になっています。また、工事担任者の資格は電気通信事業法の制定(1985年)と同時に制定された国家資格となっています。

工事担任者資格の違いと需要

デジタル化が進んだ現代においてネットワーク工事は欠かすことのできない工事となり、工事担任者も時代の流れとともに資格の区分も以下のように変化しましたし、資格保持者に対する市場の需要も拡大してきました。さらに工事範囲も資格の区分によって以下のような違いがあります。

旧資格名新資格名工事範囲
アナログ第一種AI第一種アナログ伝送路設備(アナログ信号を入出力とする電気通信回線設備をいう。以下同じ。)に端末設備又は自営電気通信設備(以下「端末設備等」という。)を接続するための工事及び総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事
アナログ第二種AI第二種アナログ伝送路設備に端末設備等を接続するための工事(端末設備等に収容される電気通信回線の数が50以下であって内線の数が200以下のものに限る。)及び総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事(総合デジタル通信回線の数が64kbps換算で50以下のものに限る。)
アナログ第三種AI第三種アナログ伝送路設備に端末設備を接続するための工事(端末設備に収容される電気通信回線の数が1のものに限る。)及び総合デジタル通信用設備に端末設備を接続するための工事(総合デジタル通信回線の数が基本インタフェースで1のものに限る。)
デジタル第二種DD第二種デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事(接続点におけるデジタル信号の入出力速度が100Mbps(主としてインターネットに接続するための回線にあっては1Gbps)以下のものに限る。)。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く。
デジタル第三種DD第三種デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事(接続点におけるデジタル信号の入出力速度が1Gbps以下のものであって、主としてインターネットに接続するための回線に係るものに限る。)。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く。
アナログ・デジタル総合種AI・DD総合種アナログ伝送路設備又はデジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事

*wikiより作成
この資格の区分や、試験制度は情報ネットワークの変化とともに変化しますので、また変更があるかもしれませんが、ネットワーク社会のインフラを支える国家資格であるということができます。そんな工事担任者の資格の受験資格に制限はないようで、工事担任者の試験は年に2回実施されます。

工事担任者の試験科目と合格率

工事担任者の試験科目

資格の区分試験科目、項目
AI第一種電気通信技術の基礎
(1)電気工学(電気回路、電子回路、論理回路)の基礎
(2)電気通信(伝送理論、伝送技術)の基礎
端末設備の接続のための技術及び理論
(1)端末設備の技術
(2)総合デジタル通信の技術
(3)トラヒック理論
(4)情報セキュリティの技術
(5)接続工事の技術
端末設備の接続に関する法規
(1)電気通信事業法及びこれに基づく命令
(2)有線電気通信法及びこれに基づく命令
(3)不正アクセス行為の禁止等に関する法律
(4)電子署名及び認証業務に関する法律及びこれに基づく命令
AI第二種電気通信技術の基礎
(1)電気工学(電気回路、電子回路、論理回路)の基礎
(2)電気通信(伝送理論、伝送技術)の基礎
端末設備の接続のための技術及び理論
(1)端末設備の技術
(2)総合デジタル通信の技術
(3)トラヒック理論
(4)情報セキュリティの技術
(5)接続工事の技術
端末設備の接続に関する法規
(1)電気通信事業法及びこれに基づく命令
(2)有線電気通信法及びこれに基づく命令
(3)不正アクセス行為の禁止等に関する法律
(4)電子署名及び認証業務に関する法律及びこれに基づく命令
AI第三種電気通信技術の基礎
(1)電気工学(電気回路、電子回路、論理回路)の初歩
(2)電気通信(伝送理論、伝送技術)の初歩
端末設備の接続のための技術及び理論
(1)端末設備の技術
(2)総合デジタル通信の技術
(3)情報セキュリティの技術
(4)接続工事の技術
端末設備の接続に関する法規
(1)電気通信事業法及びこれに基づく命令の大要
(2)有線電気通信法及びこれに基づく命令の大要
(3)不正アクセス行為の禁止等に関する法律の大要
DD第一種端末設備の接続のための技術及び理論
(1)端末設備の技術
(2)ネットワークの技術
(3)情報セキュリティの技術
(4)接続工事の技術
端末設備の接続のための技術及び理論
(1)端末設備の技術
(2)ネットワークの技術
(3)情報セキュリティの技術
(4)接続工事の技術
端末設備の接続に関する法規
(1)電気通信事業法及びこれに基づく命令
(2)有線電気通信法及びこれに基づく命令
(3)不正アクセス行為の禁止等に関する法律
(4)電子署名及び認証業務に関する法律及びこれに基づく命令
DD第二種電気通信技術の基礎
(1)電気工学(電気回路、電子回路、論理回路)の基礎
(2)電気通信(伝送理論、伝送技術)の基礎
端末設備の接続のための技術及び理論
(1)端末設備の技術
(2)ネットワークの技術
(3)情報セキュリティの技術
(4)接続工事の技術
端末設備の接続に関する法規
(1)電気通信事業法及びこれに基づく命令
(2)有線電気通信法及びこれに基づく命令
(3)不正アクセス行為の禁止等に関する法律
(4)電子署名及び認証業務に関する法律及びこれに基づく命令
DD第三種電気通信技術の基礎
(1)電気工学(電気回路、電子回路、論理回路)の初歩
(2)電気通信(伝送理論、伝送技術)の初歩
端末設備の接続のための技術及び理論
(1)端末設備の技術
(2)ネットワークの技術
(3)情報セキュリティの技術
(4)接続工事の技術
端末設備の接続に関する法規
(1)電気通信事業法及びこれに基づく命令
(2)有線電気通信法及びこれに基づく命令
(3)不正アクセス行為の禁止等に関する法律の大要
AI-DD総合種電気通信技術の基礎
(1)電気工学(電気回路、電子回路、論理回路)の基礎
(2)電気通信(伝送理論、伝送技術)の基礎
端末設備の接続のための技術及び理論
(1)端末設備の技術
(2)総合デジタル通信の技術
(3)トラヒック理論
(4)ネットワークの技術
(5)情報セキュリティの技術
(6)接続工事の技術
端末設備の接続に関する法規
(1)電気通信事業法及びこれに基づく命令
(2)有線電気通信法及びこれに基づく命令
(3)不正アクセス行為の禁止等に関する法律
(4)電子署名及び認証業務に関する法律及びこれに基づく命令

工事担任者の試験課目はこのように区分によって分かれていますが、試験科目は「電気通信技術の基礎」、「端末設備の接続のための技術及び理論」、「端末設備の接続に関する法規」の3科目構成になっています。それぞれの工事担任者の試験科目の違いは、その試験内容の難易度になっています。もちろん1種に近づくほど試験内容の難易度はあがってきます。

工事担任者の合格率

ここでは、AI、DD、AI-DD総合の合格率の推移についてをグラフで紹介します。全資格区分の工事担任者の合格率は☞「試験実施結果

AIの合格率の推移(過去6回分)

AIの合格率の推移

AI第一種工事担任者の合格率の平均は29.6%となりました。それに対し、AI第二種工事担任者の合格率の平均は24.37%、AI第三種工事担任者の合格率の平均は46.52%となっています。第三種が最も合格率が高くなっていますが、第二種から合格率が低くなり、難易度が高くなっていることがわかります。

DDの合格率の推移

DDの合格率の推移

DD第一種工事担任者の合格率の平均は27.48%となっていました。それに対し、DD第二種工事担任者の合格率は平均して17.65%、DD第三種工事担任者の合格率は平均して45.90%となっていました。こちらもAI同様一種になるにつれて合格率が低くなっていますが、二種の合格率が20%を切るほどになっており、二種の難易度の高さと試験内容の難しさを感じさせます。

AI-DD総合の合格率の推移

AI-DD総合の受験者数、合格者数、合格率の推移

受験者数を見るとわかるのですが、AI、DD、AI-DD総合の中でも最も受験者数が多いのがAI-DD総合試験です。AI-DD総合工事担任者の合格率の平均は22.80%となっています。AI-DD総合工事担任者の試験は20%台の試験で、100人に20人が合格する難関といえるような資格になっているようです。

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工事担任者の難易度

資格試験の難易度は受験者の感じ方にもよりますので、一概に合格率から難易度を求めることはできませんが、工事担任者の資格試験というものは出題内容の7~8割程度が過去問から出題されるような試験になっています。ですので、しっかりと過去問対策を施すことができれば合格の可能性は高いといえるでしょう。そうした意味では変化球的な問題が多く出るような試験とは違い難易度は低いといえます。裏を返せば過去問演習をこなさなければ難易度は高く感じるでしょう。

AI-DD総合工事担任者合格までにかかる推定勉強時間

もちろん、工事担任者の試験科目はdb計算のような計算問題や端末設備に関する知識が求められ、それらの知識を大学や実務で修めている場合は相当に勉強時間をカットすることができます。しかし、文系出身の方や数学など理系科目から遠ざかっている方にとってはハードルが高く感じられるでしょう。

工事担任者の試験科目に関するバックグラウンドを持っている場合、試験合格までに30時間程度かけたという合格者がいます。この方はほとんどの方と同じように働きながらの勉強でしたが、電気工事士の資格を保有し、電気通信設備に係る仕事をしていたこともあり、知識は豊富にありました。それゆえに過去問演習のみで勉強時間を20時間と置き、合格することができたようです。*免除あり

次に現在ビルメンテナンス業にて勤務している文系出身の方の場合、電気通信業に係ることを目指し、試験合格までにかけた時間は70時間だったようです。夜勤のビルメンテナンスだったために仕事の合間などの隙間時間などを使用し3カ月間みっちり工事担任者の試験の勉強をしていたようです。一か月目に離れていた数学や電気の基礎理論を修め、技術科目を勉強し、二カ月目に技術科目を同様に続け、三カ月目で法規科目の勉強を始めたようです。先に勉強量がかかりそうな技術科目に手をつけ、比較的暗記で対処できる法規科目を最後にもってきたことが勉強時間の効率的な配分であったようです。*免除なし

完全初学者であればそれ相応に勉強時間を確保しなければ合格が難しいという点で難易度は高いといえるのではないでしょうか。

工事担任者のおすすめ参考書

工事担任者試験の参考書は書籍だけでなく、WEBサイトなどで解説してある場合もあります。参考書を手に入れる利点は工事担任者試験の出題内容を把握し、ポイントを抑えることができる点にありますが、やはり技術の進歩は速く、参考書の情報が古くなることが往々にしてあります。そうした際にWEBサイトで情報を補いつつ勉強を進めることが重要でしょう。

書籍名特徴
工事担当者の登竜門とも呼べる書籍。
多くの人が苦手とするdb計算をわかり安く丁寧に解説してくれる書籍
工事担当者のテキスト。
情報がやや古いものの、過去問でわからなかった点を理解するにはもってこいな書籍。
過去問のとなりの辞書的な使い方をする人が多い
工事担当者書籍で有名なリックテレコムの書籍。
なんといっても解説が子細に乗っており、さくさくと問題を解いていくことができる演習用としては有用な書籍。

この中でも特にdb計算の問題に特化した書籍はdb計算のエッセンスを肌で感じることができる良書です。もちろん工事担任者試験にも役立つ情報が掲載されていますし、のちの実務にも役立つであろう知識が満載です。db計算が苦手な方にはうってつけの書籍といえるでしょう。

工事担任者の求人の例

では工事担任者の資格を取得することで、具体的にどのような仕事に応募することが可能なのでしょうか。

求人を1つピックアップしましたので、ご覧ください。

株式会社ライフスクエア

会社名 株式会社ライフスクエア
年収

400〜500万円
仕事内容

電気通信設備の取り付け工事
就業時間 8:00~18:00
残業 目安20時間/月
休日 年間112日、完全週休二日制
賞与 年2回、計3か月分
社会保険 完備
諸手当 残業手当、休日出勤手当、家族手当、住宅手当、資格手当 、通勤手当
福利厚生 多数実績あり

1つ目は、愛知県のシーキューブ株式会社の求人情報です。

休日は、112日あり福利厚生も充実しています。

また、手当や福利厚生が非常にしっかりしており、働く上では申し分ない環境が揃っています。

在宅手当や家族手当が出ることは、非常にありがたいですよね。

安定経営で、通信インフラを支える仕事のため、不況にとても強いです。

また成長産業のため、将来性も抜群です。

株式会社ライフスクエアの求人情報はこちら

まとめ

以上、工事担任者という国家資格がどういった資格なのか?どんな試験課目なのか?試験の難易度はどのくらいで、合格率はどのくらいか?おすすめの参考書はなにか?など工事担任者試験に関する様々な情報を紹介してきました。工事担任者の資格は様々な区分があり、ややこしくなっていますが、人気が高いのはAI-DD総合工事担任者です。今後、試験制度が変更し、いくばくか区分が凝縮される可能性もありますが、いづれにせよ社会の重要なインフラを支える資格です。需要は高いといえるでしょう。

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