ビルメンテナンス業界の人ならご存知の方もいらっしゃるでしょう。「ボイラー技士」という資格のことを。
この記事では、ボイラー技士という資格がどれほどに難しい試験なのか?ほかの資格と比べて難易度は高いのか?ということを合格率などを紹介します。
ボイラー技士とは?どんな資格なのか
まずは簡単にボイラー技士という資格がどういった資格で何のためにあるのかということを押さえておきましょう。
ボイラー技士とは?
ボイラー技士とは国家資格の一つで2級、1級、特級という区分があります。国家資格ですので根拠法令があるのですが、ボイラー技士は労働安全衛生法に基づいています。ボイラー技士試験に合格し免状を交付された者のことを「ボイラー技士」と呼びます。
どんな仕事をするのかということに関しては、空調・温水ボイラーの操作・点検を主な業務としています。似たような資格としてボイラー整備士とボイラー溶接士があります。
ボイラー技士の資格の区分の違いはどうなっているのかというと、伝熱面積(熱交換装置の伝熱に寄与している表面の面積)によって分かれています。詳しくは以下のような違いがあります。*作業主任者として取扱ができるもの
資格 | 伝熱面積500m²以上 | 伝熱面積25m²以上 | 伝熱面積25m²未満 | 小規模ボイラー |
特級 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
1級 | ✖ | 〇 | 〇 | 〇 |
2級 | ✖ | ✖ | 〇 | 〇 |
特級はすべてのボイラーを扱るという資格になっています。もちろん、特級に上がるにつれて難易度が上がっていきます。
ボイラー技士はビルメン4点セットの1つ!
この資格はビルメン四点セットとも呼ばれる、、取得すると年収アップにつながったりといろいろとメリットのある資格たちの中の一つです。
ボイラー技士の資格自体は、近年ボイラーの資格を必要としない熱源設備が増えてきたことから資格を持たないとできないということは少なくなってきました。しかし、未だにボイラーの仕事をする際や転職する際には必要資格として求人情報を出していたりと資格に対しての信頼性があります。
そんなボイラー技士の資格ですが、試験合格の難易度はどのくらいなのでしょうか。
ボイラー技士の難易度
ボイラー技士の国家試験は特級、1級、2級とそれぞれ実施されていますが、それぞれの試験の難易度を見ていきましょう。
特級ボイラー技士の難易度
ボイラー技士試験でも最難関に位置しているのが特級ボイラー技士試験ですが、この試験の難易度はどうなのでしょうか。
平成21年度試験から前年度試験である令和元年度までの試験の合格率の平均値は26.3%となっています。受験者の少ない試験で、合格者も少ない試験です。特級ボイラー技士試験は合格率からして試験の難易度は「難関資格」といえるのではないでしょうか。
難易度の高い特級ボイラー技士という、ある種最強のボイラー資格を取得する人はどのような人か気になりませんか?特級ボイラー技士取得者で、現在地域熱供給(地域冷暖房)システムの設備管理業務を行っているかたがいらっしゃいます。
その人曰く、「ボイラー特級をとってよかったということはないですが、学んだことが実務で為になることがあります。純粋にボイラー技術力を極めたい人にはうってつけの資格です。」とのことです。
特級ボイラー技士は少しオーバースペックとされることもありますが、ボイラーの技術力をより向上させたい方などにとっては挑む価値のある資格でしょう。
次に1級ボイラーの資格試験の難易度についてを見ていきましょう。
1級ボイラーの難易度
特級ボイラーの次に難しい試験1級ボイラー試験の難易度についてを見ていきましょう。
1級ボイラー技士の合格率は平成21年度試験を境に50%台で推移しています。令和元年度試験では合格率50.8%となるなど全体を通してやや難化している傾向にあります。とはいっても年々受験者数が減少傾向にあるようです。
1級ボイラー技士の平均合格率は56%となっています。資格取得難易度的には「普通~難しい」といったとこでしょうか。
1級ボイラー技士の資格としての需要が年々下がっているからなのか、2級ボイラーで十分ボイラーは間に合うのか?ということなのでしょうか?
次に2級ボイラー技士試験の難易度についてを見ていきましょう。
2級ボイラー技士の難易度
ビルメン4点セットにも含まれる2級ボイラー技士の試験難易度についてを見ていきましょう。
2級ボイラー技士の合格率は平成24年度以降上がってきており、2級ボイラー試験の難易度は下降傾向にあるようです。2級ボイラー試験の平均合格率は55%となっています。これをみると、1級との合格率は変わりがないようです。
また、受験者数に関しても1級とは大きく数が異なっています。平成29年度試験の受験者数までは減少傾向にあります。令和元年度試験では、過去最低の受験者数を記録しています。
以上、ボイラー技士試験の難易度の違いについてみてきましたが、各区分ごとの難易度は特級は別格で難しいですが、1級と2級では合格率という面でみた難易度はあまり変化がありません。
ボイラー技士の難易度と他の資格との比較
資格名 (難しさ★) |
合格率 (%) |
第二種電気工事士 ★★☆☆☆ |
65.3% |
危険物取扱責任者乙種4類 ★★★☆☆☆ |
41.7% |
二級ボイラー技士技士 ★★☆☆☆ |
50.3% |
第三種冷凍機械責任者 ★★★★☆ |
32.4% |
特級ボイラー技士 ★★★★★ |
30.3% |
一級ボイラー技士 ★★★☆☆ |
52.5% |
これは2019年度の筆記試験合格率です。
ビルメン4点セットとされる資格群の中での2級ボイラー技士の取得難易度が低く、ビルメン4点セットの中でも電気工事士の次に取得を目指すことがあるようです。
ボイラー技士の資格を取得して、年収が上がったり、資格手当をもらえたりといろいろとメリットがあるのですが、やはり合格をしなければいけません。当然といえば当然ですが、2級ボイラー技士は難易度がそこまで高くないとは言え、毎年不合格になってしまう方はいます。
資格を取得するためには何をするべきかということは明白なのですが、やはり試験対策です。では一体どのような対策を練ればボイラー技士に合格できるのか?実際に独学で2級ボイラー技士に合格した人の話を聞いてみました。
ボイラー技士試験の勉強方法
2級ボイラー技士試験を勉強時間3週間で合格した話
-2級ボイラー試験合格のコツとは
2級ボイラー試験を3週間程度で合格できた理由は、参考書を章ごとに読んで、その章の該当過去問の箇所の問題を解く、やったことはこれだけの対策しかなかったです。普段はビルメンテナンスで設備管理業務をしているのですが、スキルアップと年収アップ、資格手当をモチベーションにしていました。
先輩から2級ボイラー試験対策としては過去問と参考書を1っ冊づつ呼んでおけばなんとかなると聞いたので、その通りにやったら案外試験は大丈夫でした。過去問でやっていた問題が7割くらい出題されていたのでしっかりと過去問を解いていればなんとか合格できるでしょう。
-おススメの参考書について
おススメの参考書は多分2級ボイラー試験受験者ならば知っている参考書かもしれませんが、テキストと演習問題がセットになった以下の参考書がおススメです。初学者でも優しく理解できて問題の解説もしっかりしているので、すらすらと読み進めることができます。
一発合格! これならわかる2級ボイラー技士試験 テキスト&問題集
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過去問対策については以下の参考書に助けられました。
詳解 2級ボイラー技士過去6回問題集〈’20年版〉
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この参考書の解説が易しくこちらもすらすらと読み進められました。この過去問集を読んで試験に挑むと「あ、やったところだ」という問題が問題を見て0.5秒くらいで条件反射できるようになりました。
2級ボイラー試験の合格のコツは本当に「基礎的な問題を絶対に落とさないこと、基礎力をつけること」このことさえできていれば合格できる可能性がぐっと高まります。
ボイラー技士の資格取得者向けの求人情報をまとめてみた!
では、ボイラー技士の資格を取得することでどのような求人に申し込むことができるのでしょうか。
1 日鉄エネルギーサービス株式会社
会社名 | 日鉄エネルギーサービス株式会社 |
年収 | 400〜900万円 |
仕事内容 | 発電設備や蒸気供給設備の運転管理・保守メンテナンス業務 |
就業時間 | 9:00~17:30 |
残業 | 有(目安20時間) |
資格 |
2級ボイラー技士 |
休日 | 年間123日、完全週休二日制 |
手当 | 通勤手当、残業手当 |
社会保険 | 完備 |
福利厚生 | カフェテリアプラン、育児休暇制度、介護休暇制度等の多数の福利厚生あり |
1つ目は、日鉄エネルギーサービス株式会社の求人情報です。
休日は、123日あり福利厚生も充実しています。
大手メーカーであるため、非常に安定しており、安心して働くことができます。
2 日本乳化剤株式会社
会社名 | 日本乳化剤株式会社 |
年収 | 400〜650万円 |
仕事内容 | 自社プラントの機械設備担当 |
就業時間 | 8:00〜16:30 |
残業 | 有 |
休日 | 年間約124日、週休⼆⽇(⼟⽇) |
賞与 | 年2回 計5ヵ月分 |
資格(任意) | 二級ボイラー技士 |
社会保険 | 完備 |
その他 | 通勤⼿当, 住宅⼿当、扶養⼿当、独身寮、財形貯蓄等有り |
2つ目は、日本乳化剤株式会社です。
年収が高く休日日数も124日あり、非常に魅力的な求人です。
また福利厚生がしっかりしており、ワークライフバランスがしっかりしています。
まとめ
以上2級ボイラー試験の難易度と勉強方法についてを紹介してきましたが、ボイラー試験、特に2級の試験は毎年2~3万程度の受験者がいる人気の資格です。
2級ボイラー試験は、ビルメンテナンスにおいても昇級などの待遇アップにつながる資格ですので、取得を目指すのはありでしょう。
2級ボイラー試験はそれほど難易度が高くない資格ですし、勉強時間も何年もかけて取得する「電験」資格とは異なりハードルが低い資格です。しっりと過去問を解き倒すことで合格は近づくでしょう。
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