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電気主任技術者が順守しなければならない規定のうちの一つに「保安規定」という定めがあります。保安規定は設備毎に定められていますが、この保安規定の第三章に「保安教育」という章が存在します。保安規定は都道府県自治体、大学などによって定められており、公表されているのですが、必ず保安教育についての項が存在します。この記事では電気主任技術者の保安教育とはどういった内容なのかについてを紹介します。

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電気主任技術者の保安教育とは?保安教育の規定例

電気主任技術者の保安教育とは保安規定に定められた重要な要素

まず、電気主任技術者の保安教育に関係する「自家用電気工作物保安規定」第3章13条、14条を引用すると、保安教育は以下のように定められています。

第11条:主任技術者は保安に係る従事者に対し施設の態に即した必要な知識及び技能の教育を行なわなければならない。(保安に関する訓練)
第12条:電気工作物の保安に係る従事者に対し災害その他電気事故が発生したときの措置について必要に応じ実施指導訓練を行うものとする。

保安規定の中にある電気主任技術者の保安教育は電気主任技術者としての務めであり、電気工作物の保安に関わる従事者の安全に資する重要な性質を持っています。電気主任技術者の保安教育がないと、電気工作物の保安に就く従事者、その他関係者に感電や漏電による被害、火災などの二次被害が生じてしまう恐れがあるのです。電気の安全に関する重要な要素を持つのが保安教育なのです。小学校や中学校時代、火災を想定した避難訓練がありますが、あれは教師がその安全を確保するための指導を行いますが、電気工作物に置き換えると、指導者は電気主任技術者になるのです。

そしてこの保安規定にある電気主任技術者の保安教育を自家用電気工作物を設置する設置者はそれを順守することを定めないといけないのです。そしてこの遵守義務は「自家用電気工作物保安規定」の第6章に定められています。それを引用すると、以下のようになります。

?保安規定第1章 総則
第6条 電気主任技術者の保安監督の職務は次の事項において行うものとする。
(1) 電気工作物にかかる保安教育に関すること。
(2) 電気工作物の工事に関すること。
(3) 電気工作物の保守に関すること。
(4) 電気工作物の運転操作に関すること。
(5) 災害対策に関すること。
(6) 保安業務の記録に関すること。
(7) 保安用器材及び書類の整備に関すること。

自家用電気工作物の設置者は保安規定を電気事業法42条第1項の規定で、自家用電気工作物使用の開始の前に、保安規定を作成し、届け出をしないといけないのです。電気主任技術者を中心として保安体制を確立し、保安教育によって有事の際の対応を完備する。まさに電気主任技術者の保安教育は保安体制の確立に欠かせないものになっています。

電気主任技術者の保安教育の具体例(規定)

電気主任技術者の保安教育は自家用電気工作物の保安規定により定められたものでしたが、この保安教育が実際にどのような保安教育でもってして行われているのでしょうか。電気主任技術者の保安教育に関しては、自家用電気工作物を設置する設置者が公表しているのでその一つを、政府の電子窓口にある例から参照します。参考元:電子政府のe-gov

【保安教育】
第12条:電気主任技術者は電気工作物の工事、維持又は運用に従事するものに対し、電気工作物の保安に関し必要な知識及び技能の教育を計画的に行わなければならない。
【保安に関する訓練】
第13条 電気工作物の工事、維持及び運用に従事する者に対し、事故その他非常災害が発生したときの措置について少なくとも年1回以上実地指導訓練を行うものとする

保安教育は、①保安に係る従事者に対し、実態に即した必要な知識及び技能の教育であること、②必要に応じ実地指導訓練をおこなうことが求められています。具体的にこの例では、①教育を計画的に行うこと、②少なくとも年に1回以上実地指導訓練を行う旨の記載がなされています。

次に九州大学病院の保安規定を引用します。

(保安教育及び保安訓練)
第11条:主任技術者は、補助者に対し、保安業務を行うために必要な知識及び技能の教育を計画的に行うとともに、災害その他電気事故が発生したときの措置について、適宜実地指導訓練を行うものとする。

つまり、電気主任技術者の保安教育は、①保安教育を計画的に行うこと、②期間を定め実地指導訓練を行うことが盛り込まれることが多くあるようです。

電気主任技術者の保安教育に求められる教育内容とは

電気主任技術者の保安教育を保安規定と保安教育の具体的記載についてを見てきましたが、実際に電気主任技術者の保安教育において求められる電気主任技術者とはどのような像なのでしょうか。

幅広い電気の専門的な知識とわかり安く伝える力が必要

電気主任技術者には保安教育を電気工作物の保安に係る従事者に対して実態に即した知識を教育する必要があります。電気主任技術者は資格の区分に関係なく、電気保安管理のプロフェッショナルです。電気主任技術者の免状はその証です。それゆえに保安教育において求められる知識は理論的知識は当然、保安管理対象となる各機器の知識、シーケンス図などの知識を持っており、それを伝える力が必要です。電気主任技術者の保安教育の実際では、例えば以下のようなものが電気主任技術者の保安教育の項目となっています。(参考:東京電気管理技術者協会)

  • 漏電、感電、火災、波及
  • マグネット式電気コードによる火災、コードから火災、トラッキングに注意
  • キュービクルの経年劣化、変圧器絶縁油の経年劣化
  • 停電時対応、節電対策

このような項目をなぜ発生するのかという理論的知識と対策方法を教授していくのです。形式としては、電気主任技術者が電気保安の従事者に対して、スタンプラリーで行ったり、講義形式で行ったりします。

電気主任技術者の保安教育の訓練は保安レベルの向上に必要

そして計画的になされた電気主任技術者による保安教育を施し、訓練をします。訓練の一例を上げると、以下のようになります。

  • 緊急通報・受信・対応訓練
  • 現場における応急措置要領・訓練
  • 漏洩箇所の確認方法・訓練
  • 漏洩箇所確認後の措置・訓練
  • 通報の処理及び受信後の措置・訓練
  • 事故例研究
  • 体験談発表やレポート、反省会
  • 保安業務用機器の取扱及び操作方法

基本的には電気主任技術者の保安教育訓練の内容は設置者によって異なりますが、定期的に保安管理のインプットとアウトレットを通して保安教育が行われます。職場内訓練としてのOJTや、職場外研修としてのOFFJT(集合形式)で保安教育を行うこともありますし、階層別研修の形をとる保安教育もあるようです。

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電気主任技術者の保安教育は電気保安管理でとても大切なこと

これまで、電気主任技術者の保安教育についてを具体例を通して紹介してきましたが、電気主任技術者の保安教育は電気を前提とした現代社会では欠かすことのできない重要な教育です。電気は目に見えない存在ですし、正しい知識でもって接しないと感電や漏電火災の危険性が出てきます。そうした事態を防ぐためにも電気のプロである電気主任技術者による保安教育は必要不可欠です。

とかく、近年の技術革新はすさまじく、電気設備にもその潮流は存在します。受電設備に付帯する保護継電器は、マルチ機能を搭載しているものです。保護継電器のような電子技術は電力技術に大きな影響を与えつつあるのですが、こうした応用的な技術に関してもキャッチアップする必要があるのです。応用技術を理解し、教育するにはやはり土台となる基礎知識が必要です。

まとめ

以上、電気主任技術者の保安教育についてを保安規定の保安教育規定、実際に規定されている保安教育の規定、保安教育の内容などについてを紹介してきました。やはり電気主任技術者の保安教育はなくてはならない存在です。電気保安の従事者に対して適切な知識を教授していくことができる電気主任技術者であるために、過去の事故例集と対策集、および最新技術動向を知っておく必要があるでしょう。そしてそのような知識を正しくわかり安く伝える力と、実施する計画力が必要になる誉の高い仕事であると思われます。

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