国家資格として人気の高い電気主任技術者の試験とエネルギー管理士の試験の難易度はどっちが高いのでしょうか?しばしば、エネルギー管理士の電気は「電験2.5種」と呼ばれるように第2種電気主任技術者と第3種電気主任技術者の中間にあるような難易度とされています。エネルギー管理士の電気は電験3種を前提に試験問題等が設計されているようです。

ですので、この記事では電気主任技術者の中でも第2種電気主任技術者とエネルギー管理士の難易度を比較し、両方の資格を保有している場合のメリットについてを紹介します。そして第3種電気主任技術者を合格した後に「第2種電気主任技術者」と「エネルギー管理士」、どっちを勉強した方がいいかについても紹介します。

▼転職をお考えの方はこちらもどうぞ
資格を活かせる高年収求人情報を検索
電気業界最大級の転職・求人情報サイトで、ピッタリの求人を見つけましょう。

建職バンクのバナー

第2種電気主任技術者はどのくらい難しい?難易度考察

第2種電気主任技術者の一発合格率から見る難易度

電験2種一発合格者数、合格率

電験2種一発合格者数、合格率(過去9年分)

第2種電気主任技術者試験には一次試験と二次試験がありますが、一次試験と二次試験を合格した場合、かつ科目合格を含む合格率は、過去10年の推移で10.1%が最大で、3.3%が最小となっています。過去10年分の合格率の平均合格率は5.8%となっています。やはり第2種電気主任技術者試験は難関資格ですので、合格率も相当に低くなっているようです。

第2種電気主任技術者の勉強時間・試験内容からみる難易度

第2種電気主任技術者試験はその名の通りに第3種電気主任技術者の上位資格であります。第3種電気主任技術者の理論・電力・機械・法規のそれぞれの課目をより一層難しくしたような試験で、第3種電気主任技術者試験は試験は一つで合否が決まりますが、第2種電気主任技術者の試験は一次試験と二次試験があるので余計に難易度が高くなっています。

難易度という指標は相当に個人によって難易度の高低の感じ方が変わってくるものです。ですので難易度の目安として合格率が持ち出されることがありますが、合格率も人によっては気にならないことがあります。ここでの第2種電気主任技術者の難易度は勉強時間と試験内容の難易度から考察します。

第2種電気主任技術者の難易度は一次試験と二次試験含めてしばしば2000時間(一日3時間勉強すると仮定して、約670日間、約2年間程度)必要とされることがあります。もちろん目安の勉強時間が2000時間となっていますので、それより少ない場合もあれば多い場合もありますが、少なくとも膨大な時間がかかることは確かです。

第2種電気主任技術者の試験では電気に関する知識が第3種より一層難しくなるのに加えて、必要な数学レベルも相当に上がってきます。特に微積分、ラプラス変換は必須となります。ですので数学知識のレベルと問題を素早く解答する実力がないと問題を解くのに時間が足りないなどといったことが発生してしまいます。そうした要素を踏まえて第2種電気主任技術者の試験内容を★5段階で合格率を含めて評価すると、「★★★★☆」ほどの難易度でしょう。

エネルギー管理士・電気はどのくらい難しい?難易度考察

エネルギー管理士・電気の合格率から見る難易度

エネルギー管理士電気分野合格率推移(過去15年分)

エネルギー管理士電気分野合格率推移(過去15年分)

エネルギー管理士は熱と電気分野に分かれていますが、電気分野は第3種電気主任技術者を前提にしたような試験内容となっています。それゆえにしばしば電験2.5種といわれていますが、このエネルギー管理士の電気分野の合格率は過去15年で最大32%で、最小で15%となっています。エネルギー管理士の合格率を平均すると、23.3%となっています。エネルギー管理士と第2種電気主任技術者の受験者数はほとんど変わりませんが、やはり、第2種電気主任技術者試験の方がエネルギー管理士の合格率より低く、難しい試験であることがわかります。

エネルギー管理士の勉強時間・試験内容からみる難易度

エネルギー管理士・電気分野の勉強時間も第2種電気主任技術者同様に個人差があります。ですので一概には言えないのですが、目安として約1500時間(一日3時間勉強すると仮定して、500日間、約1年と半年)かけて合格を手にした方がいらっしゃいます。朝昼晩、平日、休日問わず出勤前と休憩と退勤後に勉強を続けていたようです。

その方はすでに電験3種を保有していたので、いくばくかのアドバンテージがあったようです。やはりエネルギー管理士の電気分野は幅広い試験範囲と深い電気の知識が試される試験ですので、勉強時間はかかるものの、既存の知識を活かした勉強ができるので、エネルギー管理士の電気分野は勉強が始めやすいそうです。

エネルギー管理士の電気分野の試験内容を考えると、電気に関するオームの法則やキルヒホッフの法則などの基礎知識があると相当に理解が速くなります。エネルギー管理士の試験内容で難しいのは電力応用の課目、電気設備及びその管理とされているようです。もちろん個人差はあるでしょう。個人によって試験内容の難易度の感じ方は異なるものの、やはり、電験2.5種とされるように電験3種以上、電験2種以下の難易度です。

以上、合格率、勉強時間、試験内容を考慮すると、エネルギー管理士の難易度は同様に「★★★☆☆」程度でしょう。あくまで難易度考察としての指標ですので、絶対的に第2種電気主任技術者よりエネルギー管理士の方が難易度が低いとは言い切れませんが。

▼転職をお考えの方はこちらもどうぞ
資格を活かせる高年収求人情報を検索
電気業界最大級の転職・求人情報サイトで、ピッタリの求人を見つけましょう。

第2種電気主任技術者とエネルギー管理士はどっちから勉強を始める?

エネルギー管理士の方が勉強はしやすい

第3種電気主任技術者の資格を取得した後にエネルギー管理士か第2種電気主任技術者の資格を目指す場合、両者であればエネルギー管理士の方が勉強がしやすいでしょう。理由は上記の難易度比較の通りです。電気の道に進む人は電気に関する資格をいくつか保有している場合があり、電気保安に関しては第3種電気主任技術者から取得のための勉強を始め、合格後にエネルギー管理士の資格を保有し、第2種電気主任技術者の資格を目指すことが多くあるように思えます。

一歩ずつ電気に関する知識を蓄えていくことができるでしょう。もちろん第3種電気主任技術者を取得している人が全員エネルギー管理士を目指すわけではありませんが、転職に有利になる場合や昇級につながる場合はエネルギー管理士を目指すこともあります。

第2種電気主任技術者とエネルギー管理士を両方取得するメリットとは?

省エネに関する知識と電気保安に関する知識を兼ね備えた人材になれる

省エネに関する施策は世界的な潮流ですし、日本政府も同様に省エネを積極的に進めています。省エネに関する知識と電気保安に関する高度な知識を兼ね備えた人材はなかなかいません。

第2種電気主任技術者とエネルギー管理士を両方免状取得している30代の男性で、地域冷暖房の設備管理を行う方がいらっしゃいます。その方は地域冷暖房システムを安定的に稼働させるための電気保安に関する知識と経験、省エネを意識したもろもろの設備の導入ができるという点でアサインされたようです。やはりそうした人材は稀有ですし、転職市場においても高年収でのオファーが出されることがあります。

第2種電気主任技術者とエネルギー管理士を両方保有し、かつ経験がある場合、年収面ややりがいの面でメリットを感じることができるでしょう。

まとめ

以上のように、電気主任技術者、中でも第2種電気主任技術者の難易度をエネルギー管理士の電気分野と比較してきました。やはり第2種電気主任技術者の難易度方がエネルギー管理士より高いです。ですが、両者の資格を保有していることで得られるメリットは大きいといえるでしょう。