電験2種一次試験の合格点(合格基準)
電験2種の合格率は非常に低く、難関試験の部類に入る国家資格であることは有名です。この電験2種取得の方法には国家試験と実務経験による認定取得の2つの方法があります。電験2種の合格率については☞「電験2種の合格率が低すぎる件について」を参照。
電験2種には受験資格はありません。電験2種試験には「一次試験」と「二次試験」があり、この二つの試験を突破しないと合格とはなりません。
電験2種:一次試験の科目合格率の推移と2018年の合格点
一次試験には「理論」「電力」「機械」「法規」の4科目がありそれぞれに「合格点=合格基準」が定められており、合格点以上の点数をたたき出さないと一次試験突破とはなりません。まずは電験2種の一次試験の合格点がどのくらいなのかを過去の推移とともに紹介します。平成30年度(2018年)一次試験の合格点もあります。
年度 | 理論(%) | 電力(%) | 機械(%) | 法規(%) |
---|---|---|---|---|
2018 | 18.8 | 38 | 23 | 30.5 |
2017 | 19.6 | 54.3 | 38.3 | 27.1 |
2016 | 20.5 | 43.3 | 23 | 29.4 |
2015 | 13.8 | 51.9 | 23.3 | 38.9 |
2014 | 18.6 | 31.5 | 25.9 | 47.3 |
2013 | 38.6 | 63.6 | 41.1 | 60.5 |
2012 | 32 | 72.3 | 51.6 | 62.8 |
2011 | 28.4 | 69.1 | 36.1 | 37 |
2010 | 33.4 | 51.1 | 55.7 | 61.2 |
2009 | 36.5 | 54.4 | 52.9 | 58.1 |
2008 | 34.3 | 75 | 41.1 | 44.6 |
2007 | 31.6 | 37.5 | 38 | 61.4 |
平均値 | 27.17 | 53.5 | 37.5 | 46.5 |
青線は各科目の最低合格率を表しています。これをグラフに表すと以下のようになります。このグラフを見ると明らかですが、過去11年分の推移全体を見ると、平成30年度一次試験は難化した年度であったようです。また、「理論」科目の合格率は一番低いようです。最も合格率の高い科目は「電力」でした。これに応じて勉強時間の配分を決定するることは勉強方法の効率化につながるのではないでしょうか。
それぞれの科目の合格率についてを過去の推移と平成30年度(2018)試験から紹介しましたが、次に過去11年分の電験2種一次試験の合格点(合格基準)を見ていきましょう。
電験2種:一次試験の合格点の推移、2018年試験の合格点
電験2種の合格点は、毎年期間限定で試験実施母体である電気技術者センターにより公開されています。おおよその電験2種各科目の合格点は6割程度ですので、自己採点などで6割程度を各科目で取得できていると一次試験は合格できると期待できます。電験2種の一次試験の過去の推移と2018年度の合格点は以下のようになります。
年度 | 理論(点) | 電力(点) | 機械(点) | 法規(点) |
---|---|---|---|---|
2018 | 49 | 52 | 52 | 52 |
2017 | 54 | 54 | 54 | 54 |
2016 | 50 | 50 | 50 | 47 |
2015 | 42 | 51 | 50 | 51 |
2014 | 55.25 | 55.76 | 56.3 | 58 |
2013 | 53.3 | 55 | 50.77 | 55 |
2012 | 46.5 | 58 | 58 | 58 |
2011 | 54.73 | 55 | 54.26 | 45.65 |
2010 | 55.32 | 60 | 60 | 60 |
2009 | 54.86 | 60 | 60 | 60 |
平均 | 51.50 | 55.08 | 54.53 | 54.07 |
この過去の推移をグラフにしたものが以下になります。
電験2種一次試験の各科目合格率もそうでしたが、「理論」の合格点は一番低く過去分を平均しても51点程度と最も低くなっています。また、「電力」の合格点も最も高いようです。ですので、電験2種一次試験では「電力」が得点源となり、「理論」で差がつきやすいようです。電験2種は自分との闘いですので理論攻略が試験合格のカギかもしれません。
電験2種:一次試験合格点、2019年試験予想
来年度試験である2019年度電験2種一次試験の合格点を過去の推移から回帰分析(y=a+bx)、重回帰分析(y=a+bx₁+cx₂+….)による合格点予想をしてみたものが以下になります。
年度 | 理論 | 電力 | 機械 | 法規 |
---|---|---|---|---|
前年対比 | -0.74 | +1.77 | +1.17 | +0.71 |
2019 | 48.26 | 53.77 | 53.17 | 52.71 |
これを見ると「理論」のみの科目の合格点が下がり、難易度は下がる可能性があります。「電力」「機械」「法規」の三科目は合格点は上がり難易度は上がる可能性があります。
2019年度の予想とはいえ、あくまで予想の域をでないものですので、過去データをもとにした予測ですし、参考程度という認識でよろしいでしょう。
次に二次試験の合格点についてを見ていきましょう。
電験2種二次試験の合格(合格基準)
電験2種の二次試験合格率の過去の推移
電験2種の二次試験の合格率についてをみてみましょう。なお、このデータは一次試験免除者、免除なし受験者の合算になっております。
年度 | 合格率(%) |
---|---|
2017 | 13.5 |
2016 | 19.4 |
2015 | 12.3 |
2014 | 14.3 |
2013 | 11.3 |
2012 | 13.5 |
2011 | 11.3 |
2010 | 15.6 |
2009 | 10.2 |
2008 | 30 |
電験2種の二次試験の合格率の平均値は14.8%となっており、毎年二次試験の合格率は10%を切ることがないようになっています。おそらく合格者数は調整されているのでしょう。
電験2種の二次試験は2018年11月18日に行われました。2018年度の電験2種合格率を重回帰分析で予想すると、13.01%となりました。過去の二次試験合格率と比較してそれほど違和感のない数値となっております。前年度試験と比較してやや合格率が低くなっています。
電験2種二次試験の合格点(合格基準)
電験2種の二次試験は2科目出題されます。一つの科目は「電力・管理」、もう一つの科目は「機械・制御」が出題されます。それぞれの配点は90点、90点の180点満点の点数になっています。
電験2種の二次試験の合格点は108/180となっており、6割が合格基準となります。ただし電験2種の二次試験には足切り制度があります。例えば「電力・管理」で90点、「機械・制御」で20点で合格点には達していますが「機械・制御」が合格基準平均を下回っていると二次試験は不合格となるのです。
この合格基準の平均値は公表されていませんが、難易度が高い二次試験科目ですと調整が行われ平均値を下げることが公表されています。
二次試験の合格点の推移については以下のようになります。
年度 | 合格基準 | 合格点(100点満点換算) |
---|---|---|
平均 | 53.3 | |
2017 | 100 点満点換算で55.0 点以上 (実得点180 点満点で99点以上) かつ、各科目ともに平均点- 5 点以上 | 55 |
2016 | 100 点満点換算で55.0 点以上 (実得点180 点満点で99点以上) かつ、各科目ともに平均点- 5 点以上 | 55 |
2015 | 100 点満点換算で50.0 点以上 (実得点180 点満点で90点以上) かつ、各科目ともに平均点- 5 点以上 | 50 |
2014 | 100 点満点換算で56.7 点以上 (実得点180 点満点で102点以上) かつ、各科目ともに平均点- 5 点以上 | 56.7 |
2013 | 100 点満点換算で50.0 点以上 (実得点180 点満点で90点以上) かつ、各科目ともに平均点- 5 点以上 | 50 |
2012 | 100 点満点換算で55.0 点以上 (実得点180 点満点で99点以上) かつ、各科目ともに平均点- 5 点以上 | 55 |
2011 | 100 点満点換算で51.6 点以上 (実得点180 点満点で93点以上) かつ、各科目ともに平均点- 5 点以上 | 51.6 |
2010 | 100 点満点換算で55.0 点以上 (実得点180 点満点で99点以上) かつ、各科目ともに平均点- 5 点以上 | 55 |
2009 | 100 点満点換算で51.6 点以上 (実得点180 点満点で93点以上) かつ、各科目ともに平均点-5 点以上 | 51.6 |
100点満点換算でおおよそ50~56.7点の間で合格点は調整されているようです。二次試験の試験内容は隔年で難易度の高い問題が出題されることがあります。そうしたときに不平等性が生じないような試験設計をしているようです。
まとめ
以上のように電験2種の合格点を一次試験、二次試験それぞれについて実際に電験2種合格者のデータや電気技術者センターの公表データをもとに紹介してきました。合格点で一次試験で各科目6割を取れていれば合格の可能性は高く、二次試験も同様に6割を取れていれば合格の可能性は高まります。
6割を目指すために難しい試験の勉強をすることが求められるわけですが、合格の先にはさまざまなメリットが待っています。