電気主任技術者という仕事について「しんどい」「大変」といったイメージを持っている方は少なくないかもしれません。

そういった言葉を耳にしたこともありますが、実際はどうなのでしょうか?

今回は電気主任技術者に関するネガティブな点に加え、逆に魅力的なポイント、向いている人の特徴などをまとめてみました。

この記事を読んで、少しでも電気主任技術者に関する理解を深めていただけたら嬉しいです。

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そもそも電気主任技術者とは?

電気主任技術者とは、「受変電設備などの電気設備を保守・管理」する仕事を行うための、電気事業法に基づく国家資格です。

ビルや病院、工場などにおいて電気設備に関する点検を行うだけでなく、電気工事の現場における監督なども仕事内容として挙げられます。工事そのものを担当するのではなく、監督業務という点が電気工事士との違いです。
電気主任技術者は、原則として、一定規模以上の自家用電気工作物を設置する事業所に常駐で設置することが求められています。

電気主任技術者の資格には、第一種電気主任技術者(電験1種)、第二種電気主任技術者(電験2種)、第三種電気主任技術者(電験3種)といったように区分があります。それぞれ取り扱うことのできる電気工作物が異なります。
電験1種はすべての電気工作物を、2種は電圧170,000V未満の電気工作物を、3種は電圧50,000V未満(ただし出力5,000kW以上の発電所を除く)の電圧工作物を取り扱うことができると決められています。

電気主任技術者のつらい点(デメリット)

電気主任技術者の業務は、その資格を持っていないと携わることができない独占業務であり、非常に重要な役割を果たしています。
しかし、電気主任技術者を検索してみると「電気主任技術者 やめとけ」「電気主任技術者 大変」などといったネガティブな意見もみられます。

そこで、具体的にどのような理由から大変だとされているのかを以下にまとめましたので、ぜひご覧いただければと思います。

資格取得がかなり難しい

電気主任技術者の資格取得はかなり難しいと言えます。
以下は、2023年度の電気主任技術者の合格率を示した表です。

表1 電気主任技術者の合格率(第一種および第二種)
  受験受付 一次試験 ニ次試験
申込者 受験者*1 合格者 受験有資格者*2 受験者 合格者
第一種 2,012 1,469 485 812 719 129
第二種 8,976 6,318 1,545 3,089 2,682 474

*1:一次試験免除者を除く
*2:一次試験免除者+一次試験合格者

表2 電気主任技術者の合格率(第三種)
  申込者 受験者 合格者
第三種 36,978 28,168 4,683

※電気技術者試験センター「試験実施状況の推移」より引用

この表から合格率はそれぞれ、第一種は一次が約33%でニ次が約18%、第二種は一次が約24%でニ次が約18%、第三種は17%であることがわかりました。電験の中で最も難易度が低い第三種ですら2割を切っており、非常に難しいことがうかがえます。

このような資格取得の難しさが、「電気主任技術者は大変である」というイメージに繋がっているといえます。

責任が重い

電気主任技術者が従事する工事は電気を扱う仕事ですので、漏電や感電などの重大な事故が起こってしまった場合に怪我人や、最悪の場合には死者を出してしまう可能性も否定できません。
またこのような人的被害だけでなく、点検の不備による停電などの場合には、補償問題に発展することも考えられます。

電気主任技術者は現場の監督、つまり責任者ですので、そのようなことが起こらないように常に細心の注意を払う必要があり、万が一事故が起こってしまった際にはその責任を問われることになります。
従って常に重い責任を抱えながら仕事をするため、電気主任技術者はプレッシャーのある役割でしょう。

人手不足でブラックな働き方になる

電気業界では人材不足が進んでいます。
以下は、10~20年前と現在の「電気主任技術者免状取得者数の変化」を示した図です。特に第三種は、1割ほど取得者が減少していることがわかります。

図1 電気主任技術者免状取得者数の変化

※経済産業省「電気主任技術者制度について」より引用

また以下の図は「電気主任技術者の需給見通し」を表したものです。やはり減少傾向であることが予想され、電気主任技術者はどんどん足りなくなっていく可能性が高いといえるでしょう。

図2 電気主任技術者の需給見通し

※経済産業省「電気主任技術者制度について」より引用

人手不足が進むと、既存の従業員に皺寄せが来てしまい、一人当たりの仕事の負担が大きくなることが懸念されます。
従ってこのように長時間労働になりやすいことも、電気主任技術者が大変といわれる理由の一つだと考えられます。

労働時間が不規則

電気主任技術者の作業は夜間に行われることがあります。
あらゆる電気設備は昼夜・平日休日を問わず稼働し続けているため、夜間にトラブルが発生することもあり得るためです。電気設備に何らかの異常が発生した場合、すぐに駆けつけなくてはいけないため、勤務時間が不規則になってしまうことがあります。

また商業施設などでは、営業時間外に点検を行うこともあります。商業施設には定休日が設けられていない場合が多いので、必然的に夜間の作業になってしまいます。
このような理由から、電気主任技術者は労働時間が不規則であるといわれています。

転勤がある可能性が高い

電気主任技術者は全国への転勤の可能性があります。
地方への転勤は必ずしもネガティブなことではありませんが、生活エリアを変えたくない人にとっては不向きです。転勤がない会社もある一方で多くの場合に転勤の可能性が伴うため、そういった理由で電気主任技術者にマイナスなイメージを持つ人もいるようです。

電気主任技術者の魅力(メリット)

ここまで、電気主任技術者のしんどい・大変と思われる理由について紹介しましたが、逆にメリットもたくさんあります。
電気主任技術者の魅力について、以下にまとめました。

需要が高い資格である

電気主任技術者は国家資格であり、資格を有していなければその仕事には従事することができません。このように独占業務であるため、非常に安定している仕事であるといえます。

現代社会において電気は様々な場所で使用されており、必要不可欠な存在です。そしてこれから先も電気の需要がなくなるとは考えにくいでしょう。一方で人口減少や高齢化といった理由で、先ほど述べたように電気主任技術者の供給は減っていくとされています。
従って電気主任技術者の社会的ニーズは高まる一方であるため、継続して安定的に働くことができるのではないでしょうか。

就職・転職がしやすい

電気主任技術者は高齢化が進み、将来的に不足すると懸念されています。そのため、20代〜30代などの若手であれば特に、電気主任技術者の資格を持っていなくても就職・転職がしやすいとされています。

また働きながら勉強して資格を取得できれば、転職市場での価値はさらに上がり有利になります。資格手当をもらうこともできるので、年収アップも期待できます。

独立することで高年収が期待できる

電気主任技術者の資格を取得し実務経験を積んだ後に独立できれば、さらなる年収アップを期待することもできるでしょう。 またそれだけではなく、自由な働き方ができるのでストレスなく仕事に集中できます。

電気主任技術者として独立した場合の年収は、1000万円を超える場合も少なくないといいます。日本人の平均年収が約460万円ですので、高年収です。

電気主任技術者に向いてる人の特徴

今までご紹介してきたメリット・デメリットを踏まえて、電気主任技術者に向いている人の特徴をまとめてみました。

ご紹介するのは一部であるため、参考程度に読んでいただけたらと思います。

責任感がある人

先ほども述べたように、電気関連の工事には常に危険が伴います。「何か異変は起こっていないか」「正常に機能しているか」など、常に現場を注意深くみれる人は、電気主任技術者に向いています。

コミュニケーション能力がある人

作業員である電気工事士とは違い、電気主任技術者は監督の役割を担います。そのため、あらゆる関係者と円滑なコミュニケーションを取れる人が向いています。

継続して努力できる人

先述の通り、電気主任技術者の資格取得は非常に難しいです。第三種を保有していても、さらに第一種・第二種の資格取得に向けてかなりの勉強量が必要になります。そのためコツコツ努力できる人が向いています。

電気主任技術者のおすすめ求人

最後に電気主任技術者の求人をご紹介します。
実際に「建職バンク」に掲載されているものの中から、求人を3つ厳選しました。

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会社名 非公開
年収 488〜750万円
仕事内容

高圧受変電設備の保安管理業務

就業時間 8時30分~17時30分
休憩時間:60分
資格
※以下いずれかの資格必須
  • 第三種電気主任技術者
  • 第一種電気工事士
  • 第二種電気工事士
経験

保有資格によって異なります。
・第三種電気主任技術者(実務経験不問)
・第一種/第二種電気工事士 または認定電気工事従事者(実務経験あり)

休日 年間休日:126日
完全週休2日制(土日祝)
賞与 年2回

社会保険 完備

テレワーク、時差出勤、直行直帰の実施(出勤率約50%)を継続しており、働きやすい環境です。
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とても従業員の方に手厚い魅力的な求人となっております。

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ビューローベリタスジャパン株式会社

会社名 ビューローベリタスジャパン株式会社
年収 350〜600万円
仕事内容
電気工作物の保安業務
  • 月次点検
  • 年次点検
  • 臨時点検
  • 報告書作成
  • その関連業務全般
就業時間 9時00分~17時30分
休憩:60分
残業 月平均残業時間20~30時間程度
※残業代全額支給!
資格 第三種電気主任技術者
経験

下記のいずれか。

  • 電気保安業務の経験者 (第三種電気主任術者資格取得後。2年以上の実務経験をお持ちの方。)
  • 化学、石油、鉄鋼等の工場で保全の実務経験をお持ちの方
休日
  • 年間休日125日
  • 完全週休2日制:土日、祝日
  • 年末年始休暇
社会保険 完備

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株式会社マイスターエンジニアリング

会社名 株式会社マイスターエンジニアリング
年収 500〜700万円
仕事内容 大手食品スーパーの生産加工工場全体の設備管理及び生産ライン機器保守業務
就業時間 シフト勤務が適用されます。
・7:00~16:00
・9:00~18:00
・11:00~20:00
(実働8時間、休憩1時間)
資格

第三種電気主任技術者

経験 設備管理経験者
休日
年間121日
  • 完全週休二日制(シフト制)
賞与 実績あり
社会保険 完備

こちらは関西圏、大阪の求人となっております。
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若手からベテランまで人材を大切にする企業様になっています。

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最後に

今回は電気主任技術者に関して、メリット・デメリット・向いている人の特徴・おすすめの求人をご紹介をしました。

電気主任技術者には、責任感や継続して努力する力など求められる能力がたくさんあります。大変なことばかりに見えるかもしれませんが、社会的な存在価値が高く、やりがいや達成感も大きい仕事です。

また将来的にも電気主任技術者の需要は高まる一方で、独立すれば年収1000万円も可能です。
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