電気工事施工管理技士という資格職は施工管理の資格ということもあり、建設業界内で人気のある資格職です。電気工事施工管理技士の資格を取得すると個人のキャリアアップにもつながります。
資格を取得したのちは就職や転職活動でそれをアピールし、職を得るかと思いますが、職を決める際に気になるのは「年収」なのではないでしょうか?
電気工事施工管理技士には1級と2級が存在しますが、それぞれ役割がことなりますしその分年収も変わってきます。この記事では1級と2級それぞれの電気工事施工管理の年収について求人情報などを元に調査します。
電気工事施工管理技士の年収を求人から調査!
電気工事施工管理技士の年収は400~800万円の求人が多い!
転職求人サイト「建職バンク」の電気工事施工管理技士を対象にした545求人から電気工事施工管理技士の年収を分析していきます。
こちらの分布図は1級電気工事施工管理技士、2級電気工事施工管理技士の資格保有者を対象にした転職求人の年収上限値と年収下限値の分布図になります。1級電気工事施工管理技士と2級電気工事施工管理技士の転職求人数の内訳は、1級電気工事施工管理技士の求人数が230求人、2級電気工事施工管理技士の求人数が315求人となっています。
この分布図を見ると、2級電気工事施工管理技士の「年収上限値×年収下限値」が年収下限値で、200~400万円、上限値で400~600万円に多く分布していることがわかります。一方の1級電気工事施工管理技士の年収は、「年収上限値×年収下限値」で、年収下限値が450~500万円、年収上限値で600~800万円に多く分類していることがわかります。
もちろん、電気工事施工管理技士を対象にした求人数により年収は変動することはありますが、少なくとも建職バンク内の求人では、このような年収レンジになっています。ですので、あくまで目安としての参考年収分布となります。
このグラフは、建職バンク内にある電気工事施工管理技士資格保有者を対象にした求人の年収下限、上限毎の求人数のグラフです。やはり、年収下限値が300~400に集中しているようです。年収上限値は600~900万円の求人数が多くあるようです。
ただ、求人の中には電気工事施工管理技士に対して1000万円以上の年収を提示している求人もあるようで、電気主任技術者の年収や電気工事士ではなかなか年収1000万円以上を稼ぐことが難しいですが、電気工事施工管理技士ではそれが可能な求人があるようです。
1級電気工事施工管理技士の年収:年収1000万円可能?
1級電気工事施工管理技士の平均年収は546万円⁉中には1000万円も
この調査では、1級電気工事施工管理技士を募集資格としているインターネット上に公開された「建職バンク」求人情報545求人ほどから調査しました。1級電気工事施工管理技士を対象とした求人の年収の下限値と上限値の求人数は以下のようになります。
1級電気工事施工管理技士の年収はおおよそ400~600万の求人が多くあることがわかります。1級電気工事施工管理技士を対象にした求人の年収提示から下限値と上限値の平均年収を算出すると、下限値428万円、上限値656万円となりました。求人をベースにした場合の1級電気工事施工管理技士の平均年収は546万円となることがわかります。日本人平均年収や電気工事士、第三種電気主任技術者などと比較しても高い年収なのではないでしょうか。
求人情報の中には上限値年収1000万円以上の求人もあり、700万円から1000万円の求人もあることがわかりましたが、このような高年収の求人は採用要件が高く、即戦力の人材を求めているようです。
1級電気工事施工管理技士を取得すると、監理技術者になることができますが、比較的規模の大きい工事において1級電気工事施工管理技士は活きてきます。ですので、1級電気工事施工管理技士を対象にした求人は得てして会社資金力が豊富なゼネコンのような総合建設業などからの需要があるようです。
そんなゼネコンでの求人がどのような内容なのかというと、傾向として1級電気工事施工管理技士の求人情報のうち、高年収帯の求人では、複数の資格を募集していました。1級電気工事施工管理技士だけでなく、土木工事施工管理技士や管工事施工管理技士の有資格者の募集であることが多いようです。
2級電気工事施工管理技士の年収
2級電気工事施工管理技士の平均年収は543万円⁉
この調査では、2級電気工事施工管理技士を募集資格としているインターネット上に公開された求人情報種類ほどから調査しました。
2級電気工事施工管理技士を募集する求人での年収では、400万円~800,900万円のものが多くあるようです。2級電気工事施工管理技士を募集する求人の特徴としては、2級電気工事施工管理技士だけでなく、電気主任技術者、電気工事士などの複数の資格を保有していることや募集内容に該当する経験を有している場合が多いようです。また、1級電気工事施工管理技士と比較して2級電気工事施工管理技士の求人数の方が多く、その年収の範囲も1級より広くなっているようです。
なお、2級電気工事施工管理技士の年収の下限値の平均は385万円、上限値の平均は678万円となり、求人をベースにした2級電気工事施工管理技士の年収はおおよそ543万円となりました。1級電気工事施工管理技士より年収はやや低いものの、2級電気工事施工管理技士の資格を活かした転職市場では、主任技術者、として専任される場合や専門技術者として採用される場合など大企業、中小企業とわず幅広いニーズに応えることができるようです。
2級電気工事施工管理技士の年収の最大値で年収900万円以上の求人情報が多数あるので、2級電気工事施工管理技士を活かした転職では採用に至れば、年収が上がる可能性があります。
電気工事施工管理技士の年収は会社の規模でも違う。年収を上げるには?
スーパーゼネコン、ゼネコン、サブコンで年収は異なる
建設業界は重曹下請け構造になっていることは建設産業・設備管理業界従事者ならご存知でしょう。重層下請け構造というのは簡単に言うと、発注者(国など)が元請(ゼネコンなど)に工事を依頼し、下請けに工事を委託するという仕組みのことです。
このような仕組みになっているため、就業者の働き方も年収もどこの層に属するかによって変わってきます。ですので、就業する会社の規模により職業を選ぶ職人や技術者は多くいらっしゃいます。
以下の表は会社の規模別の年収帯になります。年齢や経験により当然年収は変動しますが、求人情報などを元にだいたいの年収を算出しました。
会社規模 | 年収 | 求人傾向 |
スーパーゼネコン | 950万円 | 電気工事施工管理資格だけでなく、土木や建築資格ももった求人を募集している。即戦力。三十代で好条件 |
ゼネコン | 800万円 | 若くて(40代前半)、資格も経験も十分ですぐにでも現場を任せられるような方。即戦力 |
サブコン | 400万円 | 「ゼネコン経験のある方」や、「弊社と同じような事業内容で経験のある方」即戦力。 |
以上のような会社には電気工事施工管理技士の有資格者は在籍しています。選考倍率は非常に高いですが、入社すれば高い技術力の吸収と高いお給料を手にできる可能性があります。もちろん大変な仕事にはなりすがその分の待遇ということになります。
電気工事施工管理技士として年収を上げるためには
年収を上げるということは建設業界従事者に限らず、世間一般的にどんなサラリーマンでも求めることでしょう。電気工事施工管理技士の場合は資格を活かした就職活動をすることになるかと思いますが、どういう人物・経験・スキルであれば就職活動を成功させられるかということについてはなかなか誰かが教えてくれることではありません。電気工事施工管理技士として求められる人物は、あまりビジネスパーソンとして求められるものと大差ありません。
求められる人物というのは、マネジメント能力が高く、コミュニケーション能力がある人になります。特に施工管理という仕事では多くの技能者をマネジメントしますので、マネジメント能力が仕事の出来に直結します。転職活動においては、職務経歴書に過去の工事実績をどのようにしてこなしたかを具体的に記載することでその能力をアピールしましょう。
重要なのはコミュニケーション能力です。技能者をマネジメントするためには技能者とのコミュニケーションを図ることが重要なのは間違いないことでしょう。自らの経験などに固執せずにコミュニケーションをとり、マネジメントを行える力というのは求められる能力ですし、そのようなことができる人物には高年収での待遇になりえます。
電気工事施工管理技士のモデル年収
電気工事施工管理技士を募集する求人情報は多々ありますが、近年建設件数の増加している太陽光発電の電気設備接地工事の求人を募集していることがあります。この年収では450万円から800万円の間の年収レンジとなっていますが、これ以上の年収もあります。その多くは公開されていない非公開求人だったりしますが。
まとめ
以上のように、電気工事施工管理技士の年収を求人から調査・分析してきました。建設業界全体で見ても現在人手不足が深刻化しています。そうした中、電気工事施工管理技士を保有している技術者の採用ニーズは高まっています。ですので、電気工事施工管理技士の資格は腐りにくい資格といえますし、高年収の求人も設備管理求人より多くあります。現状の年収に満足していない場合などは転職も視野に入れてみてはどうでしょうか。