令和元年より、『電気通信工事施工管理技士』の資格が新設されました。

施工管理技士の国家資格が新設されたのは、実に30年ぶりになります。

では、一体なぜ新しく電気通信工事施工管理技士を設立することになったのでしょうか。
また、試験はどのような内容なのでしょうか。将来は一体どうなっていくのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

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    なぜ新しく電気通信工事施工管理技士の資格が新設されたのか。

    では、一体なぜ電気通信工事施工管理技士の資格が新しく新設されたのでしょうか。

    これには、大きく2つの理由があります。

    1 電気通信工事の需要に対して、足りない技術者を増やす。

    1つ目は、電気通信工事を行うことができる技術者を増やすという理由です。

    以前まで、電気通信工事の施工管理は、電気通信工事施工管理技士の有資格者が行なっていました。
    しかし近年、電気通信工事の需要増加により、技術者が足りていません。

    そこで、電気通信工事施工管理技士という通信工事独自の資格を設立することで、電気通信工事ができる技術者を増やし、人手不足を補おうという意図なのです。

    2 電気通信工事の熟練度を視覚化する。

    2つ目は、電気通信工事の熟練度を視覚化するという理由です。

    以前は、電気通信工事施工管理技士の有資格者が電気通信工事の業務を担当しており、電気通信工事をへの熟練度を示す指標が明確に存在しませんでした。
    そのため、工事を受託する側や転職の面接の際に、「果たしてこの人は電気通信工事ができるのか」と判断がつきませんでした。

    それを今回、熟練度を可視化することで、電気通信工事の熟練度が明確に確認することができるようになりました。

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      電気通信工事施工管理技士でできること

      では、具体的に電気通信工事施工管理技士を取得するとどのような業務をこなすことができるのでしょうか。

      1 モバイル通信用の基地局の設置

      1つ目は、モバイル通信用の基地局の設置です。

      モバイル通信用の基地局は、皆さんが普段使っている携帯電話の電波をキャッチして、様々な箇所に送る橋渡し役のような存在です。

      もし基地局に不具合が生じてしまった場合、電波障害が起こる可能性もあります。
      そのため基地局の設置には、高度な専門性と正確さが求められます。

      近年5Gの需要も高まり、総務省が5Gの基地局を3倍にする目標を立てたように、基地局の設置工事の需要は年々高まっているのです。

      2 電話工事

      2つ目は、電話工事の仕事です。

      電話の工事では屋外と屋内の二種類あります。

      屋外では電信柱から建物内に電話線を引き込む作業を行い、屋内ではその電話線を配線し、利用できる状態に設置する作業です。

      3 電波障害の予防、調査、解消

      3つ目は、電波障害が起こった時の対処やその予防などを行います。

      皆さんの家庭で「テレビが映らなくなった」ということはありませんか?
      これも電波障害の1つです。

      電波障害には、アンテナの故障や遮蔽物の障害など、数多くの原因がありますが、それを対処することが電気通信工事施工管理技術者の有資格者の業務の1つです。
      電波はほとんどの建設物で用いられています。

      今後も工事需要の拡大、技術の進歩が見込まれるため、より多くの人材が求められているのです。

      4 無線LANの設置

      4つ目は、無線LANの設置です。

      最近街中でよく、フリーWi-Fiを見かけますよね。

      Wi-Fiも実は無線LANの一種です。
      これらは電気通信工事によって、取り付けられています。

      具体的には、電波干渉や電波が行き渡る範囲を計算し、考慮した上で設置されており、高い技術が必要とされています。

      中止にはなってしまいましたが、2020年の東京オリンピック開催に向けて、無線LANの設置工事数が大幅に増えたことで一時期話題になりましたが、新型コロナウイルス収束後もこのような需要の増加はあると予想されています。

      そのため、この工事においてもより多くの技術者が必要となるのです。

      5 放送設備の設置工事

      5つ目は、放送設備の設置工事です。

      公共施設や病院、学校などで使われています。

      設置するだけでなく、常日頃から定期的に点検を行い、不備がないようにしなくてはなりません。
      放送は緊急を要する際に使われることも多いため、重要な仕事なのです。

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        電気通信工事施工管理技士の試験概要

        次に、電気通信工事施工管理技士の資格取得の際の試験概要についてお伝えします。

        参考資料はこちら

        1 試験日

        開催日、開催頻度は2級と1級で異なります。

        資格名 第2級電気通信工事施工管理技士 第1級電気通信工事施工管理技士
        学科試験

        年2回(前期と後期) 年1回(後期のみ)
        実地試験

        年1回(前期のみ) 年1回(後期のみ)

        来年もおそらく同じ時期に行うと思いますので、それを念頭に入れて対策することが好ましいでしょう。

        2 受験料

        受験料は以下の通りです。

        資格名 第2級電気通信工事施工管理技士 第1級電気通信工事施工管理技士
        学科試験

        6500円 13000円
        実地試験

        6500円 13000円
        学科試験+実地試験

        13000円 26000円

        他の施工管理技士の資格と比較すると、2級、1級共に受験料は高いです。

        3 受験場所

        受験場所は下記の通りになっています。

        資格名 第2級電気通信工事施工管理技士 第1級電気通信工事施工管理技士
        前期試験

        札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇の10地区 札幌、仙台、東京、新潟、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、熊本、那覇の12地区
        後期試験

        札幌、釧路、青森、仙台、東京、新潟、金沢、静岡、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、鹿児島、那覇の15地区 札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇の10地区

        場所は、随時変更になることもあるため、しっかりと確認しましょう。

        4 試験時間、科目

        1試験時間

        試験時間は、下記の表のようになります。

        資格名 第2級電気通信工事施工管理技士 第1級電気通信工事施工管理技士
        学科試験の時間

        130分 130分
        実技試験

        120分 120分

        2 試験科目

        試験科目は以下のようになります。

        2級電気通信工事施工管理技士
        試験区分 試験科目 試験基準
        学科試験➀

        電気通信工学等

        1.電気通信工事の施工に必要な電気通信工学、電気工学、土木工学、機械工学及び建築学に関する概略の知識を有すること。

        2.有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備等(以下「電気通信設備」という。)に関する概略の知識を有すること。

        3.設計図書を正確に読みとるための知識を有すること。

        学科試験②

        施工管理法 電気通信工事の施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する一般的な知識を有すること
        学科試験③

        法規 建設工事の施工に必要な法令に関する概略の知識を有すること。
        実地試験

        施工管理法 設計図書で要求される電気通信設備の性能を確保するために設計図書を正確に理解し、電気通信設備の施工図を適正に作成し、及び必要な機材の選定、配置等を適切に行うことができる一応の応用能力を有すること
        1級電気通信工事施工管理技士
        試験区分 試験科目 試験基準
        学科試験➀

        電気通信工学等

        1.電気通信工事の施工に必要な電気通信工学、電気工学、土木工学、機械工学及び建築学に関する一般的な知識を有すること。

        2.有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備等(以下「電気通信設備」という。)に関する一般的な知識を有すること。

        3.設計図書に関する一般的な知識を有すること。

        学科試験②

        施工管理法 電気通信工事の施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する一般的な知識を有すること
        学科試験③

        法規 建設工事の施工に必要な法令に関する一般的な知識を有すること。
        実地試験

        施工管理法 設計図書で要求される電気通信設備の性能を確保するために設計図書を正確に理解し、電気通信設備の施工図を適正に作成し、及び必要な機材の選定、配置等を適切に行うことができる高度の応用能力を有すること

        5 その他特記事項

        受験資格の方が少し細かく設定されていますので、より詳しい情報はこちらのサイトをご覧ください。

        2級電気通信工事施工管理技士の詳しい情報はこちらをチェック 1級電気通信工事施工管理技士の詳しい情報はこちらをチェック

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          試験の難易度、合格率

          では実際に試験の難易度や合格率はどうなのでしょうか

          まず過去の合格率は以下の通りです。

          2級電気通信工事施工管理技士

          開催年度 学科試験合格率 実地試験合格率 総合合格率
          2019年(令和元年)

          58.2% 41.9% 30.8%

          1級電気通信工事施工管理技士

          開催年度 学科試験合格率 実地試験合格率 総合合格率
          2019年(令和元年)

          43.1% 49.5% 21.1%

          合格率は、共に20%〜30%ほどです。

          まだ一年目なので、一概には言えませんが、他の資格と比べると若干合格率が低いようです。

          ただ過去問などがなく、情報が少ないので何ともいえません。

          また難易度としては、他の施工管理技士の資格と変わりません。

          年数を重ねるごとに、徐々に情報量も増え、合格率も上がると予想します。

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            求人をまとめてみた

            では実際に、電気通信工事施工管理技士の求人はどのようなものがあるのでしょうか。

            詳しく見ていきましょう。

            1 シーキューブ株式会社

            会社名 シーキューブ株式会社
            年収

            400〜600万円
            仕事内容

            電気通信設備工事の施工管理
            勤務地 愛知県
            就業時間 8:30~17:00(休憩60分)
            残業 月20〜30時間程度
            資格

            1級電気通信工事施工管理技士
            2級電気通信工事施工管理技士

            休日 年間125日、完全週休二日制(土日祝)
            賞与 昨年度実績5.6か月分
            社会保険 完備
            福利厚生 家族手当や残業手当、資格手当など多数の福利厚生あり

            1つ目は、愛知県のシーキューブ株式会社の求人情報です。

            休日は、125日あり福利厚生も充実しています。

            募集背景が人手不足ということなので、今需要の高い分野であるということがわかりますね。

            シーキューブ株式会社の求人情報はこちら

            2 神崎電設株式会社

            会社名 神崎電設株式会社
            年収

            336〜840万円
            仕事内容

            ■安全管理(現場の安全確保・事故防止)
            ■工程管理(工事のスケジュールを管理・調整)
            ■品質管理(工事の仕上がりを高品質に保つ)
            ■原価管理(予算内で効率的に工事を完了させる)
            勤務地 兵庫県
            就業時間 8:00〜17:00(休憩60分)
            残業 月平均28時間
            休日 年間115日程度、完全週休二日制(土日祝)
            賞与 年2回
            社会保険 完備
            福利厚生 資格取得支援制度
            直行直帰可能 など

            2つ目は、神崎電設株式会社です。

            年収800万円以上も目指せるうえ、年間休日も115日あり非常に魅力的な求人です。
            社会保険や福利厚生も充実しているため、非常におすすめな求人になります。

            神崎電設株式会社の求人情報はこちら

            将来的に電気通信工事施工管理技士はどうなるの?

            将来、電気通信工事の需要はどうなるのでしょうか。

            結論からいうと、通信技術の発達に伴い、電気通信工事の数は増え続けます。

            そのため、電気通信工事施工管理技士の需要も増え続けるでしょう。

            国家資格の1つとして、電気通信分野特有の資格を設置したことや、通信工事の案件が増え続けていることから、今後も重要な資格として位置付けられるでしょう。

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              まとめ

              電気通信工事施工管理技士は新しく設立されたため、情報量がまだまだ足りません。

              そのため自分から情報を取りにいくこと勉強することが重要です。

              まだまだ資格取得している人自体が少ないため、希少価値の高い資格です。

              目指す人は頑張ってください。

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