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空調設備の仕事内容

空調とは、室内の空気の汚れを取り除き、室内の環境を快適に保つものです。

空調設備工事業者の業務とは、空調設備の新規取り付け・配管工事や古い設備の更新工事、そして既存空調設備のメンテナンス保守点検などです。

工場や商業施設、オフィスビルなど大規模工事から戸建て住宅の空調設備まで、いろいろな現場が対象となります。

空調設備にトラブルがあるとそこで働く人の業務にも支障が出るため、設備のメンテナンスや故障時の修理など、アフターケアも大切な仕事の1つです。

昨今は都市再開発計画などによる建設ラッシュで、高層ビルやマンションなどからの需要も増えている職種です。

資格の種類・テスト概要

2-1冷凍機械責任者

冷凍責任者とは

冷凍機械責任者という資格はビルメン4点セットのうちの1つの国家資格です。

冷凍機械責任者の仕事は基本的には設備管理の仕事で、どのような設備かというと、冷房用冷凍機などです。

冷凍機械責任者は、1種~3種によって高圧ガス保安法によって職務の範囲が決まっています。

資格を取る方法

(ここでは初歩となる冷凍機械責任者三種についてだけ説明します。)

冷凍機械責任者の受験方法には2通りあります。

  • 国家試験で全科目を受験する
  • 事前に高圧ガス保安協会の講習を受け、国家試験を受験する。

(第三種冷凍機械講習の講習修了証を有していると、「保安管理技術」免除になり、受験科目は「法令」だけでよくなります。)

高圧ガス保安協会の講習の流れは以下のようになっています。

①5日間の講習受講する

②講習の最後に行われる検定試験に受かり、本試験科目が一部免除される

③本試験(国家試験)で法令科目のみ受験し、合格する。

ちなみに講習は五日間拘束されるので、仕事を休めない場合は、講習を受講できません。

第三種では全科目受験なら平均31.3%、法令だけの受験なら平均76.14%の合格率です。(2014-2018)

全科目(%) 法令のみ(%)
2014 19.0 49.4
2015 25.9 71.8
2016 34.8 89.4
2017 37.0 85.1
2018 39.8 85.0

 

2-2電気主任技術者

電気主任技術者とは

電気主任技術者になれば、発電所や変電所、それに工場、ビルなどの受電設備や配線など、電気設備の保安監督という仕事に従事することができます。

電気主任技術者とは一定規模以上の電気工作物が安全に稼働できるように点検するための国家資格なのです。

「電気工作物」は電気が生まれてから家庭や企業等に届くまでの過程で、必要不可欠な存在として重要な役割を担っています。

資格を取る方法

(第三種電気主任技術者試験について説明します。)

試験形式は五肢択一でマークシート方式で、受験資格特に必要ありません

電験三種の試験科目は4科目で、それぞれ次のような範囲と問題数で出題されます。

  • 理論
  • 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測に関するもの

  • 電力
  • 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料に関するもの

  • 機械
  • 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理に関するもの

  • 法規
  • 電気法規(保安に関するものに限る)及び電気施設管理に関するもの

第三種電気主任技術者試験の過去5年の平均合格率は8.96%になります。(2016-2020)

合格率(%)
2016 8.5
2017 8.1
2018 9.1
2019 9.3
2020 9.8

2-3ボイラー技士

ボイラー技士とは

ボイラー技士の仕事内容は、基本的にはボイラーが正常に稼働し、建物内の空気や温水の調整を管理できる状態を整えることです。

この状態を整えるためには、ボイラーの運用・管理といった基本的なことだけでなく、定期的なメンテナンスや点検を行わなければなりません。

ボイラーとは製造設備、あるいは冷暖房、給湯用のエネルギー源のことを指します。

懐かしの蒸気機関車(SL)にもボイラーが使われています。

ボイラーの燃料は様々で木や紙、焚を使用するものやガス、軽油、重油を使用するものまで幅広くあります。

資格を取る方法

2級ボイラー技士になるためには、筆記試験の合格実技講習の修了が必須です。

筆記試験の内容は以下になります。

  • ボイラーの構造に関する知識
  • ボイラーの取扱いに関する知識
  • 燃料及び燃料に関する知識
  • 関係法令

ボイラーの実務経験がない方は「ボイラー実技講習」も受講し、修了証を入手する必要があります。これは三日間にかけて行われます。

二級ボイラー技士の過去5年間の平均合格率は57.7%になります。

合格率(%)
2014 56.9
2015 60.4
2016 58.5
2017 57.0
2018 55.8

2-4管工事施工管理技士

管工事施工管理技士とは

管工事施工管理技士は管工事に関する施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理などの仕事を行います。

建設業法により、管工事の現場や、大規模工事に携わる特定建設業の営業所には「専任技術者」を置くことが義務付けられています。

1級取得者は、特定建設業あるいは一般建設業において、専任技術者を務めることができ、さらに建設工事における「主任技術者」「監理技術者」の役割を務めることができます。

一方で、2級取得者は、一般建設業における「専任技術者」「主任技術者」を務めることができます。

資格を取る方法

2級管工事施工管理技士受験資格

  • 大学卒業の者で、かつ実務経験が1年以上であること。
  • 短期大学卒業の者で、かつ実務経験が2年以上であること。
  • 高等学校卒業の者で、実務経験3年以上であること。
  • その他の者で、実務経験が8年以上である場合。

2級管工事施工管理技士は令和3年度(2021年度)から、第一次検定、第二次検定の試験になります。

第一次検定は以下の三分野から出題されます。

  • 機械工学等
  • 「知識」
    (1)機械工学、衛生工学、電気工学、電気通信工学及び建築学に関する知識
    (2)冷暖房、空気調和、給排水、衛生等の設備に関する知識
    (3)設計図書に関する知識

  • 施工管理法
  • 「知識」
    施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する知識
    施工の管理を的確に行うために必要な能力

  • 法規
  • 「知識」
    建設工事の施行に必要な法令に関する知識

第二次検定は全て記述式になります。ここでは、主任技術者として施工管理を行うために必要な、知識と応用能力が求められます。出題分野は、以下になります。

  • 施工管理法
  • 「知識」
    主任技術者として、施工の管理を行うために必要な知識

    「能力」
    監理技術者又は主任技術者として、設計図書で要求される設備の性能を確保するために設計図書を理解し、設備の施工図を作成し、必要な機材の選定、配置等を行うことができる応用能力

    今年から試験内容が変更になったため、参考程度に過去3年の試験の合格率を掲載します。

    過去3年の第一次検定の合格率は63.3%,第二次検定の合格率は42.6%となります。

      

    第一次合格率(%) 第二次合格率(%)
    2020 63.6 43.5
    2019 69.3 44.1
    2018 57.0 40.4

    2-5電気工事施工管理技士

    電気施工管理技士とは

    電気工事施工管理技士は建造物の建設や、増築などに必要となる、「電気工事における施工計画の作成施工計画の作成」「工事の工程・安全・品質などの管理」「電気工事の監督業」などを行えます。

    建設業法に基づいて建設業を営なもうとする場合には、営業所ごとに選任の技術者を置かなければならないという規定があります。

    このような規定がある以上、電気工事施工管理技士の資格というのは尽きないニーズがあります。

    資格を取る方法

    受験資格

    ・大学の指定学科を卒業し、1年以上の実務経験

    ・大学の指定学科以外を卒業し、1年6か月以上の実務経験

    ・短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科を卒業し、2年以上の実務経験

    ・短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科以外を卒業し、3年以上の実務経験

    ・高等学校の指定学科を卒業し、3年以上の実務経験

    ・高等学校の指定学科以外を卒業し、4年6か月以上の実務経験

    ・その他の者は8年以上の実務経験

    受験資格(資格持ち)

    ・電気事業法による第一種、第二種、第三種電気主任技術者免状の交付者は、1年以上の実務経験

    ・電気工事士法による第一種電気工事士免状の交付者は、0年の実務経験

    ・電気工事士法による第二種電気工事士免状の交付者は、1年の実務経験

    ・2級電気工事施工管理技技術検定学科試験のその年の合格者および前年度の合格者

    ・技術士法による第二次試験のうち技術部門を電気・電子部門または建設部門とするものに合格した者で2級電気工事施工管理技術検定学科試験の受験資格を有する者

    2級電気工事施工管理技士の試験は学科試験実地試験の二つの試験で行われ、双方に合格しなければなりません。その合格基準は6割とされています。

    学科試験科目分野

    ・電気工学等、施工管理法、法規

    実地試験分野

    ・施工管理法

    学科試験(%) 実地試験(%)
    2020 58.7 45.4
    2019 62.8 43.2
    2018 62.8 39.9
    2017 58.7 41.6
    2016 55.2 40.4

    学科平均合格率 59.6%
    実地平均合格率 42.1%

    空調設備のオススメの資格

    ズバリ、「管工事施工管理技士」「電気施工管理技士」です。

    理由は以下になります。

    • 2つとも平均年収が500万ほど
    • 建設業法の中で、主任技術者は【全ての建設現場に配置が必須の技術者】となっており、施工管理技士の資格保持者であれば、2級/1級に関わらず主任技術者になることができる。つまりニーズは尽きない。
    • 施工管理技士の資格を持っていれば、建設業界内であればどの会社でも通用します。だからこそ客観的な評価基準となる資格の取得が重要になるわけです。

    まとめ

    空調設備の資格について解説しました。資格を取得することは、時間も労力もかかるものです。

    しかし、業界の中で周りと一線を画して、「年収UP」を目指すために、資格取得は必須です。

    資格を持つことで、転職をして大きなキャリアアップを狙うことも可能です。

    将来への不安も払拭するために、「資格取得」「転職」を目指していきましょう!