太陽光発電に注目し、個人宅への導入を検討している方もいらっしゃるでしょう。しかし、いざ導入となると、気になるのはその設置費用ですよね。そこで今回は、太陽光発電の設置費用について細かく見ていきましょう。
太陽光発電の設置費用の推移と内訳
設置費用の推移を見れば、今設置するかどうかの判断材料の一つとなります。また、内訳もしっかり理解しておくことでどこに費用が掛かっているのか、削減できる場所がないか検討することもできます。
設置費用の推移
太陽光発電の設置費用は年々減少傾向にあります。各メーカーの平均的な相場はこの6年間で30%ほど低下しています。メーカーや新築・既築などにもよりますが、2012年10月には1kWあたり34万円ほどかかっていたものが、2018年5月の時点では25万円台にまで低下しているというデータもあります。
太陽光発電の設置費用の内訳
太陽光発電に必要な設置費用の内訳は以下のようになります。
- パネル(モジュール):50%前後
- パワーコンディショナー:10~15%
- 架台・配線関係:10~15%
- 工事費用(施工・電気工事):20%~25%
- その他:5%~15%
上記の割合は、あくまで目安です。システムの規模や、保証などによって変わってきますし、メーカーが国内か国外かによっても差が出てきます。そして、パワーコンディショナーは、作った直流の電気を集め、交流に変換して家の中で使いやすくするための機器です。パネルの容量と合わせて最適なものを選択し、少しでもコストカットしていきたいところです。
忘れちゃいけない設置費用報告・年報
太陽光発電を設置した後には、定期報告をしなければならない場合があります。もし、提出しない場合は指導の対象になり、最悪、固定価格買取制度の認定、売電価格が取り消しとなってしまいます。定期報告には3種類があり、それぞれ「設置費用報告」、「増設費用報告」、「運転費用報告」となります。
提出義務のあるのは以下に該当する場合です。
- 発電設備が10kW未満でJ-PECの補助金を受けている場合
- 設置費用報告:不要
- 増設費用報告:増設後10kWを超える場合必要
- 運転費用報告:経済産業大臣から要請があった場合必要
- 発電設備が10kW未満でJ-PECの補助金を受けていない場合
- 設置費用報告:必要
- 増設費用報告:増設後10kWを超える場合必要
- 運転費用報告:経済産業大臣から要請があった場合必要
- 発電設備が10kW以上(産業用)
- すべて必要
- 提出期限
- 設置費用報告:運転開始の日から1か月以内
- 増設費用報告:出力を増加させた場合、その出力で運転開始した日から1か月以内
- 運転費用報告:毎年1回、運転開始した月の翌月末まで
定期報告は、FITポータルサイトより電子報告にて行います。それが不可能な場合は様式をダウンロードしたうえで郵送することも可能です。
産業用太陽光発電の設置費用概算
10kWを超える太陽光発電は産業用と呼ばれています。産業用太陽光発電の中でも10kW以上50kW未満のものを低圧、50kW以上のものを高圧と言い、それぞれ費用などが異なってきます。
10kwと50kwの設置費用
設置規模が10kW~50kWのシステム費用の平均は1kW当たり43.7万円です。低圧の最低出力である10kWの場合、43.7万円×10=437万円となります。
一方、50kW~500kWの場合のシステム費用の平均が1kW当たり37.5万円となっています。高圧の中で最低出力である50kWの場合、37.5万円×50=1875万円となります。
2014年以降の補助金はどうなる?
国からの補助金制度は2013年度をもって終了していますが、まったく補助金を受けられないということはありません。自治体で独自に補助金制度を導入しているところもあります。
まだ間に合う補助金自治体一覧
太陽光発電の補助金は各自治体によってもかなり違いがあります。以下のサイト(Panasonic公式サイト)にて受けられる補助金について調べることが出来ます。
http://sumai.panasonic.jp/solar/subsidy_info.html
太陽光発電は費用対効果がいいの?わるいの?
ここまで、太陽光発電の設置費用について説明してきましたが、肝心の費用対効果はどうなのでしょうか。そこで、大切なのは太陽光発電の特徴を知ることです。
まず太陽光発電の特徴・メリットとなるのは以下の点となります。
- 光熱費を削減でき、余った電気は売電することが出来る
- 災害時などに利用できる
- 寿命が長い
- 補助金制度を利用できる
- 目に見えて発電量が分かる
- エコに貢献できる
太陽光発電の設置に当たって、気を付けなければならないことやデメリットとなるのは、次のような点です。
- 初期費用が高い
- 天候や日照時間によって発電量が左右される
- パワーコンディショナーなどの機器の交換やメンテナンス費用がかかる
- 年々低下する売電価格
このように費用対効果の良し悪しは、場所や地域によって変わってくるものです。積雪が多いなど、地域ごとの特徴や設置場所の日照時間などをしっかり把握し、パネル・機器、施工業者などを適切に選び、できるだけ損することを避けましょう。また、売電価格や自宅の状態、光熱費の把握なども重要です。デメリットを把握し、アドバイザーの意見を参考にすることや、蓄電池の導入も検討することなどで費用対効果を良くする必要性があるでしょう。
まとめ
太陽光発電において、一口に設置費用と言ってもその規模やメーカー、そして購入する年によってもかなり差があることが分かりました。太陽光発電は再生可能エネルギーであり、地球にも優しい選択で、収入にもつながる可能性があるため、積極的に導入していきたいですよね。そのためにも設置費用は適切に判断し、決して損にはならないようにしたいところです。