電気主任技術者という仕事について「しんどい」「大変」といったイメージを持っている方は少なくないかもしれません。

そういった言葉を耳にしたこともありますが、実際はどうなのでしょうか?

今回は電気主任技術者に関するネガティブな点に加え、逆に魅力的なポイント、向いている人の特徴などをまとめてみました。

この記事を読んで、少しでも電気主任技術者に関する理解を深めていただけたら嬉しいです。

▼電気主任技術者の転職を検討している方はこちらもどうぞ▼
業界プロの無料転職サポートを受ける

建職バンクのバナー

そもそも電気主任技術者とは?

電気主任技術者とは、「受変電設備などの電気設備を保守・管理」する仕事を行うための、電気事業法に基づく国家資格です。

ビルや病院、工場などにおいて電気設備に関する点検を行うだけでなく、電気工事の現場における監督なども仕事内容として挙げられます。工事そのものを担当するのではなく、監督業務という点が電気工事士との違いです。
電気主任技術者は、原則として、一定規模以上の自家用電気工作物を設置する事業所に常駐で設置することが求められています。

電気主任技術者の資格には、第一種電気主任技術者(電験1種)、第二種電気主任技術者(電験2種)、第三種電気主任技術者(電験3種)といったように区分があります。それぞれ取り扱うことのできる電気工作物が異なります。

電験1種はすべての電気工作物を、2種は電圧170,000V未満の電気工作物を、3種は電圧50,000V未満(ただし出力5,000kW以上の発電所を除く)の電圧工作物を取り扱うことができると決められています。

電気主任技術者のつらい点(デメリット)

電気主任技術者の業務は、その資格を持っていないと携わることができない独占業務であり、非常に重要な役割を果たしています。
しかし、電気主任技術者を検索してみると「電気主任技術者 やめとけ」「電気主任技術者 大変」などといったネガティブな意見もみられます。

そこで、具体的にどのような理由から大変だとされているのかを以下にまとめましたので、ぜひご覧いただければと思います。

資格取得がかなり難しい

電気主任技術者の資格取得はかなり難しいと言えます。
以下は、2023年度の電気主任技術者の合格率を示した表です。

表1 電気主任技術者の合格率(第一種および第二種)
受験受付 一次試験 ニ次試験
申込者 受験者*1 合格者 受験有資格者*2 受験者 合格者
第一種 2,012 1,469 485 812 719 129
第二種 8,976 6,318 1,545 3,089 2,682 474

*1:一次試験免除者を除く
*2:一次試験免除者+一次試験合格者

表2 電気主任技術者の合格率(第三種)
申込者 受験者 合格者
第三種 36,978 28,168 4,683

※電気技術者試験センター「試験実施状況の推移」より引用

この表から合格率はそれぞれ、第一種は一次が約33%でニ次が約18%、第二種は一次が約24%でニ次が約18%、第三種は17%であることがわかりました。電験の中で最も難易度が低い第三種ですら2割を切っており、非常に難しいことがうかがえます。

このような資格取得の難しさが、「電気主任技術者は大変である」というイメージに繋がっているといえます。

責任が重い

電気主任技術者が従事する工事は電気を扱う仕事ですので、漏電や感電などの重大な事故が起こってしまった場合に怪我人や、最悪の場合には死者を出してしまう可能性も否定できません。
またこのような人的被害だけでなく、点検の不備による停電などの場合には、補償問題に発展することも考えられます。

電気主任技術者は現場の監督、つまり責任者ですので、そのようなことが起こらないように常に細心の注意を払う必要があり、万が一事故が起こってしまった際にはその責任を問われることになります。
従って常に重い責任を抱えながら仕事をするため、電気主任技術者はプレッシャーのある役割でしょう。

人手不足でブラックな働き方になる

電気業界では人材不足が進んでいます。
以下は、10~20年前と現在の「電気主任技術者免状取得者数の変化」を示した図です。特に第三種は、1割ほど取得者が減少していることがわかります。

図1 電気主任技術者免状取得者数の変化

※経済産業省「電気主任技術者制度について」より引用

また以下の図は「電気主任技術者の需給見通し」を表したものです。やはり減少傾向であることが予想され、電気主任技術者はどんどん足りなくなっていく可能性が高いといえるでしょう。

図2 電気主任技術者の需給見通し

※経済産業省「電気主任技術者制度について」より引用

人手不足が進むと、既存の従業員に皺寄せが来てしまい、一人当たりの仕事の負担が大きくなることが懸念されます。
従ってこのように長時間労働になりやすいことも、電気主任技術者が大変といわれる理由の一つだと考えられます。

労働時間が不規則

電気主任技術者の作業は夜間に行われることがあります。
あらゆる電気設備は昼夜・平日休日を問わず稼働し続けているため、夜間にトラブルが発生することもあり得るためです。電気設備に何らかの異常が発生した場合、すぐに駆けつけなくてはいけないため、勤務時間が不規則になってしまうことがあります。

また商業施設などでは、営業時間外に点検を行うこともあります。商業施設には定休日が設けられていない場合が多いので、必然的に夜間の作業になってしまいます。
このような理由から、電気主任技術者は労働時間が不規則であるといわれています。

転勤がある可能性が高い

電気主任技術者は全国への転勤の可能性があります。
地方への転勤は必ずしもネガティブなことではありませんが、生活エリアを変えたくない人にとっては不向きです。転勤がない会社もある一方で多くの場合に転勤の可能性が伴うため、そういった理由で電気主任技術者にマイナスなイメージを持つ人もいるようです。

電気主任技術者の魅力(メリット)

ここまで、電気主任技術者のしんどい・大変と思われる理由について紹介しましたが、逆にメリットもたくさんあります。
電気主任技術者の魅力について、以下にまとめました。

需要が高い資格である

電気主任技術者は国家資格であり、資格を有していなければその仕事には従事することができません。このように独占業務であるため、非常に安定している仕事であるといえます。

現代社会において電気は様々な場所で使用されており、必要不可欠な存在です。そしてこれから先も電気の需要がなくなるとは考えにくいでしょう。一方で人口減少や高齢化といった理由で、先ほど述べたように電気主任技術者の供給は減っていくとされています。
従って電気主任技術者の社会的ニーズは高まる一方であるため、継続して安定的に働くことができるのではないでしょうか。

就職・転職がしやすい

電気主任技術者は高齢化が進み、将来的に不足すると懸念されています。そのため、20代〜30代などの若手であれば特に、電気主任技術者の資格を持っていなくても就職・転職がしやすいとされています。

また働きながら勉強して資格を取得できれば、転職市場での価値はさらに上がり有利になります。資格手当をもらうこともできるので、年収アップも期待できます。

独立することで高年収が期待できる

電気主任技術者の資格を取得し実務経験を積んだ後に独立できれば、さらなる年収アップを期待することもできるでしょう。
またそれだけではなく、自由な働き方ができるのでストレスなく仕事に集中できます。

電気主任技術者として独立した場合の年収は、1000万円を超える場合も少なくないといいます。日本人の平均年収が約460万円ですので、高年収です。

電気主任技術者に向いてる人の特徴

今までご紹介してきたメリット・デメリットを踏まえて、電気主任技術者に向いている人の特徴をまとめてみました。

ご紹介するのは一部であるため、参考程度に読んでいただけたらと思います。

責任感がある人

先ほども述べたように、電気関連の工事には常に危険が伴います。「何か異変は起こっていないか」「正常に機能しているか」など、常に現場を注意深くみれる人は、電気主任技術者に向いています。

コミュニケーション能力がある人

作業員である電気工事士とは違い、電気主任技術者は監督の役割を担います。そのため、あらゆる関係者と円滑なコミュニケーションを取れる人が向いています。

継続して努力できる人

先述の通り、電気主任技術者の資格取得は非常に難しいです。第三種を保有していても、さらに第一種・第二種の資格取得に向けてかなりの勉強量が必要になります。そのためコツコツ努力できる人が向いています。

電気主任技術者のおすすめ求人

最後に電気主任技術者の求人をご紹介します。
実際に「建職バンク」に掲載されているものの中から、求人を3つ厳選しました。

Hitz環境サービス株式会社

会社名 Hitz環境サービス株式会社
年収 395〜570万円
仕事内容
  • 電気主任技術者としての業務及びその補助
  • 電気工作物の維持及び運用に関するその保安業務
    (請負先常駐業務)
    ※保全業務・施設の清掃等の業務を含む
就業時間 8時20分~17時20分
休憩時間:60分
残業 月平均5時間
資格
※以下いずれかの資格必須
  • 第1種電気主任技術者
  • 第2種電気主任技術者
  • 第3種電気主任技術者
経験 電気主任技術者業務の実務経験
休日 年間休日:125日
週休二日制(毎週)
土曜日・祝日出勤(ローテーションによる)
6ヶ月経過後の年次有給休暇日数:10日
賞与 年2回(7月・12月)
※2023年実績:3カ月分+定額
社会保険 完備

日立造船の100%出資子会社で残業の少ない職場です。
資格取得支援制度も充実しているのでさらなるスキルアップができます!

この求人の詳細はこちらから!

日本イーメック株式会社

会社名 日本イーメック株式会社
年収 300〜540万円
仕事内容
月次点検
  • 高圧受変電設備の目視点検
  • 測定器による点検
  • 簡単な訪問日程の調整や報告書入力など
※停電年次点検は、試験機操作を行う検査担当がサポートします。
就業時間 【フルフレックスタイム制】
1日の標準労働時間 8時間00分:月間160時間
残業 ほとんどなし
資格 第三種電気主任技術者
経験
  • 実務経験が3年以上あるかた(3年に満たない場合は、応相談)
  • 点検業務は実施したことがない方でも大歓迎
休日
  • 年間休日123日
  • 完全週休2日制:土日、祝日
  • 年末年始休暇
社会保険 完備

フルフレックス制導入で自由に働けます。
残業もほぼなく、直行直帰で業務が終わったらそのまま帰宅できるので働きやすいです。

この求人の詳細はこちらから!

株式会社エスコ

会社名 株式会社エスコ
年収 520〜650万円
仕事内容 主に東京23区内に配置されているキュービクル(高圧受変電設備)の保守管理/電気設備の保守・保安等の業務に携わって頂きます。
就業時間 9時~18時(所定労働時間:8時間)
休憩時間:60分
時間外労働有無:有
残業 月平均30時間
資格
  • 第三種電気主任技術者の資格をお持ちの方
  • 第一種運転免許普通自動車
経験 高圧受変電設備保守のご経験3年以上の方
休日
年間休日125日
  • 完全週休二日制
  • 祝日
賞与 年2回(3月/9月)
※前年度平均実績2.3ヶ月分支給
社会保険 完備

年間休日125日!土日祝休みでワークライフバランスも充実しています。
国をあげて取り組んでいる省エネ領域で環境省から省エネ診断の専門機関に認定されています。

この求人の詳細はこちらから!

最後に

今回は電気主任技術者に関して、メリット・デメリット・向いている人の特徴・おすすめの求人をご紹介をしました。

電気主任技術者には、責任感や継続して努力する力など求められる能力がたくさんあります。大変なことばかりに見えるかもしれませんが、社会的な存在価値が高く、やりがいや達成感も大きい仕事です。

また将来的にも電気主任技術者の需要は高まる一方で、独立すれば年収1000万円も可能です。
電気主任技術者として働きたい方は、ぜひ建職バンクで求人をご覧ください。

建職バンクは、関東の電気系求人件数No1の実績を誇る転職求人サイトです。

多くの求人情報や、仕事や転職活動に役立つような記事を発信しています。
さらに、登録することで転職の際にキャリアアドバイザーの方からアドバイスを無料で受けることもできます。

「自分は電気主任技術者に向いているかも…」
「転職して年収やスキルアップを目指したい!」

と思った方は、ぜひ建設業界特化型の転職サイト「建職バンク」をご利用してみてはいかがでしょうか?
登録すると、業界のプロのサポートを無料で受けることができます!

建職バンクを利用してみる →