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電気は私たちの生活には欠かせない重要なものです。
その電気の供給においては、元になる電源が複数あり、それぞれ3つの区分に分けられています。
その中でも最も安定して稼働しているのが「ベースロード電源」です。本稿では「ベースロード電源」とはどのようなものか、そして他の2つの電源区分である「ミドル電源」「ピーク電源」についても解説していきます。

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ベースロード電源とは?

ベースロード電源の定義

「ベースロード電源」とは、発電コストが低く、かつ昼夜などの時間帯を問わずに継続的に安定して稼働する電源を示す言葉として使われています。
この呼称については、かつては「ベース電源」という言葉が使われていましたが、2014年に海外での呼び名にならい「ベースロード電源」という表現に改められました。

石炭・地熱・水力・原子力に分類される

ベースロード電源は、石炭、地熱、水力、そして原子力の4つに分類されます。
その中でも石炭はベースロード電源の中心的位置を占め、総電力のうち30%ほどを占める電源です。

地熱は、他の電源に比べてまだ発電量は多くないものの、安定して稼働できかつコストの低い発電方法です。
特に日本は世界有数の地熱資源量に恵まれているため、我が国の地理条件に合った電源であると言えます。

水力も、低コストで稼働性も安定した電源となります。しかし、水力発電所は、設置場所が川の近辺やダムを建設できるような山間部などに限られるため、全体的な発電量も多くはありません。
原子力も安定して稼働させることができる電源ですが、事故が起きた場合に大きな被害が及ぶ危険性を孕んでいます。
2011年3月に発生した東日本大震災により福島第一原子力発電所事故が引き起こされた後は、安全性を求める動きから多くの原子力発電所が運転を停止させる事態となりました。

ミドル電源とは?

ミドル電源の定義

ベースロード電源に次いで低い発電コストで稼働することができる電源が「ミドル電源」です。
ベースロード電源による発電だけでは電力が不足している場合、このミドル電源を稼働させて電力の供給を行います。発電所を必要に応じて停止、運転を切り替えることができるため、電力需要に応じて利用できる点がミドル電源のメリットです。

LNG(液化天然ガス)・LPガス

ミドル電源とされているのは、LNG(液化天然ガス)やLPガスです。
LNGの利点は、世界でも各地の油田で産出されることから調達しやすく、発電コストも低い点です。
さらに、二酸化炭素の排出量も石炭より少ない電源でもあります。

LPガスは、火力発電の燃料の一つとして用いることができます。家庭生活で使用されることも多く見受けられますが、電源として使用されることはあまり多くはありません。

ピーク電源とは?

ピーク電源の定義

「ピーク電源」とは、高い発電コストがかかる反面、機動的に発電量を調整することのできる電源を指します。
ベースロード電源、ミドル電源を活用しても電力の供給が足りない場合、ピーク電源を稼働させることになります。
前述の2種の電源よりも発電にコストがかかりますが、発電所の停止、運転の切り替えがミドル電源よりも容易であるのが特徴です。

石油・揚水式水力

ピーク電源として主にあげられるのは、石油と揚水式水力です。
石油はその産出国の影響が大きく及ぶため他の電源に比べて調達リスクが大きく、更に発電以外にも多くの用途があります。
そのため、電源としてのコストは高く、発電にはあまり多くは利用されません。

もう一つの揚水式水力での発電には、発電所の上部と下部に貯水池をそれぞれ設置する必要があります。
深夜に余っている電力で水を下部から上部の貯水池へ汲み上げておき、必要に応じて水を下部の貯水池に流す、という仕組みで発電を行います。
こちらも、汲み上げておける水には限界があるため、いざというときのピーク電源として用いられる電源です。

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ベースロード電源の割合

ベースロード電源比率の推移、今後はどうなる?

日本国内では、2000年代に入るとベースロード電源比率はおよそ6割を安定して超えるようになりました。
しかし、2011年の東日本大震災以降、原子力発電所の稼働停止によりベースロード電源比率は低下し4割を切る事態となっています。

電源構成としては、やはりコストが低く稼働性も安定しているベースロード電源の比率を高い水準で保つことが重要視されています。今後も、全国的に電源とその系統を適切に整備し、効率的に活用できる体制を整えることが必要になってくるでしょう。

エネルギー基本計画とベースロード電源

電源構成の基本的な考え方:3E+S

「3E+S」は電源構成の判断基準とされている、

  • Energy Security(安定供給)
  • Economic Efficiency(経済効率性の向上)
  • Environment(環境への適合)
  • Safety(安全性)

の4つの要素の頭文字を合わせたものです。
この3E+Sの基準をもとに、一つのエネルギー源に偏らないエネルギーミックスを実現することが必要とされています。

特に原子力は、3Eの基準に対しては優れた特性が認められており、日本におけるエネルギーミックスにおいて重要な位置を占めてきたエネルギー源です。
東日本大震災以降、原子力発電所の停止により火力発電の割合が高まっている現状では、今一度バランスの良いエネルギーミックスを再建することが必要になってくるでしょう。

2014年の閣議で原子力を重要なベースロード電源と位置づけ

震災の影響で多くの原子力発電所の稼働が停止されていた中、政府は2014年4月に「エネルギー基本計画」を閣議決定し、今後のエネルギー政策の指針として位置づけました。
このエネルギー基本計画では原子力発電を「重要なベースロード電源」としており、2030年時点での原子力発電の比率を20~22%にすると定めています。
この決定に伴い、原子力規制員会の規制基準を満たす原子力発電所については再稼働を進める方針が打ち出されました。

2030年には再生可能エネルギーを主力電源に

再生可能エネルギーとは、石炭や石油のような有限の資源とは異なり、太陽光や地熱、風力など自然界に常に存在しているエネルギーを指します。
二酸化炭素を排出させない(または増加させない)、枯渇しない、一度利用しても短期間に再生が可能である、などが再生可能エネルギーの特徴です。

再生可能エネルギーは、エネルギーミックスに実用的に組み込む水準にはまだ達していません。2019年1月時点でも水力発電を除いた再生可能エネルギーの電源構成比率は9.6%にとどまっています

(参考: 環境エネルギー政策研究所をもとに作成)

エネルギーの特徴上、稼働にも天候などの自然現象に影響を受けるため、安定したエネルギー出力を維持が難しい面もあります。3E+Sの基準で考えても、再生可能エネルギーには供給の安定性や経済効率性の観点での課題が残っているのが現状です。

それでも、エネルギー自給率の低い日本において、今後は再生可能エネルギーも有用な電源の一つになることが期待されています。安定性、効率性の両方を兼ね備えたエネルギーミックスの構築のため、再生可能エネルギーの有用性に注目が集まっているのです。

まとめ

日本の電源構成は今後もより安定した電源比率を目指して変化していくことが予想されます。この先も安定した電力供給を維持するために、それぞれの電源のメリットを活かしたバランスの良いエネルギーミックスが必要になるでしょう。

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