1級管工事施工管理技士試験には学科試験と実地試験がありますが、いずれの試験にも合格して初めて1級管工事施工関rに技士の試験に合格できます。そんな1級管工事施工管理技士試験の実地試験は初学者の場合、どのように解答したらいいのか悩む受験者が多いと聞くことがあります。では、1級管工事施工管理技士試験の実地試験をどのように解答していけばいいのか各分野ごとに紹介していきます。

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1級管工事施工管理技士の実地試験:受験資格、試験日程、合格基準

区分概要
試験日12月第1日曜日
合格発表日2月下旬ごろ
受験資格1級管工事施工管理技術検定学科試験のその年の合格者及び前年度の合格者
技術士法による第二次試験のうち機械部門(選択科目が流体機械または冷暖房および冷凍機械)、水道部門、衛生工学部門に合格した者で1級管工事施工管理技術検定学科試験の受験資格を有する者
合格基準60%以上
受験手数料8,500円
試験科目施工図
工事施工
工程管理
法規
施工経験記述

1級管工事施工管理技士の実地試験の受験資格や試験日、合格発表日、試験科目、合格基準はこのようになります。1年で1級管工事施工管理技士の学科試験と実地試験を合格することも可能な試験になっています。それでは、1級管工事施工管理技士の実地試験の解答方法や勉強方法についてを見ていきましょう。

1級管工事施工管理技士実地試験:施工図問題

まず、1級管工事施工管理技士試験で必須解答となる「施工図」問題ですが、施工図問題は出題された機器・配管の施工図を見て、適切ではない部分を指摘する解答方法になります。施工図問題の難易度は、試験内容自体が過去問で出題されたような内容を繰り返し出題してくるので、過去問演習ができれば難易度は下がってきます。施工図問題は、おおまかに「設備全般」、施工上の留意点「空調設備」、「衛生設備」での問題となります。1級管工事施工管理技士の実地試験の過去問の例と解答をサンプルとして見ていきましょう。

1級管工事施工管理技士実地試験「施工図問題」の過去問その①

重量機器のアンカーボルトの施工要領

重量機器のアンカーボルトの施工要領()

1級管工事施工管理技士の実地試験の「施工図問題」では、重量機器のアンカーボルトの施工要領に関する問題が出題されることがあります。このような図に関して適切ではない部分を具体的に記述していくことが求められます。

重量機器問題は、改善点としてこの図において「アンカーボルトは床鉄筋に緊結」するという点が上げられます。他には確認事項として、「コンクリートの基礎がスラブコンクリートと一体しているかどうか、アンカーボルトが箱抜きではないかどうか」といった点が挙げられます。

原則として重量機器基礎では、あらかじめ土木・建築構造物に埋設された差筋に結束もしくは溶接する必要があるのです。目的としては機器の転倒を防止することにあります。

1級管工事施工管理技士実地試験「施工図問題」の過去問その②

防火区画を貫通する配管の施工要領(H28)

防火区画を貫通する配管の施工要領(H28)

この図は防火区画を貫通する配管の施工要領に関する問題で、問題分は、この図で適切でない部分の改善策を具体的に記述しなさいとあります。

改善点の解答としては、「防火区画を貫通する部分及び床上1mを鋼菅等の不燃材とするか、もしくは0.5mm以上の鉄板で覆うこと」でしょう。この図では不燃材ではないVP菅がそのままの状態で防火区画を貫通している点が誤りです。

このことは建築基準法施行令第129上2の5第1項7号に防火区画を貫通する給排水その他の配管の構造が規定されています。給水管・配電間等の貫通する部分から両側1m以内の距離にある部分を不燃材とすることが定められています。法規の知識を持っていないとどこが改善点なんだろうとなってしまいそうですが、類似の問題は過去問で幾度か出題されていますので、細かい建築基準法の勉強はしなくてもよいかもしれません。

重量機器の基礎以外には、アンカーボルトの引き抜き力の計算、機器据付完了後の防振架台に関する問題、防火区画を貫通する配管の施工要領の問題、建物エキスパンジョイント部の配管要領の問題、単式伸縮管継手の取り付け要領図問題、複式伸縮管継手の取り付け要領の問題、特性曲線及びポンプ廻りの問題が出題されます。1級管工事施工管理技士の実地試験の「施工図」問題ではとにかく過去問を演習し、パターンを身に着けることが合格の近道であるともいえます。

1級管工事施工管理技士の実地試験での「施工図問題」を解答するには、学科試験で勉強した施工法の科目を再度復習し、過去問演習を5年分以上繰り返すと出題傾向が見えてきます。また、過去問対策をするだけでなく、予想問題集が入っている参考書を購入して、未知の問題を解答できれば十分なアウトプットです。

1級管工事施工管理技士実地試験:工事施工

1級管工事施工管理技士の実地試験では、空調設備と衛生設備で解答を選択できる問題構成となっています。空調設備と衛生設備のいづれにせよ、1級管工事施工管理技士の実地試験では、出題範囲が幅広いので、どちらかに的を絞った勉強をするのが得策なように思えますが、年度によって空調設備と衛生設備の難易度が異なったり、題意が読み取りにくい場合があるので、1級管工事施工管理技士の実地試験では両方の勉強をしておくのが無難でしょう。

1級管工事施工管理技士の実地試験「工事施工」の過去問から解答法を考察

「直炊き吸収例温水器について、据付における施工上の留意事項、単体試運転調整における確認・調整事項」(空調設備)という問題が出題されています。子の問題では、以下のような解答が想定されます。なお、直炊き吸収冷温水機とは以下のような設備です。

直炊き吸収冷温水機

直炊き吸収冷温水機(1級管工事施工管理技士の実地試験:出典:中国経済産業省より)

この設備関する確認・調整事項は以下のとおりです。

?据付における施工上の留意点
①コンクリート基礎打設後10日間は養生機関とし、機器を据え付けない。
②コンクリート基礎の高さは150mm以上とする。
③基礎への固定は、アンカーボルトでスラブ鉄筋に緊結する
④保守点検のため、周囲には少なくとも1m以上のスペースを確保する
⑤内部に充てんされている不活性ガスは、組み立て直前まで抜かない。
⑥据付完了後、気密度を再確認する
⑦冷温水機に接続する冷水、冷却水の配管荷重が直接本体にかからないようにする
⑧チューブの清掃、点検に支障のない位置に配管には取りはずし用のフランジを設ける
?単体運転調整による確認・調整事項
①温度調節器による流量制御及び自動発停動作を確認する。
②気密試験を行い漏れ量が規定値以下であることを確認する。
③温度、圧力、電流を測定し異常のないことを確認する。
④安全装置、燃焼安全装置の作動確認を行う。
⑤運転時の電圧、電流及び各部の圧力、温度が適正かどうか、試験成績表と照合する。
⑥冷温水機、冷水ポンプ、冷却水ポンプ、冷却塔の運転・停止順序を確認する。

などといった確認方法がありますが、この中からおおよそ4つの項目を1級管工事施工管理技士の実地試験では解答します。細かい数字の間違いや確認事項の重複なども起きてしまわないように数字であったりするので、演習を繰り返す暗記で勉強するほうがいいかもしれません。1級管工事施工管理技士の実地試験の空調設備・衛星設備の工事施工問題では、どの設備がどんな施工上の留意点と確認事項を持っているかをエクセルでまとめておき、解答する際にはそのまとめ表から思い出して解答する合格者さんもいらっさいました。

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1級管工事施工管理技士の実地試験:工程管理

1級管工事施工管理技士の実地試験の工程管理問題では、ネットワーク工程表に関する問題が出題されます。1級管工事施工管理技士の実地試験では、「工程管理」と「法規」の選択となっています。出題範囲が決まっているので工程管理を選択する方が多いようです。1級管工事施工管理技士の実地試験で出題されるネットワーク工程表の問題は、過去問と類似の問題が出題されることが多いので、過去問の勉強は欠かせません。

1級管工事施工管理技士の実地試験「工程管理」の過去問(ネットワーク工程表)

1級管工事施工管理技士の実地試験では、このようなネットワーク工程表を示し、各設問を解答する試験形態となっています。設問はクリティカルパスを求める問題や工期延長の日数、工期短縮のルートと日数の算出問題などの問題です。これらの問題に解答できるようになるにはやはり過去問演習に加えて、独学の場合はyoutubeで解説動画を見て勉強することが有効です。

クリティカルパスというのは、工程を進めていくうえで基も時間がかかり困難な経路のことを指します。1級管工事施工管理技士の実地試験ではクリティカルパスを求める問題が頻出です。例題を見てみましょう。

1級管工事施工管理技士実地試験ネットワーク工程表の例(*図中②→③の線は点線の誤り)

1級管工事施工管理技士実地試験ネットワーク工程表の例(*図中②→③の線は点線の誤り)

上のネットワーク工程表でクリティカルパスを算出するには、まず、最早開始時刻(通称EST)を求めます。

イベント最早開始時刻計算最早開始時刻
---0
①→②0+5=5-5
①→③0+3=33<55
②→③5+0=5
①→④0+12=12-12
③→⑤5+5=1010<1212
④→⑤12+0=12
②→⑥5+14=1919>1819
⑤→⑥12+6=18
④→⑦12+4=1616<1919
⑥→⑦19+0=19
⑥→⑧19+4=2323<2424
⑦→⑧19+5=24

上のネットワーク工程表に最早開始時刻を機銃すると、以下のようなネットワーク工程表になります。

この図の赤い太線が最も長いルートとなります。ですので、クリティカルパスは、C→E→Hとなります。クリティカルパスを求める問題の解答は最初は表を作成し、丁寧に計算していくと解くことができますが、時間がかかってしまいます。慣れてくると、目算でクリティカルパスを算出できるようになるので、演習量が重要です。

1級管工事施工管理技士の実地試験:法規

1級管工事施工管理技士の実地試験の法規は、工程管理との選択問題となっています。1級管工事施工管理技士の実地試験の法規は、法規科目に自信がある方がしばしば選択しているようです。1級管工事施工管理技士の実地試験の法規は、試験内容がほとんど学科試験で問われるような内容となっています。1級管工事施工管理技士の実地試験の法規は、穴埋め問題が多く出題されます。

穴埋めを問題を解くには、安全管理体制、安全衛生体制のそれぞれの法規に関する条文などを暗記しておく必要があります。範囲がそれなりに広いので、勉強量がものをいう試験であるともいえます。

例えば、過去問では以下のような問題が出題されます。

■統括安全衛生責任者を選任した事業者で、建設業を行うものは、厚生労働省令で定める資格を有するもののうちから、□を選任し、その統括安全衛生責任者が統括管理すべき事項のうち、技術的事項を管理させなければならない

この問題の解答は、元方安全衛生管理者です。このような問題を解答するには、労働安全衛生法第15条の2(元方安全衛生管理者)第1項を把握しておく必要があります。同様に、1級管工事施工管理技士の実地試験の法規を解答していくには、出題頻度が高く重要な条文・省令を把握し、要所を整理しておく必要があるでしょう。

1級管工事施工管理技士の実地試験:施工経験記述

1級管工事施工管理技士の実地試験の施工経験記述で出題される内容は、「工事概要」、「施工管理上、重要と考えた事項ととった措置または対策」を指定された解答用紙に指定されたテーマで記述していきます。設問2の「○○管理」では、工程管理か安全管理の問題が出題されます。設問3では、「総合的な試運転調整」「完成に伴う自主検査」「材料・機器の現場受入検査」のいづれかのテーマから解答します。

1級管工事施工管理技士の実地試験:施工経験記述の解答例

1級管工事施工管理技士の実地試験の施工経験記述問題は、とにかくこれまで経験してきた工事を記載すればいいということはなく、注意点があります。その一つは経験内容が、受験資格の実務経験として認められる工事種別・工事内容に合致した工事です。冷暖房設備工事や冷凍冷蔵設備工事。空調調和設備工事、換気設備工事などの管工事が指定されています。

工事概要|1級管工事施工管理技士の実地試験

1級管工事施工管理技士の実地試験の施工経験記述の「工事概要」などでは、扱った工事の固有名詞を含む工事名や工事場所、設備工事概要、現場での立場を注意点に注意しつつ記載していきます。

安全管理|1級管工事施工管理技士の実地試験

1級管工事施工管理技士の実地試験施の施工経験記述の工程管理・安全管理の問題では施工管理上、何を重要と考えて、どのような措置をとったのかを自分の経験を振り返って記述します。うえの施工経験記述は参考書などを基にした解答例ですが、注意するべき事項は記述方法で、読みやすく簡潔、かつ具体的な記述を心がけるほうがいいです。

記述の時に5W1Hにもとづいて記述する、数字や例を用いて記述することなどを心がけて過去問を勉強していると、本番での解答がスムーズにいくでしょう。また、1級管工事施工管理技士の実地試験で、この施工経験記述の問題が最も難易度が高いとされているので、独学の場合は、第3者に添削してもらう必要があるでしょう。

まとめ

以上のように、1級管工事施工管理技士試験の実地試験を「施工図」「工事施工」「工程管理」「法規」「施工経験記述」毎に過去問を例にとり出題内容などについてを紹介してきました。1級管工事施工管理技士試験の実地試験は、いづれも勉強内容の範囲が広く、非常に勉強時間がかかる試験です。それゆえに、計画的に勉強計画を立てて、過去問演習で類似問題の傾向を掴むことが重要といえるでしょう。