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地球にやさしいとされる太陽光発電の推進など、昨今環境にやさしいクリーンエネルギーの推進に政府中心に活発な動きを見せています。この動きをより波及させようと政府はさまざまな取り組みを行っています。そうした中、財界中心に近年注目されつつある「グリーンボンド」は登場しました。今回はグリーンボンドとは何なのか?制度概要や種類、問題点などについてを紹介します。

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グリーンボンドとは?

グリーンボンドとはその名の通りに「グリーン」な「ボンド」ですが、その意味することは「債権」だということです。債権の一種としての用途が、「企業や地方自治体が国内外のグリーンプロジェクトに要する資金調達」のためでるとされています。従来より再生可能エネルギー設備はイニシャルコストがかかることが課題とされることが多かったのですが、この点を克服するための補助制度として期待されています。

グリーンプロジェクトというのはグリーン投資とも呼ばれる、地球温暖化を防止することを目的とした再生可能エネルギー、省エネルギー、環境負荷の少ない交通、生物多様性の保護等に対応する事業のことを指します。つまりは、グリーンボンドはこれらの事業に対する債権となります。グリーンボンドが広まったのは2014年の国際資本市場協会(ICMA)グリーンボンド原則を策定したことから先進諸国を中心世界中に波及していきました。日本でもその波を受け、国内でもグリーンプロジェクトにおいて100億円を調達するような事例も出てています。今、再生可能エネルギー分野ではホットな政策であるといえるでしょう。

グリーンボンド原則

最新盤のグリーンボンド原則は以下の要素で構成されています。

資金使途

もちろんグリーンボンドの原則として投資対象先の事業がグリーンプロジェクトでなければなりません。さらにメッシュを細かく見ると、気候変動緩和策、気候変動適応策、自然環境保全、汚染対策、生物多様性保全の5つの環境目的と分野を明確化しています。

レポーティング

情報開示に係る原則である。発行元は重大な変更等があったさいにこれを開示すしなけれなならないとしている。レポート内容としては、資金充当されたプロジェクトのリスト、充当された資金の効果、エネルギー効率性、再生可能エネルギー、水管理、廃棄物管理に関する内容を報告し、開示することになっている。

外部評価

外部の専門性を有するコンサルタントやアドバイザーに対し、発行体の発光する債権や発行プログラムに対し原則に合致したものか等の子細なレビューを受けることでベストプラクティスを見つけることを目的とする原則。

グリーンボンドの仕組み

グリーンボンドが発行され、地方自治体や企業に投資を行い、外部評価を受けるというシンプルな仕組みになっているが、これらを図示するとやや複雑な仕組みになっています。

環境省作成

通常の債券発行から受け取りの流れとは異なるのは、外部評価団体の存在です。外部評価をうけることによって債券の透明性と期待効果の推定が可能になっています。資金を流す仕組みがグリーンポイントには構築されているといえるでしょう。日本では、大和証券などの証券会社がアレンジャーとしてグリーンボンドビジネスに参画しており、投資家として実際にグリーンボンドに投資する企業や個人投資家も登場しています。

環境改善事業を行う企業はリニューアブルジャパン等の企業が再生可能エネルギーの推進事業を展開していますし、それにこたえるように発行体などのも動いています。

上の引用図のようなグリーンボンドの仕組みは将来において稼働する仕組みではなく、現在も足元で動いている仕組みなのです。

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グリーンボンドのメリット

では、どのようなメリットがあってグリーンボンドは推進されているのでしょうか。

発行・投資のメリット

発行体のメリット

  • 投資家層の多層・多様化・関係強化
    • 環境問題に関心のある投資家の従来まで寄付金等として活用していた資金を市場に流通させることで、環境問題解決に向けたビジネスデベロップメントが可能になるだけでなく、環境問題解決に資する銘柄の評価が高まるという期待がある
  • 社会的支持
    • どの程度の税金による国民負担が発生するかは不透明であるが、投資用途が明確化されており、長期的に環境保全につながりうる仕組みなので、国民からの社会的な支持を得られるという期待がある。

投資家のメリット

  • 債券投資による利益を得る傍ら社会的に意義のある投資が可能
  • 分散投資・オルタナティブ投資によるリスク回避が可能になる。

環境・社会のメリット

  • 温室効果ガス削減等地球温暖化を防止
    • 再生可能エネルギーに投資対象が限定されているため、グリーンボンドが推進していけば事業として再生可能エネルギーを進める企業が増え、結果的に温室効果ガス削減につながる可能性がある。
  • グリーン投資に関する個人の啓発・啓蒙
    • 個人投資家を中心に、グリーン投資への理解が進む可能性。グリーンボンドの知名度こそ現状そこまで高くないが、今後発送電分離が進み各種再生可能エネルギー推進政策が進めば個人投資家の関心の対象になりうる巨大市場の創出にもつながりうる。
  • 社会・経済問題の解決への貢献
    • 従来まで、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー設備のイニシャルコストは非常に高額であり、参入の際の障壁になることが多かった。しかし、グリーンポが促進されれば、この点を解決できる可能性がある。

グリーンボンドのデメリット

グリーンボンドはまだまだその概念が提唱されてから日が浅いです。それゆえに様々なデメリット・課題を内包しているといえますし、すでにいくつかのデメリット・課題がグリーンボンド実働により発見されています。その一部を紹介します。

デメリットその①何をもってグリーンとするか?

これにかんしては多くの関係者がすでに指摘している点であり、それはグリーンボンドのグリーンの統一的定義・基準とは何かという点です。グリーンボンドの原則で紹介した使用用途の原則に該当するような事業であることが求められそうですが、そのままの概念だとあまりにも広い定義になってしまいます。

それゆえに「グリーン性」に疑問がつくような幅広い債券が発行される可能性さえある。そのような事例として中国では石炭火力を使用する石炭火力発電所をグリーンボンドの対象としている事例があります。このことはグリーンボンドの目指すところと乖離しているのではとの批判も発生しているようです。

やはりこうした問題を解決するには統一的なグリーン性の定義が必要であり、認識の統一を国際的な枠組みで構築する必要があるでしょう。

デメリットその②グリーン・デフォルトという問題

グリーンボンドは先ほどの原則に従う必要がありますが、その原則の中にレポーティングがあります。レポーティングに関してグリーンボンド発行者がグリーンに関する約束を破る可能性もありますし、そのような事例も報告されているようです。このことをグリーン・デフォルト(債務不履行)といいますが、そのようなことが起きた際に、なんら法的救済も与えられない可能性さえあるのです。つまりは、取引の信頼性のリスクが内包されていることがデメリット・課題とされているのです。

こうした問題に対し、法整備をすることで解決せよということは簡単ですが、取引コストが増大させ、プロセスの複雑化、参入障壁といったリスクも出てきます。効率性と規制の折り合いをつける必要はあるでしょう。

まとめ

グリーンボンドは昨今導入事例も出てきたりと動き出している仕組みです。そのメリット、デメリット・課題双方にそれぞれ今後出てくる可能性があります。再生可能エネルギーの導入と普及がより一層促進するためにはこうした市場取引の仕組みは必要不可欠ですが、今後どのようにしてデメリット・課題を解決していくかに注目です。

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