電気工事の施工方法にはいくつか種類があります。例えばがいし引き工事や金属管工事、同じダクト工事でいえば金属ダクト工事などがあります。今回の記事では電気工事の一種である「バスダクト工事」についてを紹介します。バスダクト工事とはどんな工事なのか?その施設場所、接地工事について等を紹介します。

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バスダクト工事とは?

バスダクト工事とは導体を絶縁で固定する大電流に向いた工事方法

バスダクト工事とは英語でいうと、「bus duct」となります。バスダクトのバスはお風呂のbathではなく、bus「~をバスで運ぶ」で、「幹線、母線」のことを指します。バスダクト工事とは、金属製のダクトの中に銅帯やアルミ帯の導体を絶縁物で固定するような工事方法です。

バスダクトは電力用の幹線部材の一種で、比較的大電流の幹線として使用することが多いです。4,000A~6,000Aの大電流を流せる特徴から工場などでの採用が多く、電力・通信インフラを基盤とした高付加価値のインテリジェント・ビルディングなどでも採用されることがある工事方法です。

バスダクト工事には大まかに三種類ある

そんなバスダクト工事には3種類あり、「フィーダバスダクト」、「プラグインバスダクト」、「トロリーバスダクト」といったものがあります。

フィーダバスダクトはプラグ受口がないバスダクトで、接続用のボトルナットを接続部に備えており、標準規格で長さが3m、導体の全体に絶縁被覆を備えたバスダクトになります。幹線で使用します。

プラグインバスダクトはプラグ受口を設けて、バスダクトから分岐できるのがプラグインバスダクトです、

トロリーバスダクトとはバスダクトの下部を開放したもので、走行できる絶縁トロリーを導入するものをトロリーバスダクトといいます、

バスダクト工事の施設場所

バスダクト工事は、屋内における乾燥した露出場所、点検できる隠ぺいした場所に施設することが可能です。

屋外、特にダクト内部に水が浸水し溜まるおそれのないような構造のものの場合で、かつ、使用電圧が300V以下で、露出場所または点検できる隠ぺい場所の場合に限っては屋側・屋外に施設することが可能になっています。

バスダクト工事で施設できる場所は以下のようになります。

展開した場所点検できる隠ぺい場所点検できない隠ぺい場所
乾燥その他乾燥その他乾燥その他
600V以下300V以下600V以下

バスダクト工事では点検できない隠ぺい場所では工事することができないのでその点に注意が必要でしょう。

バスダクト工事の施工方法

バスダクト工事の支持点間距離

バスダクト工事の支持点間距離は、水平に施設する場合では3m以下、取扱者以外の者が出入りできないような場所で垂直に取り付けを行う場合においては6m以下とすることが定められています。この点は金属ダクト工事と同じ支持点間距離となっています。このことは電気設備技術基準によって規制されています。

バスダクト工事における接地工事

電気工事には接地工事を施す必要がある工事方法があります。接地工事を省略できる場合もありますが、バスダクト工事でも接地工事は必要になります。

使用電圧が300V以下の場合、または300Vを超える場合であったとしても、人が触れる恐れがないような場所で施設するときにおいてはD種接地工事を施します。

使用電圧が300Vを超えるような場合、C種接地工事を施します。C種、D種接地工事がどのような工事かというと、以下のような工事になります。

工事種類工事概要
A種工事(第1種)高圧・特別高圧機器の金属製外箱等
B種工事(第2種)高圧・特別高圧電路と低圧電路を結ぶ変圧器の低圧側端子
C種工事(第3種)300Vを超える低圧機器の金属製外箱等
D種工事(特別第3種)300V以下の低圧機器の金属製外箱等、計器用変成器の二次側電路

バスダクト工事の接地工事は、金属ダクト工事と同様の接地工事の規定になります。

まとめ

以上、電気工事の施工方法の中でもバスダクト工事についてを紹介しました。バスダクト工事に関する問題は電気工事士の試験で頻出というわけではなく、選択肢の中の択としてでることがあります。バスダクト工事がどのような工事で、どんな場所に施設可能なのか、接地工事の規定についてを覚えておきましょう。

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