現代社会はネットワーク社会ともいえるほどに高度に通信技術が発展し、いたるところに通信ネットワークが張り巡らされています。したがって、ネットワーク社会を維持するのに必要な電気通信主任技術者の需要が高まっているのです。

また、電気通信主任技術者は人手不足の背景もあり、高年収を目指すことも可能なと言えます。

この記事では、電気通信主任技術者の平均年収や仕事内容、メリットについて解説するので参考にしてみてください。

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電気通信主任技術者の平均年収

電気通信主任技術者を対象とした求人情報49件から、年収の下限値と上限値、平均値を調査したものが下記の表になります。(2022年7月現在)

年収の上限値
463万円
年収の平均値
361万円
年収の下限値
259万円

電気通信主任技術者を対象にした求人情報から年収の平均値をとると、電気通信主任技術者の年収は361万円となりました。年収の下限値の平均値は259万円となり、年収の上限値の平均値は463万円となりました。

電気通信主任技術者を対象にした求人数はあまり多くありませんが、年収としてはそこまで低くはないようです。電気通信主任技術者の求人の中でも、元請となる求人の年収は高いことが想定され、下請けとなる求人の年収は元請ほど多くはない可能性もあります。

電気通信主任技術者の需要と将来性!役に立たない?

実際に電気通信主任技術者の需要はあるのでしょうか。

電気通信主任技術者を対象とする求人は、他の電気系の資格と比較してそこまで多くはありません。

電気通信主任技術者は、弱電系の資格の中では工事担当者の資格などと比較して難易度が高い資格で、事業場に選任義務があるがゆえに年収は高く思われる傾向があります。

ただ実情では、すでに選任している場合があったり、1都道府県に一人いれば他のすべての事業所で兼任することがあったりすることも多く、電気通信主任技術者の年収はそこまで高くはないようです。

一方、AIを使ったネットワーク作りやロボット化によるシステムが加速しているため、求人は以前より増えており、需要は増加傾向にあります。

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電気通信主任技術者の仕事内容!電気主任技術者との違いも解説

電気通信主任技術者は、どのような仕事内容なのか気になる人も多いでしょう。

電気通信主任技術者の仕事内容を、下記の2つに分けて解説します。

  • 仕事と役割は電気通信設備の工事・維持・運用の責任者
  • 電気通信主任技術者と電気主任技術者の違い

それでは、電気通信主任技術者の仕事内容を詳しく解説するので、参考にしてください。

仕事と役割は電気通信設備の工事・維持・運用の責任者

電気通信主任技術者は、まさに電気通信ネットワークの工事や維持・運用を担う監督責任者としての役割があります。電気通信主任技術者は国家資格で、試験に合格するなどしてでしかなることができない業務独占的な資格なのです。

電気通信主任技術者は電気通信事業法の規定下にあり、電気通信主任技術者試験を実施する一般財団法人「日本データ通信協会」によると、以下のような役割をもっています。

電気通信事業者は、その事業用電気通信設備を、総務省令で定める技術基準に適合するよう、自主的に維持するために、電気通信主任技術者を選任し、電気通信設備の工事、維持及び運用の監督にあたらなければなりません。電気通信主任技術者の選任は、原則として、事業用電気通信設備を直接に管理する事業場ごととなります。

電気通信事業者の設置する事業用電気通信設備の維持・運用のために電気通信主任技術者を選任する必要があるのです。このような選任義務があるからこそ、電気通信主任技術者の市場での一定の需要は存在しているといえます。電気通信主任技術者の資格をどのような人が受験するのかといえば、NEC、NTTの人や電話会社の人であることが多いようです。

電気通信主任技術者と電気主任技術者の違い

電気通信主任技術者と電気主任技術者は、名前が似ているのでどこが違うのかわからない人もいるのではないでしょうか。

電気通信主任技術者と電気主任技術者は、下記の表で比較してみると違いがわかりやすいです。

電気通信主任技術者
電気主任技術者
無線LANシステムや高速通信などの通信設備を工事したり運用したりする仕事 ビルや病院、工場、ホテルなどの電気設備に関する工事したり運用したりする仕事

電気通信主任技術者は無線LANや高速通信などの設備を管理します。

一方、電気主任技術者はビルや病院、工場、ホテルなどの電気設備を管理するので、明確な違いがわかるでしょう。

電気通信主任技術者のメリット3つ

ここでは、電気通信主任技術者のメリットを紹介します。

電気通信主任技術者の資格を取得しようか悩んでいる人は、下記の3つのメリットを確認しましょう。

  • 技術力を証明できる
  • 資格手当や給料アップを期待できる
  • 転職や就職に有利になる

技術力を証明できる

電気通信主任技術者の資格を取得すると、技術力の証明になります。

電気通信主任技術者には「伝送交換主任技術者」と「線路主任技術者」の資格があり、両方とも難易度が高いため合格するのは難しいです。

伝送交換主任技術者の資格を取得すれば、伝送や無線のプロとして活動できます。

なお、線路主任技術者の資格を取得すれば、通信システムの通信線路や通信土木のプロとして活動できるため、どちらの資格を取得しても技術力を証明できるでしょう。

資格手当や給料アップを期待できる

電気通信主任技術者の資格を取得する2つ目のメリットは、資格手当や給料アップを期待できることです。

資格手当の支給額は、資格の種類や会社にもよりますが、5,000〜30,000円程度の資格手当が貰えます。

入社後に資格を取得しても資格手当を貰える可能性があるので、今から電気通信主任技術者の資格を取得して年収UPを目指すのもよいでしょう。

転職や就職に有利になる

電気通信主任技術者の資格は、転職や就職の際に有利になります。

電気通信主任技術者としての技術力を証明できる資格で、電気通信に関連する職種・業種では重宝されるでしょう。

建設工事拡大によって電気工事の需要が増え続け、電気通信主任技術者を募集している会社も増えています。

また、少子高齢化によって人手不足が進んでいるため、これからも求人の数は増えると言えるでしょう。

電気通信主任技術者の難易度

電気通信主任技術者の難易度がどれくらいなのか気になる人も多いでしょう。

電気通信主任技術者の難易度は、下記の直近の試験合格率を見ると分かりやすいです。

申込者数
合格者数
合格率
令和2年度第2回
4,072人 1,175人 28.9%
令和3年度第1回
3,298人 1,678人 50.9%
令和3年度第2回
2,989人 1,085人 36.3%
(電気通信主任技術者試験統計情報:一般社団法人 日本データ通信協会)

毎年合格率はバラつきますが、10人のうち3人程度しか合格者がでないレベルです。

電気通信主任技術者の難易度は高めで、しっかりと勉強しなければ合格できないと言えるでしょう。

また、電気通信主任技術者の試験は、受験科目を免除してもらえる人もいるので、自分が対象かどうかサイトから確認してください。

受験科目免除の情報:一般社団法人 日本データ通信協会

電気通信主任技術者の勉強方法や合格に必要な勉強時間

電気通信主任技術者の資格を取得するには、効率的な勉強方法と必要な勉強時間があります。

電気通信主任技術者の勉強方法は、ほかの資格と同じく過去問を解くのが一番効率的です。

参考書は1冊だけ用意し、全体を読みこむようにしましょう。

また、出題範囲が毎年大きく変わるので、幅広い範囲を勉強する必要があります。

最近は、アプリで勉強することもできるので、自宅にいるときは過去問を解き、外出中はアプリで勉強するとよいでしょう。

合格に必要な勉強時間は、200〜300時間程度です。

最低でも試験日の3ヶ月くらい前から平日に2時間以上、土日は4時間以上勉強する必要があります。

試験日までの日数から逆算して効率的に毎日勉強すれば合格するでしょう。

まとめ

電気通信主任技術者は、無線LANシステムや高速通信などの通信設備を工事したり運用したりする仕事です。

平均年収は361万円のため、全国の平均年収と比較すると少し低いですが、年収500万円以上も目指せます。

また、電気通信主任技術者の資格を取得するメリットは、下記の3つです。

  • 技術力を証明できる
  • 資格手当や給料アップを期待できる
  • 転職や就職に有利になる

合格率は厳しいもののしっかりと勉強すれば合格できる資格なので、電気通信主任技術者として活躍したい人は取得するべき資格と言えるでしょう。