建設業界では有名であり、需要も高い資格、その1つが『建築士』です。
では、実際に年収はどれくらいなのでしょうか?
また、建築士として年収をあげるにはどうすれば良いのでしょうか?
建築士の資格を取得したあとは、どのような職につくことができるのでしょうか?
今回はこのような疑問について、徹底解剖します。

一級建築士の平均年収の推移
では、まず一級建築士の年収から見てみましょう。
一級建築士における10年間の年収の推移は上のグラフとなっています。
10年間の年収の平均は、632万円です。
グラフを見てわかる通り、平均年収は右肩上がりです。
特にここ2年間は平均年収が700万円代で推移しています。
それだけ、一級建築士の需要が増加しているということです。
次に年齢における一級建築士の年収を見てみましょう。
一級建築士における年齢ごとの年収の推移は上のグラフとなっています。
30歳から34歳で年収が一気に800万円近くまで上がり、その後は59歳までは750万〜850万円の間を推移しています。
定年後も日本の全国平均年収を超えていますので、非常に高収入であることがわかります。
ちなみに2019年における男性と女性の平均年収は
男性が718万円、女性が607万円と100万円以上の差があります。
しかし、2013年度における一級建築士の女性の平均年収が460万円程度であったことを考えると、実に30%以上の伸び率です。今後も建設業界での女性の活躍がより高まる傾向にあるといえるでしょう。
令和2年の9月に発表された国税庁の民間給与実態調査によると、日本人の平均年収は436万円です。
2019年の一級建築士の平均年収は703万円であるため、非常に高収入を得ることができる資格といえるでしょう。
二級建築士の平均年収
一級建築士の年収が高いとはいえ難易度が高い資格であるため、なかなか取得することは難しいです。
そのため、まずは二級建築士の資格を取得することをオススメします。
では、実際に二級建築士の年収はどれくらいなのでしょうか。
今回は、建職バンクの求人情報を元に年収の方を算出しました。
提示年収における下限の平均年収は368万円、上限の平均年収は652万円であることがわかりました。
つまり、経験などにもよりますが、転職時の平均年収は300万〜700万円のあたりを推移していることになります。
一級建築士の資格には及びませんが、最大で年収940万円提示している企業もあるため、非常に年収の高い資格であることがわかります。
企業規模と年収の関係
では、実際に企業規模ごとの年収はどうなっているのでしょうか?
今回は一級建築士の年収を参考に算出しました。
一級建築士における会社規模ごとの年収は上のグラフとなっています。
規模が大きい会社であればあるほど、平均年収が高い傾向にあることがわかります。
特に1000人以上の会社規模の平均年収は900万円と非常に高いです。
一方で小規模の会社の平均年収は577万円と、場合によっては二級建築士の平均年収よりも低い可能性があります。
つまり、会社の規模によって平均年収は明確に分かれるということがわかります。
建築士の業務内容
ここまでは建築士の年収について書いてきました。
では、次に建築士の業務内容について、そして一級と二級で何が異なるのかを書きます。
1 建築士の業務内容
建築士の業務内容は大きく2つに分けることができます。それは
『設計』と『工事監理』です。
1 設計
『設計』とは、図面作成のことを指します。
お客様の要望をヒアリングし、どのような建物を建てて欲しいのか、予算はどれくらいなのか、法規制を十分チェックします。
イメージが固まった後、次にCADなどを用いながら図面作成を行います。
その際には、建築物を使う人が安心、安全に利用できるよう細心の注意を払いながら、図面を作成します。
図面を作成する際は、建築物だけでなく、周囲の環境にも気を使う必要があります。
2 工事監理
設計が完了した後は、いよいよ建築物を建てます。
その際に行うことが、『工事監理』の仕事です。
現場監督や職人の方と共にコミュニケーションを取りながら、作業を行います。
その際に作成した図面の通りに工事が行われているかどうかの確認を行います。
工事の進捗状況をチェックや不具合の修正などが主な仕事内容です。
2 一級建築士と二級建築士の業務内容の違い
一級建築士と二級建築士の最も大きな違いは、扱うことのできる建物の規模です。
二級建築士では小規模な建物に限られる一方で一級建築士は扱う規模に制限がありません。
設計のスペシャリストを目指すのであれば、一級建築士を目指すことをオススメします。
建築士の年収を上げる方法
では、建築士として年収を上げるにはどうすればよいのでしょうか?
1 一級建築士の資格を取得する
まず、1つ目は一級建築士の資格を取得することです。
年収で考えると
資格なし<二級建築士<一級建築士
となります。
なので、なるべく早めに一級建築士の資格を取得することをオススメします。
目安としては30代前半です。
30代になると、一級建築士の資格取得者の年収は一気に上がります。
そのため、早いうちに取得することをオススメします。
2 規模の大きい会社に就職をする
2つ目は、規模の大きい建築会社(大手ゼネコンなど)に就職することです。
規模の大きい大手の建築会社の方が比較的に安定しており、年収が高く、教育制度がしっかりしています。
また福利厚生もしっかりしており、ワークライフバランスも充実しているため、建築士の資格を取得する勉強時間や仕事内のスキルの勉強、また休日の時間を確保することができます。
一方で建築業界の中小企業やベンチャー企業の場合は、裁量権が大きかったり仕事を任せてもらえる幅が広かったりと、メリットもたくさんあります。
しかし、一方で残業時間が長く教育制度も大手に比べて整っていないことが多いため、最初の就職先としてはオススメできません。
まず最初は大規模な建築会社に入社し、その後
「もっと自分で多くの仕事をやりたい」
「挑戦の幅を広げたい」
と思ってから、建築業界の中小企業やベンチャー企業に転職することをオススメします。
3 転職を行い、多くの企業で多様なスキルを身につけ、多くの経験を積む
もし、今いる建築会社で
「異なるスキルを身につけたい」
「もっと多くの経験を積みたい」
「新たな環境で挑戦したい」
「年収をあげたい」
もし、このような考え方に至った場合は転職を考えることをオススメします。
転職をすることで年収が上がった人、新たなスキルを身につけることができた人、年収は変わらなかったがやりがいをより一層感じることができた人など、多くの事例があります。
なので、上記のような考えに至った人は、是非一度転職を考えてみることをオススメします。
4 独立する
最後に年収を上げる手段としては、今まで培ってきた自身のスキルと、長年構築してきたコネクションを利用して、独立することです。
独立することはもちろんリスクはありますが、成功することができれば、年収を大幅に上げることも可能です。
独立して建築設計事務所を持つ際には、事務所の誰か1人が『管理建築士』をもつ必要があります。
もし独立すると決めた場合は、しっかりと準備しましょう。
年収を上げる方法を順に4つ書きましたが、もちろん全て行う必要はありません。
しっかりと今の自分ができる方法、手段の参考になれば幸いです。
建築士の求人情報まとめ
では、実際に建築士の求人はどのようなものがあるのでしょうか。
いくつかピックアップしましたので、こちらをご覧ください。
1 株式会社アーキテクト・K
会社名 | 株式会社アーキテクト・K |
年収 | 300〜400万円 |
仕事内容 | オフィス・商業施設を中心とした、内装設計および施工管理業務 |
就業時間 | 9:00-18:00(休憩60分) |
資格・経験 | 【必須資格】 普通自動車運転免許(AT限定可) 【歓迎経験】 CADでの図面作成経験 無資格未経験も歓迎 |
休日 | 土日祝休み |
賞与 | 年2回 |
社会保険 | 完備 |
福利厚生 | 諸手当充実、直行直帰可能 資格取得支援、結婚祝い金 など |
1つ目は、株式会社アーキテクト・Kの求人情報です。
無資格未経験の方も歓迎の求人をご紹介します。
年収は300~400万と平均的な水準で、経験を積みたい方におすすめな企業様です。
福利厚生や手当も充実しており、安心して働ける環境になってます。
2 株式会社金子設計
会社名 | 株式会社金子設計 |
年収 | 350〜700万円 |
仕事内容 | 建築設備の設計および工事監理全般 設計アシスタントの場合は、図面作成、各種計算業務、その他設計補助 |
就業時間 | 8:00~19:00(休憩60分) |
残業 | 月10時間程度 |
休日 | 完全週休2日制 |
資格 | 【必須資格】 普通自動車運転免許 【歓迎資格】 一級建築士 建築設備士 その他建築関連資格をお持ちの方 |
賞与 | 年2回 |
社会保険 | 完備 |
福利厚生 | 資格取得支援、諸手当も充実 リモート可&フレックスタイム制 など |
2つ目は、株式会社金子設計です。
埼玉にある企業で、年収700万も目指せます。
福利厚生も充実しており安定した求人の1つです。
リモート勤務やフレックスタイム制、マイカー通勤可など、かなり柔軟に働けるのもこの求人のおすすめポイントになります。
3 株式会社潮設備コンサルタント
会社名 | 株式会社潮設備コンサルタント |
年収 | 500〜800万円 |
仕事内容 | ①基本設計業務 ②実施設計業務 ③設計監理業務 |
就業時間 | フレックスタイム制(休憩60分) |
残業 | 月間平均10~20時間 |
資格 | 【歓迎資格】 建築設備士 |
休日 | 年間休日123日(土日祝休み) |
賞与 | 年1回 |
社会保険 | 完備 |
福利厚生 | 諸手当充実 結婚・出産祝い金 など |
3つ目は、株式会社潮設備コンサルタントの求人情報です。
大阪にある企業で、年間休日123日でフレックスタイム制を採用しているため柔軟な働き方ができます。
年収も500〜800万円と高収入で、必須資格もないため是非詳細をご確認いただきたいおすすめの求人になります。
まとめ
今回は建築士の年収について、解説しました。
確かに建築士の資格は難易度の高く、取得が困難です。
しかし取得することができれば、年収を大幅に上げることが可能です。
また建築士は、勤める企業の規模や場所、自身のスキルによって年収は大きく異なります。
大きなプロジェクトを積極的に行い、自身のキャリアアップをはかりましょう!
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