「第一種電気工事士の筆記試験は、どれくらい難しいのだろう?」 「第二種とは試験内容や範囲がどう違うのか知りたい」「筆記免除の条件は?」

電気設備のプロフェッショナルとして、工場やビルなどの大規模な現場で活躍できる「第一種電気工事士」。第二種電気工事士からのステップアップとして、あるいは電気業界でのキャリアを本格的にスタートさせるために、多くの方が目指す資格です。

しかし、扱う電圧が高圧になる分、求められる知識はより専門的になります。漠然と勉強を始める前に、試験の全体像や適切な対策を知っておくことが重要です。

この記事では、第一種電気工事士の筆記試験(学科試験)の概要や難易度はもちろん、意外と知られていない「学科試験免除」の条件、そして初心者でも着実に合格力を身につけるための勉強法を網羅的に解説します。

これから受験を考えている方は、まずは「自分が免除対象か」を確認し、最適なスタートダッシュを切りましょう。

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筆記試験の概要と合格基準

まずは試験の基本情報を整理しましょう。第一種電気工事士試験は、電気技術者としての専門性を問われる国家試験です。

試験日程と方式(CBT方式・筆記方式)

第一種電気工事士試験は、現在年2回(上期・下期)実施されています。受験機会が増えたことで、学習計画が立てやすくなりました。

また、試験方式には従来の「筆記方式(マークシート)」に加え、「CBT方式」が導入されています。

CBT方式とは、テストセンターのパソコンを使用して受験する形式です。所定の期間内であれば、都合の良い日時・会場を選んで受験できるため、学業や仕事で忙しい方でもスケジュール調整がしやすくなっています。

試験内容と出題範囲

筆記試験は「四肢択一式」で、全50問が出題されます。 出題範囲は、第二種電気工事士の基礎知識に加え、第一種特有の「高圧受電設備」や「送配電設備」などが加わります。

・一般問題(各2点)
電気理論、配電理論、電気機器、検査方法など

・配線図問題(各2点)
高圧受電設備の結線図、図記号の識別など

・鑑別問題(各2点)
機器や工具の写真を見て名称や用途を答える

特に「高圧」に関する知識は、ビルや工場の電気設備を扱う上で必須となるため、重点的に問われます。

合格基準は「60点以上」

第一種電気工事士筆記試験の合格ラインは、原則として「100点満点中60点以上」です。 50問中30問正解すれば合格となります。満点を取る必要はありませんが、基礎的な問題を落とさない確実な知識が求められます。

学科試験の免除条件

勉強を始める前に、必ず確認していただきたいのがこの項目です。 以下の条件に当てはまる場合、申請を行うことで学科試験が免除され、技能試験からスタートできます

1. 前回または前々回の学科試験に合格している場合

最も一般的なケースです。 「前年度の学科試験に合格したが、技能試験で不合格(または欠席)だった」場合、次々回までの試験に限り学科試験が免除されます。

2. 特定の資格を保有している場合

すでに上位または関連する資格を持っている場合も免除対象となります。

・電気主任技術者
第一種、第二種又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けている者

・電気事業主任技術者
旧電気事業主任技術者資格検定規則による電気事業主任技術者の資格を有する者

資格による免除を申請する場合、証明書類が必要になります。
また、第一種電気工事士試験は学校卒業による学科試験の免除はないので注意してください。

免除対象や証明書類の詳細は、以下の公式ページをご確認ください。

一般財団法人電気技術者試験センター「第一種電気工事士試験について

【難易度比較】第一種と第二種電気工事士の違い

「第二種を持っているけれど、第一種はいきなり難しくなる?」と不安に感じる方も多いでしょう。実際のデータと学習内容の違いを見てみましょう。

合格率から見る難易度

年度平均合格率
2025年度(令和7年)57.4%
2024年度(令和6年)56.7%
2023年度(令和5年)61.6%
2022年度(令和4年)58.2%
平均58.4%

出典:一般財団法人電気技術者試験センター「第一種電気工事士試験の試験結果と推移」

近年の第一種電気工事士の筆記試験の合格率は、60%前後で推移しています。数字だけ見れば第二種電気工事士と同程度ですが、これには理由があります。第一種の受験者は、すでに第二種を取得している実務経験者や、工業高校・専門学校で電気を専攻している学生が多く、受験者層のレベルが高いのです。

そのため、実際の試験問題の難易度は、第二種よりも確実に高くなっています。

第二種との最大の違いは「高圧」と「理論」

第二種が「一般用電気工作物(住宅など)」を対象とするのに対し、第一種は「自家用電気工作物(ビル・工場など)」が対象です。そのため、以下のような違いがあります。

1. 高圧受電設備の理解が必要
キュービクル(受変電設備)内の機器(遮断器、変圧器など)の役割や結線図を理解する必要があります。

2. 理論問題の深さ
オームの法則だけでなく、より複雑な交流回路やベクトル計算などが求められます。

未経験からでも確実に受かる!王道の勉強法

第一種電気工事士は専門性が高い試験ですが、正しい手順で学習すれば、実務未経験の方や文系の方でも十分に合格可能です。ここでは王道の学習ステップを紹介します。

ステップ1:基礎理論と計算問題の理解

まずはテキストを使い、電気の基礎理論をしっかり理解しましょう。

「計算問題が苦手」という方も多いですが、最初から諦めるのは推奨しません。合成抵抗の計算やオームの法則など、公式さえ覚えれば解ける基本的な問題も多く出題されます。これらを確実に得点源にすることで、合格の安定感が増します。

ステップ2:高圧受電設備・鑑別問題を重点対策

第一種の肝となるのが「高圧受電設備」です。

・鑑別問題:写真を見て、その機器の名称と役割(何をする機械か)をセットで覚える。
・結線図:どの機器がどこに配置され、どう繋がっているかのパターンを理解する。

これらは暗記要素が強いため、時間をかければかけた分だけ点数に繋がります。テキストの図や写真を繰り返し見て、視覚的に覚えるのがコツです。

ステップ3:過去問を反復して出題傾向を掴む

基礎が固まったら、過去問題集(過去問)に取り組みましょう。 電気工事士試験は、過去に出題された問題と類似した問題が繰り返し出題される傾向があります。

・最低でも過去5年分の問題を解く。
・間違えた問題は解説を読み込み、なぜ間違えたかを理解する。
・正解率が8割を超えるまで繰り返す。

過去問演習は、自分の苦手分野を洗い出し、本番の時間配分に慣れるためにも不可欠です。

第一種電気工事士を取得するメリットとキャリア

苦労して一種を取得した後には、どのようなキャリアが待っているのでしょうか。

業務範囲の拡大

第一種電気工事士の最大のメリットは、業務範囲が大幅に広がることです。 最大電力500kW未満の工場、ビル、商業施設などの電気工事に従事できるようになります。これらは工事規模が大きく、より社会インフラに近い重要な仕事に携わることができます。

年収アップとキャリアの安定

対応できる現場が増えることは、市場価値の向上に直結します。 多くの企業で資格手当の対象となるほか、経験を積めば現場代理人や施工管理技士へのキャリアアップも視野に入ります。電気設備はいつの時代もなくならないため、第一種を持っていれば、景気に左右されにくい安定したキャリアを築くことができるでしょう。

資格手当については、一般的に電工一種保有者の年収は電工二種保有者と比較して数十万円〜100万円程度高いケースも多く、企業によっては月々の資格手当だけで年間10〜20万円の差がつくこともあります。

現場代理人や独立へのステップアップ

一種の取得は、技術者としての信頼性を証明するパスポートです。 現場を指揮する「職長」や「現場代理人」への昇進には、一種の保有が条件となることが多くあります。また、将来的に電気工事業で独立・開業を目指す際にも、社会的信用を得るために必須の資格と言えるでしょう。

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第一種電気工事士 筆記試験に関するよくある質問

Q. 独学での勉強時間はどれくらい必要ですか?

現在の知識レベルによりますが、100時間〜150時間程度が一般的な目安とされています。 1日1〜2時間の学習を3ヶ月程度続けるイメージです。第二種合格直後で基礎知識が残っている場合は、より短い期間で合格できることもあります。

Q. 実務経験がなくても受験できますか?

はい、受験自体に制限はありません。実務経験がなくても受験し、合格することが可能です。 ただし、合格後に免状(資格者証)の交付を受けるには、原則として3年以上の実務経験が必要となります。まずは試験に合格しておき、その後実務経験を積んでから申請するという流れが一般的です。

第一種電気工事士の免状取得については以下の記事で詳しく解説しています。

第一種電気工事士の免状取得に必要な実務経験ってなに?法改正後の必要年数や証明書の書き方を解説

Q. 第二種を持っていなくても第一種を受けられますか?

はい、可能です。いきなり第一種を受験することもできます。 ただし、基礎知識がない状態で第一種の勉強を始めるとハードルが高いため、まずは第二種からステップアップすることをおすすめするケースが多いです。

まとめ

第一種電気工事士の筆記試験は、広範な知識と理解が求められる試験です。しかし、満点を取る必要はなく、60点という合格ラインを目指して「基礎の理解」と「過去問演習」を積み重ねれば、誰でも合格への切符を掴むことができます。

・まずは自分が「筆記免除」の対象か確認する
・免除でない場合は、基礎理論と高圧受電設備を重点的に学ぶ
・過去問5年分を繰り返し解き、パターンを覚える

この資格は、あなたの電気工事士としてのキャリアを確実に飛躍させます。まずは参考書を一冊開き、今日から1問でも多く問題を解いてみましょう。そして、合格の先にある「より良い待遇」「やりがいのある仕事」を探す際は、私たち建職バンクが全力でサポートいたします。

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