土木施工管理技士の仕事内容
土木施工管理技士は、日本の施工管理技士国家資格のうちの1つで、私たちの生活に欠かすことのできないライフラインを整備する仕事です。
例えば、河川、道路、橋梁、港湾、鉄道、上下水道などの土木工事において、施工計画を作成し、作業工程の管理、安全や品質のコストの管理する仕事を行います。
土木工事の現場には、土木施工管理技士が主任技術者や監理技術者として従事することが、法律で定められているため、建設業において、ニーズのある資格になります。
最近では、東日本大震災以降の、自然災害による復興工事や、東京オリンピックのため需要が急激に高まっています。
土木施工管理技士の年収
建職バンクの求人を調べたところ、2級土木施工管理技士の平均年収は、498万円、1級土木施工管理技士の平均年収は、517万円という結果が出ました。
こうして見ると、1級と2級で平均年収の差は、19万円とあまり差がないように見えます。
しかし、年収700万円を目指せる求人に絞って求人を調べると、2級土木施工管理技士は178件、1級土木施工管理技士の求人は255件になりました。
さらに、1,000万円以上の年収で調べたところ、2級土木施工管理技士は11件、1級土木施工管理技士は23件という結果になりました。
1級の方が、高収入を目指せる確率が大きいと言えます。
他の施工管理の年収と比べると、施工管理士全体の平均年収が約450万円と言われているので、土木施工管理技士の平均年収はかなり良いと言えます。
理由としては、やはり震災や天災の影響による復興需要と、東京オリンピック開催に向けたオリンピック需要があげられます。
年収を上げる方法(1級取得・転職)
平均年収が高い土木施工管理技士ですが、さらなる年収アップのために何をすればいいのか疑問に思う人もたくさんいると思います。
そこでここでは、年収アップを狙う方法を紹介していきます。
3-1 1級土木施工管理技士の取得を目指す
いま2級土木施工管理技士として、活躍されている方は1級土木施工管理技士を目指すのがオススメです。
なぜ、年収もあまり変わらないのに1級取得をオススメするのかを、理解していただくためにまず、1級と2級の違いから説明します。
まず、2級土木施工管理技士は、建設業法のなかで、全ての工事現場に必ず置かなくてはならないと規定されている「主任技術者」の役割を担うことができます。
2級土木施工管理技士の試験は、「土木」「薬液注入」「構造物塗装」の3つの分野に分かれています。
各分野において試験に合格した人がその分野において「主任技術者」として施工管理を行うことができます。
次に、1級土木施工管理技士は「監理技術者」になることができます。
国土交通省から、工事を施工するために締結した請負金額の合計が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)となる場合には、元請け業者は主任技術者に代えて、「監理技術者」を置かなければならないとされています。
つまり、2級では請け負うことのできない工事も、1級では制限なく行うことができます。
さらに1級土木施工管理の試験は、分野ごとに分けられておらず、取得すると全ての土木施工管理の現場において、分野や金額に関わらず、「監理技術者」と「主任技術者」の両方を請け負うことができます。
先ほども説明した通り、建職バンクの年収800万円と年収1,000万円の求人を見ると、1級施工管理技士の募集数は、2級施工管理技士の2倍近くの数になります。
つまり、1級取得によって高収入の求人へのチャンスが大きく増えます。
ぜひ、すでに2級土木施工管理技士を取得している方は1級取得を目指しましょう!
3-2 転職する
自分が培ってきた経験を生かして、より良い条件の会社へ転職することも年収アップの方法の1つです。
土木施工管理技士の求人の中でも、年収の上限の幅はそれぞれです。
今までの経験を活かして、新たな職場では上の立場をあたえられ、責任感も感じながらそれに見合った給与をいただくことも、現職と同じ仕事内容でも、より高い給与が見込める求人があれば、転職するのも年収アップの方法の1つになります。
試験概要(受験資格、内容、合格率)
年収アップを目指す方法として、1級土木施工管理技士の取得をあげました。
そこで、これから、土木施工管理技士として頑張りたいという人にも向けて、「2級土木施工管理技士」と「1級土木施工管理技士」の試験概要を紹介します。
4-1 2級土木施工管理技士について
・受験資格
まず、2級土木施工管理技士の試験は第一次検定(学科試験)と第二次検定(実地試験)の2つの試験からなります。
受験資格は以下になります。
(1)第一次検定
試験実施年度において満17歳以上となる方
(2)第二次検定
2級土木施工管理技術検定・第1次検定の合格者で、次のいずれかに該当する者
大学卒業者 専門学校卒業者(「高度専門士」に限る) |
{指定学科}卒業後1年以上 {指定学科以外}卒業後1年6ヶ月以上 |
---|---|
短期大学卒業者 高等専門学校卒業者 専門学校卒業者(「専門士」に限る) |
{指定学科}卒業後2年以上 {指定学科以外}卒業後3年以上 |
高等学校卒業者 中等教育学校卒業者 専門学校卒業者(「高度専門士「専門士」を除く」) |
{指定学科}卒業後3年以上 {指定学科以外}卒業後4年6ヶ月以上 |
その他 | 8年以上 |
他にも細かい該当する受験資格がありますが、詳細は全国建設研修センターHPをご覧ください。
・試験内容
①一次試験(学科試験)
[試験時間]2時間10分
[回答形式]全問 四肢択一式
[出題数・回答数]出題数61問、うち40問を選択して解答
出題される「分野」は以下になります。
- 土木一般
- 専門土木
- 法規
- 共通工学
- 施工管理法
②二次試験(実地試験)
[試験時間]2時間
[回答形式]全問記述式
[出題数・回答数]出題数9問、うち7問を選択して回答
出題される「分野」は以下になります。
- 施工経験記述
- 土木
- コンクリート
- 品質管理
- 安全管理
- 品質管理
・合格率
平成27年〜令和2年度の合格率平均は以下になります。
第一次試験(学科試験)61.6%
第二次試験(実地試験)36.1%
二次試験は経験を問われる、全問記述式ということもあり、かなり合格率が落ちます。
4-2 1級土木施工管理技士(受験資格、内容、合格率)
・受験資格
1級土木施工管理技術検定も第一次検定(学科試験)と第二次検定(実地試験)の2つからなります。
(1)第一次検定 受験資格は主に以下の5つになります。
大学卒業者 専門学校卒業者(「高度専門士」に限る) |
{指定学科}卒業後3年以上 {指定学科以外}卒業後4年6ヶ月以上 |
---|---|
短期大学卒業者 高等専門学校卒業者 専門学校卒業者(「専門士」に限る) |
{指定学科}卒業後5年以上 {指定学科以外}卒業後7年6ヶ月以上 |
高等学校卒業者 中等教育学校卒業者 専門学校卒業者(「高度専門士「専門士」を除く」) |
{指定学科}卒業後10年以上 {指定学科以外}卒業後11年6ヶ月以上 |
その他 | 15年以上 |
2級合格者 | 年数は関係なし |
(2)第二次検定 第二次検定の受験資格は主に「1級土木施工管理技術検定・第1次検定の合格者」になります。
(第一次検定も、第二次検定もここで紹介していない細かい受験資格の条件があるので、詳細は「全国建設研修センターHP」をご覧ください。)
・試験内容
①一次試験(学科試験)
[試験時間]午前の部(問題A):2時間30分/午後の部(問題B):2時間
[解答形式]全問 四肢択一式
[出題数・解答数]出題数96問、うち65問を選択して解答
[配点]1問1点、65点満点
出題される分野は以下になります。
- 土木一般
- 専門土木
- 法規
- 共通工学
- 施工管理法
②二次試験(実地試験)
[試験時間]2時間45分
[解答形式]全問 記述形式
[出題数・解答数]出題数11問、うち7問を選択して解答
出題される分野は以下になります。
必須問題
- 施工経験記述(品質管理)
選択問題1
- 土工(建設発生土の有効利用)
- コンクリート(コンクリートの混和材料)
- 品質管理(コンクリートの打込み、締固め、養生)
- 安全管理(事業者が行う足場等の点検時期、点検事項及び安全基準)
- 施工計画(施工計画作成時に留意すべき事項)
選択問題2
- 土工(切土法面排水の目的、排水処理の留意点)
- コンクリート工(コンクリート打込み後に発生する、ひび割れの発生原因と施工現場における防止対策)
- 品質管理(盛土の締固め管理方式)
- 安全管理(建設工事現場における機械掘削及び積込み作業中の事故防止対策)
- 環境保全(建設工事における騒音又は振動防止のための具体的対策)
・合格率
平成27年〜令和2年度の合格率平均は以下になります。
第一次試験(学科試験)57.8%
第二次試験(実地試験)37%
1級土木施工技術検定も二次試験の合格率が低い傾向があります。
ただ、土木工事においてエキスパートと言える資格なので、資格取得を目指して頑張りましょう。
建職バンク
土木施工管理技士の平均年収の紹介と、年収アップを目指す方法として、「1級土木施工管理技士の取得」、「転職」を紹介しました。
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