5Gの普及やスマートシティ化、さらには次世代通信インフラの整備。今、建設業界の中でも「電気通信工事」の現場はかつてないほどの活況を呈しています。その中で、技術者として一歩抜きん出た存在になるために欠かせないのが「2級電気通信工事施工管理技士」の資格です。

しかし、いざ受験を検討しようとすると、
「令和6年度(2024年度)の制度改正で、結局何年の実務経験が必要になったの?」
「自分がやってきたLAN工事や防犯カメラの設置は、実務経験として認められる?」
「2028年まで『経過措置』があるって聞いたけど、自分はどちらの制度で受けるべき?」
といった疑問や不安が次々と湧いてくるのではないでしょうか。

特に2026年現在は、新制度への移行期であると同時に、旧制度を利用できる「経過措置」の期限(2028年度末まで)が刻一刻と迫っている重要なタイミングです。

そこで本記事では、建設業界特化型の転職エージェント「建職バンク」が、2級電気通信工事施工管理技士の受験に必要な実務経験を徹底解説。新制度のルールから、実務経験として認められる工事の具体例、そして資格取得があなたの年収やキャリアにどう直結するのかまで、プロの視点で分かりやすく解説します。

「自分の経歴は武器になるのか?」
その答えがこの記事で見つかれば嬉しいかぎりです。

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2級電気通信工事施工管理技士とは?職種の概要

電気通信工事施工管理技士の仕事内容

本題に入る前に、電気通信工事施工管理技士がどのような仕事をしているのか簡単にふれておきます。

電気通信工事施工管理技士は、現代社会のインフラであるインターネット網や携帯電話の基地局、防犯カメラ、放送設備などの「電気通信工事」において、施工計画の作成や工程・品質・安全の管理を担うスペシャリストです。

電気工事が「電気を送る」ための工事であるのに対し、電気通信工事は「情報を伝える」ための工事を指します。2級を取得すると、建設業法に基づき、現場ごとに配置が義務づけられている「主任技術者」になることができ、中規模な工事の責任者として活躍の場が大きく広がります。

【令和6年度改正】2級電気通信工事施工管理技士の新受験資格

2024年(令和6年)4月から、施工管理技士の受検資格は劇的な変化を遂げました。この改正の最大の目的は、若手入職者の早期資格取得を促すことです。新しい制度では、「第一次検定」と「第二次検定」の受検資格が切り離されました。

【第一次検定】17歳から誰でも受験可能に

冒頭でふれたように、令和6年度より施工管理技士試験の制度が抜本的に改正されました。この改正における最大の変更点は、第一次検定の受験に実務経験が一切不要になったことです。年度末時点で17歳以上であれば、学歴や職歴にかかわらず誰でも受験できるようになりました。

つまり、入社1年目の若手社員であっても、まずは「2級電気通信工事施工管理技士補」という称号を得ることが可能となり、早期のキャリア形成がしやすくなっています。

【第二次検定】試験合格後、一定期間の実務経験が必要

第二次検定の受験には引き続き実務経験が必要ですが、新制度によって整理されました。

受験資格区分必要実務経験年数
2級電気通信工事施工管理技術検定、第一次検定合格者合格後、3年以上
1級電気通信工事施工管理技術検定、第一次検定合格者合格後、1年以上
電気通信主任者資格者証の交付を受けた者・電気通信主任技術者試験合格者で、2級または1級電気通信工事施工管理技術検定、第一次検定合格者資格者証交付後または試験合格後、1年以上

上記の表からわかるように、受験資格には細かな区分があるため、自分がどこに当てはまるのか理解しておかなければなりません。受験資格区分と自分の工事経験を照らし合わせてみると、すでに必要実務経験年数を満たしていることもあるかもしれませんので、見落としがないかしっかり確認することをおすすめします。

※受験資格に関しては、一般財団法人全国建設研修センター新受験資格(PDF)を参照していますが、受験前には必ずご自身で確認するようにしてください。

経過措置について

受験資格の刷新に伴い、旧制度からの引継ぎが可能となる経過措置もとられています。場合によっては、旧制度を利用した方がより早く資格を取得できるかもしれません。

第二次検定は、令和6年度から令和10年度までの5年間は制度改正に伴う経過措置として、【令和6年度からの新受験資格】と【令和5年度までの旧受験資格】のどちらの受験資格でも受験が可能です。

ただし、申込締切後の新・旧受験資格の変更はできないため、間違えないよう注意が必要です。

旧制度は以下の表のようになります。

※表は横にスクロールできます(スマホの場合)
区分学歴と資格必要な実務経験年数
指定学科指定学科以外
大学
専門学校の「高度専門士」(※1)
卒業後
1年以上
卒業後
1年6か月以上
短期大学
高等専門学校(5年制)
専門学校の「専門士」(※2)
卒業後
2年以上
卒業後
3年以上
高等学校
中等教育学校(中高一貫6年)
専修学校の専門課程
卒業後
3年以上
卒業後
4年6か月以上
その他(学歴問わず)8年以上
電気通信主任技術者資格者証
の交付を受けた者
1年以上
(交付後ではなく通算)

出典:一般財団法人 全国建設研修センター「旧受験資格【PDF】」

※1 「高度専門士」の要件
  ①修業年数が4年以上であること。
  ②全課程の修了に必要な総授業時間が3,400時間以上。又は単位制による学科の場合は、124単位以上。
  ③体系的に教育課程が編成されていること。
  ④試験等により成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること。

※2 「専門士」の要件
  ①修業年数が2年以上であること。
  ②全課程の修了に必要な総授業時間が1,700時間以上。又は単位制による学科の場合は、62単位以上。
  ③試験等により成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること。
  ④高度専門士と称することができる過程と認められたものでないこと。

経過措置を利用する場合も、受験前には必ずご自身で公式の情報を確認するようにしてください。
一般財団法人 全国建設研修センター「2級電気通信工事施工管理技術検定

受験資格として利用可能な実務経験の範囲とは?

「自分の経験は電気通信工事にあたるのか?」という不安は、受検生が最も抱きやすい疑問です。電気工事(強電)との境界線が曖昧なケースもありますが、基本的には「信号を送受信するための設備」に関わっていれば対象となります。

実務経験として認められる工事の具体例

「実務経験」とは、電気通信工事の実施にあたり、その施工計画の作成及び当該工事の工程管理、品質管理、安全管理等、工事の施工の管理に直接的に関わる技術上の職務経験のことを指します。以下の経験は全て実務経験としてカウントすることができます。

① 工事請負者の従業員として請負工事の施工を管理した経験

② 工事発注者の従業員として発注工事の施工を指導・監督した経験

③ 工事監理業務等受託者の従業員として対象工事の工事監理を行った経験

また、対象となる電気工事の内容は下記の表のとおりです。

工事内容工事内容の例示
1.有線電気通信設備工事通信ケーブル工事、CATVケーブル工事、伝送設備工事、電話交換設備工事 等
2.無線電気通信設備工事携帯電話設備工事(携帯局を除く)、衛星通信設備工事(可搬地球局を除く)、移動無線設備工事(移動局を除く)、固定系無線設備工事、航空保安無線設備工事 等
3.ネットワーク設備工事LAN設備工事、無線LAN設備工事、公衆無線LAN設備工事、インターネット設備工事 等
4.情報設備工事監視カメラ設備工事、コンピュータ設備工事、AI(人工知能)処理設備工事、映像・情報表示システム工事、案内表示システム工事 等
5.放送機械設備工事放送用送信設備工事、放送用中継設備工事、FPU受信基地局設備工事、放送用制作・編集・送出システム工事、CATV放送設備工事 等

これらの工事に単なる作業員としてではなく、施工図の作成や工程管理、安全管理等にかかわった期間が評価対象となります。

※ 上記内容は、新受験資格(PDF)を参照していますが、受験前にはご自身で確認するようにしてください。

【注意】実務経験として認められない工事

電気通信工事の中にも、実務経験として認められない工事が存在するため注意が必要です。「保守・点検のみ」や「設計のみ」の業務の場合は、「施工管理」の経験としてみなされないことが多いです。例えば、単なるOA機器の設置や、すでに完成した設備のメンテナンスのみを行っている場合、願書を提出しても受理されないリスクがあります。

以下の表に実務経験にならない工事をまとめました。

工事内容工事内容の例示
電気通信設備取付自動車・鉄道車両・建設機械・船舶・航空機等における電気通信設備の取付工事
土木工事通信管路(マンホール・ハンドボール)敷設工事、とう道築造工事、地中配管埋設工事
電気設備工事発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、受変電設備工事、校内電気設備工事(非常用電気設備含む)、照明設備工事、電車線工事、ネオン装置工事
鋼構造物工事通信鉄塔工事
機械器具設置工事プラント設備工事、エレベータ設備工事、運搬機器設置工事、内燃力発電設備工事、集塵機器設置工事、給排気機器設置工事、揚排水(ポンプ場)機器設置工事、ダム用仮設工事 等
消防設備工事消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧・泡・不燃ガス・蒸発性液体又は粉末による消火設備工事、動力消防ポンプ設置工事、漏電火災警報設備
その他ケーブルラック・電線管等の配管工事

上記工事は仮に電気通信工事とかかわっていたとしても実務経験として認められませんので、注意してください。

※ 表は新受験資格(PDF)を参照しています。(一部抜粋)

実務経験証明書の書き方とポイント

第二次検定(または旧制度の願書)で最も高い壁となるのが「実務経験証明書」の作成です。虚偽の記載は厳禁ですが、事実を「正しく評価される言葉」で書く技術が必要です。

ポイントは、「具体的な工事名」と「あなたの立場(役割)」を明確にすることです。
例えば、「マンションのLAN工事」とだけ書くのではなく、

「〇〇マンション新築工事におけるLAN設備配線およびアクセスポイント設置工事の工程管理・安全管理」

のように、施工管理の4大管理(工程・品質・安全・原価)のうち、どの役割を担ったかを明記します。

また、工事種別は必ず「電気通信工事」に該当する表現を選んでください。電気工事と混同される表現(例:電源配線など)をメインに書くと、審査で差し戻されるリスクがあります。自社で証明印をもらう前に、まずは過去の工事台帳を整理し、客観的な実績をリストアップすることから始めましょう。

2級電気通信工事施工管理技士の市場価値・取得メリット

2級電気通信工事施工管理技士を取得する最大のメリットは、「市場価値の劇的な向上」です。
2026年現在、建設業界の人手不足は深刻ですが、中でもDX化やスマートビルの需要増加により、電気通信の管理技術者は常に争奪戦状態にあります。

多くの建設会社では、2級電気通信工事施工管理技士の資格手当として月額5,000円~20,000円程度を支給しており、年収ベースでは30万円~50万円ほどのアップが見込めます。

また、主任技術者としての経験を積むことで、現場代理人としてのキャリアパスが開け、将来的に年収600万円以上も目指せるようになります。スマートフォンの5G普及やDX化の波を受け、この資格を持つ人材の市場価値は年々高まり続けています。

2級の資格を取得すれば、年収もキャリアもさらに広がり、現場でも活躍の場が増えていくはずです。資格取得後の、よりよい条件での転職も視野に入れてみるといいかもしれません。

2級電気通信工事施工管理技士の求人一覧

「資格は取りたいけれど、今の会社は激務で勉強時間が取れない」「会社が実務経験の証明に協力的ではない」「2級に合格したら条件の良い会社に転職したい」

もしそのような悩みをお持ちなら、資格取得を応援してくれる企業への転職を検討するのも一つの戦略です。

以下では、建職バンクで掲載している求人一覧ページをご紹介します。
「2級電気通信工事施工管理技士」の求人一覧はこちら
「資格取得支援あり」の求人一覧はこちら

2級電気通信工事施工管理技士の実務経験に関するよくある質問

Q1. 派遣社員としての経験はカウントされますか?

はい、カウントされます。雇用形態にかかわらず、実際に電気通信工事の施工管理業務に従事していれば、その期間は実務経験として認められます。ただし、証明印は当時の派遣先ではなく、所属していた「派遣元」の会社に依頼するのが一般的です。

Q2. 電気工事施工管理技士の実務経験と重複できますか?

一つの工事に「電気工事」と「電気通信工事」の両方の側面がある場合、どちらかの実務経験として申請することは可能ですが、同じ期間を両方の資格で「二重にカウント」することは原則できません。それぞれの資格ごとに、対象となる工種がわかれているため注意が必要です。

Q3. 実務経験の「証明」は以前の職場からもらう必要がありますか?

現在の会社での経験だけでは年数が足りなかった場合、以前勤めていた会社からも証明印をもらう必要があります。もし、以前の会社が倒産している場合や、連絡を取りにくい事情がある場合は、受験要項に基づき特殊な手続きが必要になるため、早めに試験実施機関へ相談しましょう。

まとめ

令和6年度(2024年度)の制度改正により、2級電気通信工事施工管理技士の資格は、ベテランだけでなく若手も挑戦できるようにハードルが大幅に下がりました。

もう一度受験資格を簡単に整理します。
第一次検定:年度末時点で17歳以上であれば、誰でも受験が可能
第二次検定:第一次検定に合格しており、規定の実務経験年数をクリアしていれば受験可能

まずは、第一次検定に合格し、着実に実務経験を積んでいくことが大切です。最短ルートで2級取得ができるよう、自分の今までの経験はしっかり記録しておきましょう。

デジタル化が急速に進む現代では、2級電気通信工事施工管理技士の資格はキャリア形成に向いていると言えます。この資格を取得できれば、多くの企業から求められる人材になるでしょう。2級取得後は、ぜひ1級取得も目指し、さらなるキャリアアップを実現してください。

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