エネルギー管理士の年収は高い?or低い?
エネルギー管理士の免状取得者を対象にした求人情報からエネルギー管理士の年収についてを調査しました。
エネルギー管理士の年収調査!
エネルギー管理士を対象とした求人情報約200件からどのくらいの年収オファーを出しているのか?という観点から調査したものになります。
年収オファーとして最も多かった求人情報は500~550万円のオファーでした。年収600~700万円帯の求人オファーに関しては大規模商業施設など大規模な施設での勤務が多くありました。
求人情報を元にしたエネルギー管理士の平均年収は529万円となりました。日本人平均年収がおおよそ420万円とされていますので、エネルギー管理士の資格は日本人平均年収よりは高い金額である可能性があります。
エネルギー管理士の月給は約44万円となっています。日給換算すると22,000円で、時給換算すると2,750円でした!求人情報にみるエネルギー管理士の最高年収は900万円となっています!
エネルギー管理士の年収についてをまとめると、
平均年収 | 月給 | 日給 | 最高年収 |
---|---|---|---|
529万円 | 44万円 | 22,000円 | 900万円 |
となります。これからエネルギー管理士の資格を取得しようとしている人や、今免状をもっていて転職活動などをお考えの方にとっては気になる点なのではないでしょうか?
また、エネルギー管理士には独立開業してエネルギー戦略コンサルタントのような立ち位置としての仕事も可能です。エネルギー管理士として独立開業した人の中には年収1700万円も稼ぐ人もいらっしゃるようです。噂ですが。。
次にそんな求人情報はどういった地域で募集されているのかを調査しました。
エネルギー管理士の勤務地
エネルギー管理士の職場≒エネルギー管理指定工場です。
エネルギー管理指定工場がどんな工場か?については☟の記事を参照ください
まずは全国の中でどこにエネルギー指定工場があるのかを見ていきましょう。
赤い塗りつぶしは指定工場の分布を現しています。(濃いほうがより多く分布)
人口の多さに比例して指定工場の数の分布は変わってくるようです。
茨城県、愛知県、静岡県なんかは人口対比で見たときの指定工場が多い県になっているようです。
では、勤務地別でどんな地域で求人情報が出されているのでしょうか?
これを見るとやはり、☝でみたように指定工場の多い東京での求人情報が多数あるようでうす。指定工場の分布に応じて求人情報数も多くなっているといえます。
とはいえ、エネルギー管理士の職場は工場だけでなく、病院やビル、学校という施設での勤務も可能ですし、求人情報もあります。
都市部での求人が多くあり、都市部に行くほど年収も上がってくるようです。
そんなエネルギー管理士ですが、実際にどのような仕事をすることを求められているのででょうか?
エネルギー管理士の仕事内容
エネルギー管理士という資格はそもそも省エネ法を根拠法令とする国家資格です。ですので、その役割も省エネ法に基づいた仕事をします。
これを見ると、エネルギー管理士と一言でいっても「エネルギー管理統括者」、「エネルギー管理企画推進者」、「エネルギー管理者」、「エネルギー管理員」という選任者の違いがあるのです。なんともややこしくなるような内容です。
それらの違いを図でまとめると以下のようになります。
省エネ法上の定めに基づくエネルギー使用量ごとの役割の違いになります。工場以外の現場でもエネルギー管理士は選任要件にしたがい、それぞれの管理士、管理員が在籍しています。
実際にどのような仕事をエネルギー管理士は行っているのかというと、
主に、エネルギー管理標準の作成業務☞管理標準に従った設備の管理、計画の実行☞エネルギー管理☞報告書作成(月次)☞中長期計画書の作成という仕事を行っているのです。
これはおおよそどの職場でもあまり変わりはないでしょう。事業所での省エネ計画の作成から実行、評価までを一貫して行うため、非常に広範囲な仕事内容といえるでしょう。
具体的な仕事内容としては直流を交流に変換させる電源回路・装置であるインバーター、このインバーターを導入することで省エネ効果を出します。
その導入の決定、実際の導入からメンテナンス(インバーターはメンテナンスの必要性がないとされることもある)までを行う裁量権のある仕事といえるでしょう。普通のビジネスパーソンならば数値を上げることが仕事ですが、エネルギー管理士の仕事は数値を下げていくことが仕事なのです。
エネルギー管理士の仕事についてを紹介してきましたが、エネルギー管理士の需要は将来的にどうなっていくのでしょうか。。ある種エネルギー管理士の将来性と置き換えてもよいかもしれません。
エネルギー管理士の将来性
省エネ政策と共にあり、エネルギー管理士の未来
言わずもがなですが、エネルギー管理士は省エネ法による以上は政府の省エネに対する方針に従いその需要も変化していきます。ですので、政府の省エネ政策の今後を見てエネルギー管理士の将来的な需要がどうなっていくのかについて考えてみましょう。
長期的な省エネ政策についてから見るエネルギー管理士の需要
平成27年度7月に「長期エネルギー需給見直し」(資源エネルギー庁 総合政策課 戦略企画室が担当)が発表されました。
これによると2030年までのエネルギー政策は「安全性」、「安定供給」、「経済効率性」、「環境適合」の4本柱で推し進めていくとのことです。ここで表明された基本方針としては以下のようなものでした。
エネルギー基本計画においては、徹底した省エネルギー・再生可能エネルギーの導入や火力発電の効率化などを進めつつ、原発依存度を可能な限り低減させる等の政策の基本的な方向性を定めているが、これらを以上のとおり想定した安全性、安定供給、経済効率性及び環境適合に関する政策目標を同時達成する中で進めていった場合の将来のエネルギー需給構造の見通しを策定することを基本方針とする。
この基本方針によるとこれからのエネルギー政策は省エネの考えに従い推し進められていくことがあります。なので、急にエネルギー管理士の仕事はなくなる!といったことはまずありえませんし、むしろ仕事は増えていくことが想像できます。
具体的な省エネ政策からみるエネルギー管理士の需要
近年政府が積極的に補助金を支援している分野があります。それは「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」や「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」という省エネ設備です。
エネルギー管理士の仕事と関連して言えばZEHより、ZEBでの仕事のほうが多そうです。ですので、ZEBがどういうものかについて解説します。
ZEBとは❶建築構造や設備の省エネ化❷再生可能エネルギー・未利用エネルギーの活用❸地域内でのエネルギーの面的利用を目的としたエネルギーの自給自足システムなのです。特徴は、化石燃料から得られるエネルギー消費量がゼロということです。
今はまだ導入事例が少ないZEBですが、今後は確実に増加していくでしょう。それに従いエネルギー管理士の仕事もまた増えていくことでしょう。
その証拠にエネルギー管理士の合格者数が平成9年度から見ると、増加傾向にあることが挙げられます。
エネルギー管理士の資格は今がとり時なのかもしれません。
まとめ
以上、エネルギー管理士という資格職の年収と、勤務地、仕事内容、将来性という観点からエネルギー管理士についてを紹介してきましたが、この資格が転職に有利とされる理由がわかってきたのではないでしょうか?
政府の省エネ政策に左右されやすいという性質はありますが、省エネをやめる!ということは日本が省エネ大国といわれていることから考えにくいでしょう。またZEBなどの新しい省エネ政策も打ち出されています。その分需要の高まる資格といえるでしょう。
ですので、エネルギー管理士の資格は今がとり時なのかもしれません