電気工事施工管理技士の活躍の場とは
電気工事の現場で活躍するために必要な資格の代表例として電気工事施工管理技士がありますが、大前提として、その資格や今までの経験を活かすことのできる”環境”がなければ現場で活躍することが困難になります。電気工事施工管理技士の資格は実務経験がないと取得できない資格で、指導監督経験があるので、施工管理のスキルはある程度求められる資格です。とはいえ、電気工事施工管理技士の求人に応募しようとした際に、未経験の分野となると不安が生じますよね。そうした際にどのように転職を成功させるかについても紹介します。
求人情報と求人の傾向を押さえておくことで就職活動、転職活動を有利には運べる可能性があります。
*電気工事施工管理技士の平均年収早見表
年収 | 求人傾向 | |
スーパーゼネコン | 950万円 | 電気工事施工管理資格だけでなく、土木や建築資格ももった求人を募集している。即戦力。三十代で好条件 |
ゼネコン | 800万円 | 若くて(40代前半)、資格も経験も十分ですぐにでも現場を任せられるような方。即戦力 |
サブコン | 400万円 | 「ゼネコン経験のある方」や、「弊社と同じような事業内容で経験のある方」即戦力。 |
まずは電気工事含め、建設工事発注から施工までどのように進んでいくのかを整理していきましょう。
建設業界の構造整理
前提として、建設業界における建設工事会社は、大きく元請と下請の2種類の会社に分けることができます。
建設業界における元請会社(総合建設業)は一般的にゼネコンと言われ、その中でも売上1兆円をこえる大林組、鹿島建設、大成建設、清水建設、竹中工務店の5社については「スーパーゼネコン」と呼ばれ、国内だけでなく海外にも活躍の場を大きく広げています。
一方下請会社ですが、こちらは一般的にサブコンと言われ、電気設備工事を主に専門とする会社の代表例としては、関電工やきんでん、住友電設などが該当します。
元請けと下請けの役割
そもそも建設工事が発生する際には、
と言ったような流れで、役割によっていくつかの会社を経由する、いわゆる多重下請構造が日本では主流となっています。とても複雑ですね。。。
このような構造になっている背景として上がるものの一つに、電気工事のように建築や土木、管工事など様々な分野において専門的な技術を持った会社が増えてきていることにあります。
ですので、どの工程でどのような会社、現場に携わるかによって
電気工事施工管理技士の資格の活かし方や、キャリアも当然のように変わって来ます。
電気工事施工管理技士の求人の特徴
上記記載の通り、電気工事施工管理技士という資格を活かすには少なからずその資格が生きる”環境”が重要になるので、まはず電気工事施工管理技士の資格をどのように活かすのかを考え、それが一体どこで実現できるのかを知ることが重要となります。
今回は建設業界の構造も踏まえ、ゼネコンとサブコンの求人の傾向を比較してみようと思います。
[電気工事施工管理技士]ゼネコンの求人傾向
まずはゼネコンの求人情報の傾向から見ていきます。
平均年収
電気工事施工管理技士の資格の平均年収は約500万円程度と言われますが、ゼネコンの場合はなんと平均年収は800万円ほどにも!
ちなみに、スーパーゼネコンと呼ばれる5社の平均年収については950万円を超えています。。。
また、ゼネコンでは30歳時の平均年収が電気工事施工管理技士の平均年収とおおよそ並ぶようなので、企業としては若手の資格保有者を他社へ逃さないようにとかなり好条件を出されていることが想定されます。
電気工事施工管理技士として求められる人材
ですが、やはり年収面でそれだけ待遇が良いということは採用に関しては狭き門となることが見込まれます。
中途採用の観点でゼネコンで求められる人材というのはまず即戦力かどうかの一言です。
ここで言う即戦力とは、若い(40代前半)上に、資格も経験も十分ですぐにでも現場を任せられるような方、を意味することが多いです。
このような条件の求人を見かけることも、耳にすることも多いかと思います。
また、ゼネコンではある分野に専門的な方、それこそ電気工事施工管理技士で今まではバリバリと電気工事に励んできた方、というよりかは、電気+αで例えば土木であったり、建築等の経験、資格を持っている方が求められます。ですので求人の内容的には、「電気工事に集中して頑張りたい!」「電気工事の道を極めたい!」というような電気工事施工管理技士の方は合わないような求人が多い傾向にあります。
ただ、採用条件に関して厳しい部分が多いとしても、大手ゼネコンへの転職の可能性は捨てたもんじゃありません。というのも、大きな会社であればあるほどに受注できる工事の案件も多いですし。規模もそれだけ大きいです。
つまり、一つの求人、プロジェクトに対してかける募集の人数が通常の求人に比べ遥かに多い傾向にあります。ですので、ある程度資格等の応募条件を満たしていれば、案件によって採用まで進む可能性は十分にあるということです!
ゼネコンの求人まとめ
電気工事施工管理技士だけでなく、他の分野での経験や資格を生かしてキャリアアップを目指したい方、またはこれから様々な分野へ挑戦できる環境を求めている方にとってこれ以上ない求人になることは間違いないです!
[電気工事施工管理技士]サブコンの求人傾向
次にサブコンの求人情報の傾向を見ていきます。
平均年収
サブコンの平均年収は約400万円程度と、やはりゼネコンと比較すると目劣りはしてしまいます。
とは、言っても下請け会社の括りともなると会社数が増えるので、会社によって年収の差は必然的に大きくなります。また、下請けと言ってもどの工程での下請けになるのかによっても年収が変わってくることは明らかです。
ですので、大手サブコンの中にはスーパーゼネコンと並ぶような平均年収が出ているような会社も少なからず存在します。
求められる人材
これまた年収と同じような話になりますが、下請構造のどの工程を担当する会社なのかによって変わってくる部分は大きいです。大手サブコンさんはからはよく「ゼネコン経験のある方」や、「弊社と同じような事業内容で経験のある方」というような、いわゆる”即戦力”を求める声を多く聞きます。
より下請けの会社さんになってくると、資格を持っていれば、経験があればということでやはり募集の条件はかなり緩和されていく傾向にあります。
年齢については何歳でも経験や資格さえあれば、というような求人や、資格や経験がなくとも若ければ、というような求人も多数見受けられます。
ただ当然ですが、条件面で見るとゼネコンや大手サブコンには見劣りす傾向にあります。
サブコンの求人傾向まとめ
まずサブコンの特徴として、会社それぞれに特定の分野に特化した、専門性の高い会社が多いので自身の興味のある業務内容であったり、現場から求人を探すことができます。
もちろんゼネコンでもそのような求人の探し方は可能ですが、業界構造上電気工事施工管理技士の資格を電気工事の現場で目一杯活かすとなれば、サブコンのほうが専門的に活躍しやすいかもしれないです。
というのも、日本のサブコンの特徴として、設備の施工管理を主に専門とする会社が多い傾向にあるので電気工事施工管理技士の資格を活かしたい!ということであれば、その他条件面などを考慮してもぴったりな求人に巡り会える可能性や数は多いと思います。
電気工事施工管理技士の求人だけでなく、建設業界全般的な傾向を紹介します。
電気工事施工管理技士の求人の探し方・未経験でもOK?
求人情報が表に出てきづらい!?
最近の求人サイトを見ていると、社名非公開の形で求人情報が掲載されていることが多々見受けられると思います。
この背景事情としては様々なものがありますが、理由2つほどあげると、まず一つ目には常に求人情報をだしていると、世間からの印象が良くない点があります。常に求人が出ていることで、すぐ人がやめてしまう会社だとか、全然人が足りていないのではというような、世間から悪い印象を持たれてしまう可能性が少なからずあるからです。
もう一つは大きい会社などに多いのですが、広告に掲載することで、求めているような方とは条件がかけ離れたような募集が多数来てしまい、採用に関する人的コストが多くかかってしまうためです。
紹介エージェントしか持っていないような求人が多数存在する
そういった背景もあり、なかなか探している会社の求人や、求めている条件の求人に出会えないこともあるのではないかと思います。
では、世の建設会社はどのように人材を採用しているのか。。。
そこで登場するのが紹介エージェントです。紹介エージェントに求人を出すことによって、その会社の条件にあったような方を紹介してくれるので非常に求人企業としては嬉しいわけですね。
一方転職希望の方に関しても、自身の資格や経験、希望の条件等を伝えることで、それに見合う求人を複数提案してくれるので、中には世に出回っていないような求人と出会える可能性が広がると言えます。
電気工事施工管理技士の未経験求人でも採用される?
電気工事施工管理技士の資格を活かし、主任技術者もしくは監理技術者としてこれまで未経験の分野での転職を目指す場合、どのように書類作成や面接対処したらよいのかを悩まれる方がいらっしゃいます。
未経験であることは必ずしもマイナス要素となるわけではなく、未経験だからこその吸収力を見込んで採用されることがあります。興味のある会社での転職を目指す場合は、資格の証明と、今までの経験をきちんとアピールできればたとえ未経験でもその力量を買われて採用に至ることがあります。ですので、必ずしも未経験であるからといって、転職を断念することはありません。
この記事のまとめ
電気工事施工管理技士の資格をどう活かすかの選択肢は人によって様々でしょう。
今までの施工管理経験を土木や建築の分野で活かし、視野をひろげることによってできることを増やしていくのか、電気工事に特化した形で好きな現場に長く携わっていくのかなど、その選択によって選ぶべき会社は当然変わってきます。また、条件は多く絞れば絞るほど少なくなって行くのは事実です。そうなると、自身が本当に出会うべき求人に出会える可能性というのは低くなっていきます。
そんなとき、一つの手として紹介エージェントにあなたの条件や希望、電気工事施工管理技士の資格の活かし方について伺ってみるのはいかがでしょうか?
そうすれば、電気工事施工管理技士の資格を最も活かせるような、自身で探していては出会えないような求人に出会える可能性はうんと広がるでしょう。新たな選択肢も生まれるかもしれません。