「第一種電気工事士の試験には合格したけど、免状申請の実務経験は何年必要なんだっけ?」
「今の現場での作業は、本当に実務経験としてカウントされるのだろうか…」

第一種電気工事士を目指す方にとって、試験合格と同じくらい高いハードルとなるのが「実務経験の証明」です。特に2021年の法改正で要件が大きく変わったため、ネット上には新旧の情報が混在しており、混乱されている方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、現在の実務経験要件は一律「3年」に短縮されています。しかし、どんな工事でも良いわけではなく、中には「実務経験として認められない作業」も存在します。

この記事では、2026年の時点で最新の法改正に基づく正確な要件、認められる工事と認められない工事の違い、そして躓きやすい「実務経験証明書」の書き方までを徹底解説します。最短で免状を手にしてキャリアアップを目指すための第一歩をここから踏み出しましょう!

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第一種電気工事士の実務経験は一律「3年」に短縮

第一種電気工事士の免状取得には必ず実務経験が必要です。
実務経験とは、単に電気関連の会社に勤めていた年数ではなく、法令に基づいた適切な工事に携わった期間を指します。

かつて、第一種電気工事士の免状取得には「実務経験5年」という長い期間が必要でした。しかし、電気保安人材の不足解消を目的とした法改正により、2021年4月1日以降、この期間は「一律3年」と大幅に短縮されています。

学歴に関係なく「合格者は全員3年」で申請可能に

以前は、大学や高専で電気工学を修めた場合のみ実務経験が3年に短縮されるという「学歴による特例」がありました。しかし、今回の改正によって学歴を問わず、実務経験は一律「3年」となりました。

これにより、普通科高校出身の方や、他業種から転職してきた方でも、最短3年で第一種電気工事士としてのキャリアをスタートできるようになっています。これは、若手や未経験者にとって非常に大きなチャンスです。

参考:経済産業省「電気工事士法施行規則の一部改正について」

試験合格前の経験もカウント可能?

「試験に合格してから3年働かなければならないの?」という疑問をよく耳にしますが、答えはNOです。

実務経験の期間は、試験合格前の期間も含めることが可能です。例えば、第二種電気工事士の免状を取得した後、一般用電気工作物の工事に従事していた期間があれば、それも「第一種の実務経験」として合算できます。極端な例ですが、第二種として3年以上の経験があれば、第一種の試験合格後すぐに免状申請を行うことも可能です。

第一種電気工事士の免状取得について、公式の情報を知りたい方は以下のページをご確認ください。
電気技術者試験センター「電気工事士の免状交付」

実務経験として「認められる工事」と「認められない工事」

「3年働いているから大丈夫」と安心するのはまだ早いです。申請時に最もトラブルになりやすいのが、「その作業、実務経験に入りません」と判断されてしまうケースです。ご自身の業務内容をしっかり確認しましょう。

実務経験として認められる電気工事の例

基本的に、電気工事士法で定められた「電気工事」を行っている必要があります。

電気工作物に該当する電気的設備を設置、又は変更する工事

  • 第二種電気工事士として行う一般用電気工作物等に係る電気工事
  • 認定電気工事従事者として行う最大電力500kW未満の需要設備の低圧部分に係る電気工事(簡易電気工事)
  • 最大電力 500kW 以上の需要設備に係る電気工事 など

経済産業大臣が指定する第二種電気工事士の養成施設において教員として担当する実習

  • 職業訓練指導員の免許は、「電気工事科」及び、平成5年3月31日までに交付された「電気科」のみが対象となっています

実務経験の対象となる工事はかなり幅広く、上記はあくまで一例です。また、対象工事に含まれていたとしても、第二種電気工事士や電気主任技術者などその他資格の免状が必要となってくる場合もあるため、注意が必要です。

参考:電気技術者試験センター「令和7年度 第一種電気工事士試験 上期試験受験案内」

実務経験として認められない作業

ここが最大の落とし穴です。現場にいても、以下に該当する作業しか行っていない場合は実務経験として認められません。

①電気工事士法施行令で電気工事から除かれる「軽微な工事」

  • 600V以下で使用する差込み接続器、ソケットなどの接続器や、同じく600V以下で使用するナイフスイッチ、カットアウトスイッチなどの開閉器にコードまたはキャブタイヤケーブルを接続する工事(コードやプラグの接続)
  • 600V以下で使用する家庭用・業務用の電気機器や蓄電池の端子に、電線をねじで固定する作業(電気機器の端子へのねじ止め)
  • 600V以下で使用する電力量計(メーター)やアンペアブレーカーなどの取り付け及び、取り外し工事(特殊な機器の取り付け・取り外し)

※詳しくは経済産業省の「電気工事士等資格不要の「軽微な工事」とは」を参照ください。

②電気工事士法で別の資格が必要とされる「特殊電気工事」

  • ネオン工事
  • 非常用予備発電装置工事(500kw未満)

③5万V以上で使用する架空電線路に係る工事

④保安通信設備に係る工事

実務経験対象外の工事はかなり細かく分かれているため、これから免状の申請をしようと考えている方は過去の職務内容としっかり照らし合わせることをお勧めします。

保守・点検・管理業務は対象外になるケースも

ビルメンテナンス(設備管理)の業務に従事している方も注意が必要です。

管球交換やメーター検針、モニター監視といった「保守・点検・管理」のみを行っており、配線や器具設置などの「工事」そのものに携わっていない期間は、実務経験に含まれません。「電気主任技術者」の実務経験とは基準が異なるため、混同しないようにしましょう。

また、この記事に載せている内容は公式の資料内容を一部抜粋したもので、全てを網羅しているわけではありません。免状申請の前には必ずご自身で調べて確認するようにしてください

実務経験証明書の書き方と申請ステップ

実務経験が確保できていることを確認したら、いよいよ申請書類の作成です。申請にはかなりの厳密さが求められるため、不備がないように準備しましょう。

申請に必要な書類と入手方法

申請書は、お住まいの都道府県庁の担当部署(電気保安課など)や、委託を受けている団体(電気工事工業組合など)のWebサイトからダウンロードできます。

  • 電気工事士免状交付申請書
  • 実務経験証明書
  • 試験合格通知書(原本)
  • 写真、手数料、返信用封筒など

証明書の記入項目と具体的な書き方

「実務経験証明書」には、具体的な工事内容を記載する必要があります。「電気工事全般」のような曖昧な書き方では受理されません。

【記入例】
悪い例: ビル電気設備工事、屋内配線作業

良い例:
〇〇ビル新築工事における屋内配線工事及び照明器具設置工事
〇〇工場における金属管工事及び受変電設備設置工事

このように、「具体的な現場名(または物件種別)」+「具体的な作業内容」を組み合わせることがポイントです。

転職経験がある場合の「合算」のやり方

複数の会社で経験を積んで3年に達する場合、それぞれの会社から証明書をもらう必要があります。 例えば、A社で2年、B社で1年の場合、2枚の証明書(または1枚の証明書に2社の証明欄がある様式)を提出します。

実務経験証明書に関する「よくあるトラブル」と対処法

建職バンクに相談される方の中にも、この「証明書」に関するトラブルで悩んでいる方が少なくありません。

会社が証明書にハンコを押してくれない時は?

「退職時に喧嘩別れしてしまい、頼みづらい」「会社が倒産してしまった」 こういったケースでも、諦める必要はありません。

会社が証明を拒否する場合、まずは都道府県の窓口に相談してください。源泉徴収票や工事台帳など、代替書類での証明方法を案内してくれる場合があります。

ただし、最もスムーズなのは「退職前に証明書をもらっておくこと」です。転職を考えている場合は、退職手続きの一環として署名・捺印を依頼するのが鉄則です。

そもそも「実務経験として認められる工事」をやらせてもらえない

「入社して3年経つが、手元作業や資材運びばかりで、工具を使わせてもらえない」 「会社が軽微な工事ばかり扱っていて、申請要件を満たせない」

これは非常に深刻な問題です。どんなに長く勤めても、免状取得へのカウントダウンが進んでいないことになります。 もし今の環境で「実質的な電気工事」に関われないのであれば、「実務経験が積める会社」への転職を検討すべきタイミングかもしれません。資格取得は、あなた自身のキャリアを守るためのものです。

第一種電気工事士の仕事内容と市場価値

晴れて第一種電気工事士の免状を取得できた後、あなたの市場価値はどのように変わるのでしょうか。建職バンクの支援実績から解説します。

第一種電気工事士ができる仕事の範囲

第二種が「一般住宅や小規模店舗(600V以下)」に限られるのに対し、第一種は「ビル、工場、大型商業施設(最大電力500kW未満)」まで範囲が広がります。 スケールの大きな現場で、高圧設備の工事に携われることは、技術者としての大きなやりがいにつながります。

年収アップの事例と資格手当の相場

建職バンクを通じて転職された方の中には、第一種取得を機に年収が50万〜100万円アップした事例も珍しくありません。 多くの企業で「資格手当」が設定されており、相場としては月額5,000円〜20,000円程度。これに加えて、対応できる現場の幅が広がることで基本給や残業代のベースアップも見込めます。

第一種電気工事士の求人

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電工一種の実務経験についてよくある質問

Q. アルバイトやパートでも実務経験になりますか?

A. はい、なります。 雇用形態に関わらず、週の労働時間等に関係なく、要件を満たす電気工事に従事していれば実務経験として認められます。ただし、証明書には代表者の印鑑が必要です。

Q. 認定(電気主任技術者ルート)の場合は実務経験年数が違いますか?

A. はい、異なります。 電気主任技術者の認定の場合は改正されておらず、「電気主任技術者免状取得後、実務経験を5年以上」となっています。詳細は経済産業省や各都道府県の案内をご確認ください。

Q. 実務経験証明書は自分で書いてもいいですか?

A. 記入は自分で行っても構いませんが、証明欄は会社の代表者(事業主)による署名・捺印が必須です。 自分で勝手に印鑑を押すと「私文書偽造」等の罪に問われる可能性がありますので、絶対にやめましょう。

まとめ

第一種電気工事士の実務経験は「一律3年」に短縮されました。これは、これからキャリアを築く方にとって大きな追い風です。

今回の記事をまとめると、以下の3点になります。

  • 実務経験の必要年数は3年以上
  • 「免状交付の対象にならない電気工事」に注意する
  • 実務経験証明書を用意して、各都道府県の免状窓口に申請する ※

※各都道府県の免状窓口は、電気技術者試験センター「都道府県庁免状窓口」を参照ください。

重要なのは「ただ3年待つこと」ではなく、「認められる工事経験を確実に積むこと」です。もし今の環境で、軽微な作業しか任されなかったり、証明書の発行に不安があったりする場合は、早めに環境を見直すことをお勧めします。

せっかく試験に合格したのに、実務経験の対象工事から外れていて免状取得できなかった、というもったいない状況に陥らないよう、試験合格した方もこれから受験を控えている方も十分注意して、確認を怠らないようにしてください!

 

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