DX化やAIの普及に伴い、通信産業はますます生活に欠かせない重要なライフラインとなってきました。この現状をふまえると、電気通信工事施工管理技士の資格は、今後も重宝される資格だと言えるでしょう。しかし、いざ受験しようと決意したときに課題となるのが、受験資格や実務経験などの複雑さです。

「受験するには実務経験が必要なの?」「実務経験の対象になる工事とは?」「実務経験の必要年数は?」といったように、令和6年度の制度改定に伴い、様々な疑問が生じてきています。

簡潔に申し上げますと、
第一次検定の受験は、年度末までに19歳以上であれば、誰でも受験が可能です。
他方、第二次検定の受験には実務経験が必須となっています。

この記事では、制度改定後の最新ルールに基づいて、1級電気通信工事施工管理技士の資格取得に必要な実務経験やその内容について詳しく解説していきます!最短ルートでの資格取得を目指し、さらなるキャリアアップや年収アップを実現しましょう。

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1級電気通信工事施工管理技士とは?

まず第一に、「1級電気通信工事施工管理技士って何をする人なのか」について簡単に説明をしていきます。

5G、IoT、AIの普及に伴い、現代社会において「通信」は電気や水道に並ぶほど重要なライフラインとなりました。1級電気工事通信施工管理技士は、この通信インフラを支えるスペシャリストです。

主な仕事は、携帯電話の基地局設置、光ファイバー網の整備、公共施設の放送・防災設備工事などにおいて、現場の司令塔として施工計画の策定、安全管理、工程管理を行うことです。

特に、特定建設業の許可を受けた現場において、現場の技術責任者である「監理技術者」になれる点は、この資格の最大の武器と言えるでしょう。1級保持者がいなければ、数千万円規模の大型工事を請け負うことができないため、企業にとってはこの上なく価値の高い存在なのです。スマートシティの構築やDX化が進む今、この職種は建設業界の中でも極めて将来性が明るい分野の一つです。

1級電気通信工事施工管理技士の受験資格と実務経験

令和6年度の技術検定制度改正により、施工管理技士の試験制度は大きく変わりました。従来の「学科・実地試験」から「第一次検定・第二次検定」へと再編され、受験資格のハードルも変化しています。改正の大きなメリットは、若手でも挑戦しやすくなったことですが、1級保持者として現場で働くには、実務経験が不可欠です。情報をしっかり整理し、いち早く資格を活用できるようにしましょう。

【第一次検定】19歳以上であれば誰でも受験可能に

冒頭でも軽くふれたように、第一次検定は、年度末時点で19歳以上であれば、実務経験なしでも受験可能となりました。つまり、入社1年目の若手社員であっても、学生であっても、「1級電気通信工事施工管理技士補」の称号を得ることができます。

しかし、実務上のゴールである「1級電気通信工事施工管理技士」として登録し、第二次検定を突破するためには、依然として厳格な実務経験が求められます。

【第二次検定】実務経験が必要

第二次検定を受験するには、一定年数以上電気通信工事に携わったという実務経験が必要です。

受験資格区分必要年数
1級電気通信工事施工管理技術検定 第一次検定合格者合格後、実務経験5年以上
合格後、特定実務経験(※1)1年以上を含む実務経験3年以上
合格後、監理技術者補佐としての実務経験(※2)1年以上
2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定合格者で、かつ、1級電気通信工事施工管理技術検定 第一次検定合格者2級第二次検定合格後、実務経験5年以上
2級第二次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上

※1建設業法の適用を受ける請負金額4,500万円(税込)以上の工事に限る
※2監理技術者の職務を補佐するものとして工事現場に専任で配置する技術者を指し、かつ対象となる業種の主任技術者の資格を有する者が、1級第一次検定合格後に建設業法第26条第3抗第二号に定める監理技術者補佐として配置された実務経験に限る

1級の第二次検定を受験するための受験資格区分は、2級よりも複雑になってくるため注意が必要です。場合によっては、もうすでに必要年数を満たしていることもあるかもしれないので、しっかり今までの工事経験を振り返るようにしましょう。

上記表及び情報は、検定公式サイトである一般財団法人全国建設研修センターの情報を参照していますが、受験前には必ずご自身で確認するようにしてください。

経過措置について

2級と同様に、1級でも制度刷新に伴い、経過措置がとられています。

第二次検定は、令和6年度から令和10年度までの5年間は制度改正に伴う経過措置として、【令和6年度からの新受験資格】と【令和5年度までの旧受験資格】のどちらの受験資格でも受験が可能です。

ただし、申込締切後の新・旧受験資格の変更はできないため、申込の際には注意が必要です。

↓旧受験資格区分 (イ), (ロ), (ハ)

※表は横にスクロールできます(スマホの場合)
区分学歴と資格必要な実務経験年数
指定学科指定学科以外
大学
専門学校の「高度専門士」(※1)
卒業後
3年以上
卒業後
4年6か月
以上
短期大学
高等専門学校(5年制)
専門学校の「専門士」(※2)
卒業後
5年以上
卒業後
7年6か月
以上
高等学校
中等教育学校(中高一貫6年)
専修学校の専門課程
卒業後
10年以上
卒業後
11年6か月
以上
その他(学歴問わず)15年以上
2級電気通信工事施工管理技術検定
第二次検定(実地試験) 合格者
合格後
5年以上
2級電気通信工事施工管理技術検定
第二次検定 合格後
実務経験が5年未満の者
高等学校
中等教育学校(中高一貫6年)
専修学校の専門課程
卒業後
9年以上
卒業後
10年6か月
以上
その他(学歴を問わず)14年以上
電気通信主任技術者資格者証の交付を受けた者6年以上

↓旧受験資格区分 (二) 専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある者

区分学歴と資格必要な実務経験年数
指定学科指定学科以外
2級電気通信工事施工管理技術検定
第二次検定(実地試験) 合格者
合格後
3年以上
2級電気通信工事施工管理技術検定
第二次検定 合格後
実務経験が3年未満の者
短期大学
高等専門学校(5年制)
専門学校の「専門士」
卒業後
7年以上
高等学校
中等教育学校(中高一貫6年)
専修学校の専門課程
卒業後
7年以上
卒業後
8年6か月
以上
その他(学歴を問わず)12年以上
その他高等学校
中等教育学校(中高一貫6年)
専修学校の専門課程
卒業後
8年以上
卒業後
11年以上
その他(学歴を問わず)13年以上

↓旧受験資格区分 (ホ)
指導監督的実務経験が1年以上、または主任技術者の資格要件成立後、専任の監理技術者の指導の下における実務経験年数が2年以上ある者

区分学歴と資格必要な実務経験年数
2級電気通信工事施工管理技術検定
第二次検定(実地試験) 合格者
合格後
3年以上
高等学校
中等教育学校(中高一貫6年)
専修学校の専門課程
指定学科を卒業後
8年以上

出典:一般財団法人 全国建設研修センター

※1 「高度専門士」の要件
  ①修業年数が4年以上であること。
  ②全課程の修了に必要な総授業時間が3,400時間以上。又は単位制による学科の場合は、124単位以上。
  ③体系的に教育課程が編成されていること。
  ④試験等により成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること。

※2 「専門士」の要件
  ①修業年数が2年以上であること。
  ②全課程の修了に必要な総授業時間が1,700時間以上。又は単位制による学科の場合は、62単位以上。
  ③試験等により成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること。
  ④高度専門士と称することができる過程と認められたものでないこと。

経過措置を利用する場合も、受験前には必ずご自分で公式の情報を確認するようにしてください。

1級取得に必要な実務経験とは?

実務経験として認められる工事の具体例

そもそも、「実務経験」とは、電気通信工事の実施にあたり、その施工計画の作成及び当該工事の工程管理、品質管理、安全管理等、工事の施工の管理に直接的に関わる技術上の職務経験のことを指します。

① 工事請負者の従業員として請負工事の施工を管理した経験
② 工事発注者の従業員として発注工事の施工を指導・監督した経験
③ 工事監理業務受託者の従業員として「対象工事の工事監理を行った経験

以下表は、実際に対象となる工事一覧です。

工事内容工事内容の例示
1.有線電気通信設備工事通信ケーブル工事、CATVケーブル工事、伝送設備工事、電話交換設備工事 等
2.無線電気通信設備工事携帯電話設備工事(携帯局を除く)、衛星通信設備工事(可搬地球局を除く)、移動無線設備工事(移動局を除く)、固定系無線設備工事、航空保安無線設備工事 等
3.ネットワーク設備工事LAN設備工事、無線LAN設備工事、公衆無線LAN設備工事、インターネット設備工事 等
4.情報設備工事監視カメラ設備工事、コンピュータ設備工事、AI(人工知能)処理設備工事、映像・情報表示システム工事、案内表示システム工事 等
5.放送機械設備工事放送用送信設備工事、放送用中継設備工事、FPU受信基地局設備工事、放送用制作・編集・送出システム工事、CATV放送設備工事 等

電気工事と混同されがちですが、電気通信工事は、あくまで表にあるように「情報の伝達・制御」を目的とした工事を指します。また、これらの工事における施工の管理(工程・安全・品質・原価等)に携わっていた期間のみ実務経験としてカウント可能です。

【注意】実務経験としてカウントできない工事

電気通信工事の中にも、実務経験としてカウントされない工事が存在します。「保守・点検のみ」の経験は原則として施工管理の実務経験に含まれません。また、先ほども述べたように、電気工事や消防設備工事など他の工事の実務経験との混同にも注意が必要です。以下の表に、「電気通信工事施工管理技士の実務経験として認められない工事」をまとめました。

工事内容工事内容の例示
電気通信設備取付自動車・鉄道車両・建設機械・船舶・航空機等における電気通信設備の取付工事
土木工事通信管路(マンホール・ハンドボール)敷設工事、とう道築造工事、地中配管埋設工事
電気設備工事発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、受変電設備工事、校内電気設備工事(非常用電気設備含む)、照明設備工事、電車線工事、ネオン装置工事
鋼構造物工事通信鉄塔工事
機械器具設置工事プラント設備工事、エレベータ設備工事、運搬機器設置工事、内燃力発電設備工事、集塵機器設置工事、給排気機器設置工事、揚排水(ポンプ場)機器設置工事、ダム用仮設工事 等
消防設備工事消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧・泡・不燃ガス・蒸発性液体又は粉末による消火設備工事、動力消防ポンプ設置工事、漏電火災警報設備
その他ケーブルラック・電線管等の配管工事

この表に載っているような工事は、原則として電気通信工事と認められないため、注意してください。

※実務経験に関する表・情報は同じく一般財団法人全国建設研修センターの情報を参照していますが、全ての情報を記載しているわけではありません。受験前には必ずご自身で確認するようにしてください。

1級電気通信工事施工管理技士を取得するメリットと市場価値

1級を取得することで、電気通信工事施工管理技士としての市場価値は劇的に向上します。その中でも、最も顕著な変化は、「年収」と「選択肢」だと考えられるでしょう。

1級電気通信工事施工管理技士は、通信キャリア、サブコン、大手ゼネコンから喉から手が出るほど求められています。多くの企業では、資格手当として月額数万円が支給されるほか、監理技術者として現場を任されることで、基本給そのものがベースアップするケースが一般的です。

統計的には、1級取得後の転職で年収が100万~150万アップすることも珍しくありません。また、働き方の面でも、発注者側の立場に近いコンサルティング業務や、より条件の良い大規模案件への参画が可能になります。実務経験を積み、1級を手にすることで、企業から選ばれる側ではなく、好条件の企業を「選ぶ側」に回ることができるのです。

1級電気通信工事施工管理技士の求人一覧

「資格は取りたいけれど、今の会社は激務で勉強時間が取れない」「会社が実務経験の証明に協力的ではない」「1級に合格したら条件の良い会社に転職したい」

もしそのような悩みをお持ちなら、資格取得を応援してくれる企業への転職を検討するのも一つの戦略です。

以下では、建職バンクで掲載している求人一覧ページをご紹介します。
「1級電気通信工事施工管理技士」の求人一覧はこちら
「資格取得支援あり」の求人一覧はこちら

1級電気通信工事施工管理技士に関するよくある質問

Q1: 2級合格後、最短でいつ1級の第二次検定を受験できますか?

A. 2級合格後の実務経験年数は、学歴に関わらず原則5年です。ただ、検定の受け方次第ではその期間を短縮させることも可能です。例えば、2級取得に必要な実務経験は3年であるため、2級と1級の第一次検定を同時期に合格してしまえば、3年後には2級の第二次検定の受験、さらにその後2年には1級の第二次検定を受けることができます。なるべく早く1級の取得をしたいという方は、検定の受け方を工夫してみると良いかもしれません。

Q2: 電気工事士の免許を持っていますが、実務経験は通算できますか?

A. 残念ながら、電気工事と電気通信工事は別物として扱われます。そのため、電気工事士として従事した工事は原則として、電気通信工事施工管理技士の実務経験としてカウントすることはできません。ただし、通信設備の電源供給に付随する工事など、重なる部分については認められるケースもあります。まずは、自身が携わった過去の工事内容を詳細に振り返ることが重要です。

Q3: 実務経験証明書に社員がもらえない場合はどうすればいいですか?

A. 転職済みの企業に依頼しにくかったり、会社が倒産していたり、特殊な事情がある際は代替となる書類や方法が存在することがあります。しかし、その手続きは非常に複雑である上に、証明書として認められない場合も少なくありません。何かしらの理由で証明書の用意が難しい場合は、早めに検定機関の相談窓口に問い合わせすることをおすすめします。

まとめ

1級電気通信工事施工管理技士への挑戦は、キャリアを劇的に変える大きな転換点となる可能性を秘めています。その一方で、複雑な実務経験の壁に戸惑ってしまう人も多数いることが予想できます。

まずは、令和6年度に改定された、新ルールをきちんと把握できているか確認することが大切です。

・第一次検定は、誰でも満19歳から受験可能
・第二次検定は、依然としてその受験に実務経験が必要だが、必要年数は学歴に関係なく一律化

上記2点は、1級を受験するうえで押さえておくべき基本事項ですので、最低限覚えておくようにしましょう。

実務経験の内容は、電気通信工事における施工管理に携わっているか否かが重要なポイントとなってきます。また、電気工事など他の工事と混同しないようにも注意が必要です。

1級電気通信工事施工管理技士の資格の取得で、年収もキャリアの選択肢も大幅に変化します。自分の描く理想のキャリアや給与、働き方などに近づくためにも、早期の1級取得を目指していきましょう!

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