葛飾区は東京都の東部に位置し、地域一帯が一級河川荒川の東側に存在する唯一の区です。江戸川区・墨田区・足立区と隣接し、埼玉と千葉の両県に接するただひとつの区でもあります。オーストリアのウィーン市フロリズドルフ市・中国北京市豊台区・韓国ソウル特別市麻浦区と姉妹・友好都市提携を結んでいます。
かつて栄えた町工場跡には現在、集合住宅や商業施設が立ち並んでいますが、プラスチック・繊維等の軽工業、ゴム製品やプレス・メッキ等の金属製品製造など、依然として都内の代表的な工業集積地域のひとつです。また、映画シリーズで有名な柴又を訪れる人が絶えることはなく、観光客向けの飲食店やお土産屋も目立ちます。JR亀有駅のアリオ亀有や京成金町駅のヴィナシス金町ブライトコートなど、大型の商業施設・ショッピングモールも充実しています。自動車教習所が多いのも、この地域の特徴のひとつです。
名所として最初に挙げられるのは、やはり柴又の帝釈天(経栄山題経寺)です。江戸初期に建てられ、数々の映画作品の舞台にもなりました。歌謡曲にもなった帝釈天近くの矢切の渡しは、江戸時代初期から江戸川を挟んで葛飾区と千葉県松戸市とを舟で結んでいます。都立水元公園は23区内でも最大規模を誇る水郷公園、区の所管である堀切菖蒲園は江戸時代に江戸百景に数えられるほどの花菖蒲の名所として知られています。
道路交通の要としては、JR東日本の常磐線・総武本線、京成電鉄、北総鉄道が走り、首都高速中央環状線も経由しています。葛飾区は、江戸の下町情緒と生活の利便性とを兼ね備えた街となっています。