東京都荒川区は23区の北東部に位置します。面積は10㎢と狭く、23区では下から2番目の大きさの区です。23区で最も町の数の少ない区でもあります。日暮里の一部を除くと、区全域が荒川の作った低湿な沖積地に立地しています。
荒川区は江戸時代に小塚原の刑場があったように、区域全体が寂しい農村地帯でした。しかし、明治時代に入ると荒川の水を利用する工業化が進み、現在では金属や機械、紡績、食品、家具、ゴムなどの工場が多く並んでいます。ただ、工場のほとんどは中小企業であり、工場地域の中に商店や住宅の混在する混合密集地帯になっています。
近年は工場跡地を利用した再開発が進展しています。特に、南千住地区の再開発は都内最大級の規模になっており、大規模なマンションの建設が進んでいます。
一方、谷中地区はお寺が多くあり、古風なムードを持つ閑静な住宅街になっています。
区内をJR山手線、京浜東北線、常磐線、京成電鉄本線、東京メトロ千代田線、日比谷線、つくばエクスプレス、舎人ライナー、唯一の都電の荒川線が走ります。道路は国道4号線が南北、明治通りが東西に通り抜けます。
日暮里にある青雲寺(花見寺)、本行寺(月見寺)、浄光寺(雪見寺)は江戸時代の行楽地であった名残を漂わせています。名所としては、大正時代に設置されたあらかわ遊園があり、平成3年に新装オープンしました。そのあらかわ遊園は隅田川~東京湾を回る水上バスの発着場になっています。また、日暮里駅から谷中銀座商店街に向かう途中にある「夕やけだんだん」という階段が人気スポットになっています。