東京都中央区は、その名の通り東京23区の中央部に位置し、東は隅田川、南は東京湾に面しています。区全体が低地に立地しており、川や堀割が多く、橋が多く架けられているのが特徴です。江戸時代の1601年、金座が本町1丁目(現在の日本銀行本店)に置かれ、1612年に京橋以南の地に銀座ができ、現在の銀座につながっています。銀座は1872年(明治5年)の大火焼失を契機として、1877年に煉瓦造りの不燃建築街に生まれ変わり、商業の一大中心地となっています。その後、日本橋付近から銀座にかけて三越、東急(旧白木屋)、高島屋、松屋、松坂屋などのデパートが建ち並ぶようになり、現在のショッピング街を形成してきました。
一方、日本橋本石町や室町には日本銀行本店を始め、多くの銀行が軒を連ね、兜町は東京証券取引所を中心に株式投資の街となります。江戸時代に日本橋にあった卸売市場が関東大震災後に築地へ移転し、世界的に有名な築地市場となりました(現在は豊洲に移転)。佃煮で知られる佃島は隅田川河口の三角州であり、漁民の居住地でした。
交通網も発展し、JR山手線・総武本線・京葉線などのJR各線や、東京メトロ6路線、都営地下鉄3路線が区内を走っています。江戸時代に五街道の起点であった日本橋は、現在も国道1号、4号、6号、14号、15号、17号、20号の起点となっています。他に首都高速道路都心環状線、1号上野線、6号向島線、9号深川線などが区内を通り抜けます。
名所としては、回遊式臨海庭園の浜離宮恩賜公園、桃山風建築の歌舞伎座、インド仏教様式伽藍の築地本願寺、跳橋形式で隅田川に架かる勝鬨橋などがあります。